中の湯温泉旅館。 | 行政書士NOW

中の湯温泉旅館。

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1979年、矢沢永吉の「成りあがり」を読んだ19歳の彼は一人旅に出た。



「どこでもいい、新宿から最終の各駅停車の夜行だ」


それは「長野」行きだった。小諸で1時間くらい停車した。



朝、松本で大勢の通勤客が乗って来た。


かまわず、ショートホープを喫いまくり、終点「長野」に着いた。



何のアテも、地図も、カメラもない。


一人で知らない土地にいることが目的の旅。



夕方、駅前の旅行案内所の女性の好意で、翌日朝、彼女の出勤まで表に出ない、


電灯をつけない、ことを条件に宿泊させて貰う。 2千円くらい渡したか??



翌日、松本に移動。松本城を散策。


夕方5時頃、「城内公園を閉鎖しますので出て下さい」のアナウンスが


あったような気がする。


ベンチに座ってると清掃のおじさんが「出れなくなるよ」と言うので、


「出なければいい?」と聞くと無言だったので、そのまま野宿。


いい時代だった。



翌朝、さすがに人恋しくなり、松本駅前の喫茶店に入りカウンターで、


モーニングサービスを食べながら、店のおばさんと話す。


おばさんお勧めの「上高地」行きのバスに乗った。




上高地に着く手前に温泉があり、露天風呂が見えた。


バスが通ると、風呂に入っていた若者がスッポンポンで立ち上がりバンザイをした。





上高地に着き、2人組の女性がいたので声をかけようと近寄ると、


「ほら来るよ」と言っている小声が聞こえたのでやめた。


ナンパするわけではなく、「どっから来たの?」と聞くつもりであった。


それがナンパだ、と言われればそうなのだが…。



そこから、美ヶ原高原に流れる人が多いようだったが、


彼には、先ほどの露天風呂が気になっていた。




「中の湯温泉旅館」


かの露天風呂の所有者である。


夕方、暗くなり始めた頃に着いた。結構歩いた。



「予約してないんですけど泊まれますか?」と聞くと


「団体さんが入っていて満室なんですよ」と言われてしまった。



通りかかった女将さんが、


「大学生の団体さんで騒々しいですけどいいですか?」


と言ってくれ、ひと部屋都合してくれた。



その後も、旅館やホテル5カ所に宿泊して東京に戻ったが、


他の宿泊場所の記憶は全く無く、「中の湯温泉」だけは、


事あるごとに、その体験を人に話してきたせいか、たまに思い出す。






昨夜、ペタをつけてくれる、ありがたい皆様にペタ返しをしていたら、


見習い若女将-中の湯温泉旅館-さん


の文字が視界の隅に飛び込んで来ました。




その方のブログ  を見ているうちに31年前の秋の記憶がまざまざと甦り…。


プロフィールによると、私が泊まった2カ月後くらいに生まれた方で、親子といえる



年齢差ですが、何かの縁と思い読者登録させていただきました。