前回衆院選で８選挙区全敗という苦杯をなめた公明党は今回、候補を擁立した９選挙区全てで勝利し、雪辱を果たした。投票締め切りと同時に、議席が解散時の２１議席を上回るとの情報が伝わると、職員から歓声があがる一幕もあった。前代表の太田昭宏氏が返り咲き、閣僚も務めた故冬柴鉄三氏の弔い合戦も制した。
公明党は１７日にも自民党の安倍晋三総裁との党首会談を行う。山口氏は「国民の安心を作り出すための検討をしたい。自公がしっかり連携していくことは揺るぎない」と表情を引き締めた。井上義久幹事長もＮＨＫ番組で「日本再建を政権というかたちで担う用意は十分にある」と述べた。
公明党は今回、新たに北海道１０区で候補を擁立したのをはじめ９選挙区での議席獲得をめざし、比例代表を含め３４議席を目標として設定。大阪、兵庫で新人候補を擁立、日本維新の会とも選挙区調整を行い、支持母体の創価学会の組織をフル回転させた。
衆院選後は、自民党とともに連立協議を行い、政権復帰をはかる。ただ以前に比べ自民党とのパイプは細くなっている。安倍氏は選挙期間中、公明党が慎重な姿勢を示してきた憲法改正や集団的自衛権の行使に意欲を表明している。まずは両党間の意思疎通と連携強化が課題となりそうだ。