論理療法(REBT)① 概論 | ファイブアカデミーの心理学入門

論理療法(REBT)① 概論

皆さん、こんにちは。東日本大震災から11ヶ月が経ちました。
もう1年かと思うと早いですね。最近はまた各地での揺れが多くなっており、
不安を感じたりしていませんか。被災地の皆様の安全と復興をお祈りいたします。

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今回は論理療法についてお話ししたいと思います。
皆さんは論理療法という呼び方を聞いたことがあるでしょうか。
まずはこの療法の日本語名について触れていくことにしましょう。

認知療法や認知行動療法という名前は聞いたことがある人も多いかもしれません。
論理療法は広い意味での認知療法に含まれます。ごく最近、論理療法から
「人生哲学感情心理療法」という呼び方に変更され、現在に至っています。
ここでは長い間使用されてきた「論理療法」という名称を使いたいと思います。

また、日本語の名称が少しややこしいこともあってか、英語名の頭文字をとって、
REBT(Rational Emotive Behavior Therapy)と呼ばれることも多いようです。

論理療法(REBT)は心理学者のエリスによって創始されました。
エリスは精神分析の流れを汲んで活動をしている心理療法家でした。
精神分析は悩みそのものを理解することや、原因などを探ることは得意ですが、
悩みを現実的に解決することは不得意とします。そこに疑問を感じたエリスは、
行動主義的な考え方に着目し、論理療法を編み出しました。

論理療法(REBT)の基本的な理論は、人は本来合理的な考え方の持ち主であり、
非合理的な考え方は後天的に学習したものであるというものです。
合理的な考え方のことを「ラショナル・ビリーフ」と呼び、
非合理的な考え方のことを「イラショナル・ビリーフ」と呼びます。

ビリーフ(belief)とは「信念」のことですので、「イラショナル・ビリーフ」は
「非合理的な信念」と訳されます。「こうでなければならない」というような
強い思い込みや願望を想像していただければよいかと思います。

心の不調はイラショナル・ビリーフと現実の問題が合致しないために起こる
不適切な感情と考えられており、イラショナル・ビリーフを
ラショナル・ビリーフに変えていくことを目標としていきます。

心理学では人の考え方やとらえ方のことも「認知」と呼びますので、
物事のとらえ方を変えていくことを目指す論理療法(REBT)は
広い意味で「認知療法」と呼ばれているわけです。

次回は引き続き論理療法(REBT)の中心となる考え方、
ABC理論を紹介する予定です。どうぞ、お楽しみに。