A.一眼動画は暗い所に強い反面、明るいところに弱いです。
その理由は
「センサーが大きく構造的に光を取り込みやすい(取り込みすぎる)」
「動画に置けるSS(シャッタースポード)は低速(1/50-1/120秒)が好まれる」
などによります。
その対策にはND(=減光)フィルターを使うのが一般的です。
一般的なビデオカメラに比べて一眼カメラは面積にして数倍の大きなセンサーを有しています。これは沢山光を取り込めることを意味します。
デジタルカメラの撮像素子(CCD、CMOS)サイズ比較
(*そのうち画像つくって載せますが、とりあえずはリンクで)
暗いシーンや夜景などではその大きなセンサーによる高感度が威力を発揮するのですが、逆に「光が多すぎる」シーンではそのコントロールに苦労することになります。
なぜなら「カメラ」というのはいわゆる「光学機器」で「光を取り込んでなんぼ!」の機械ではあるのですが、ある一定以上の光を取り込むと画面が真っ白になってしまいます(いわゆる露出オーバーの状態)。
(*室内や曇天、夕方以降など光量の少ないシーンであれば問題ないのですが、「雲一つない晴天!」であったり「絞りを開けて背景をぼかして撮りたい!」な日であったりした場合露出オーバーになりやすいです。露出についての詳細は撮影の項目で書きます)
写真(スチル)の場合はこういう時にはSSの速度を早める(数百~数千分の1秒)にして対処したりしますが、こと動画の場合はそうはいきません。なぜなら冒頭にも書いたように動画の場合、特別な意図が無い限りSSは固定、しかも低速で撮ることが基本だからです。
(*このあたりのことは後日撮影の項目でFPSとSSの関係を書くつもりなので理由や詳細は省きます)
では、どのような方法で動画の露出オーバーを克服するのでしょうか。
一眼動画では露出オーバーのシーンでは可変NDフィルターを使用するのが一般的です。
NDフィルターとは減光(ND=Neutral Density)フィルターのことで、レンズを通しセンサーにあたる光の量を調節するフィルターのことです。NDフィルターは単純に黒いガラスになっています。
(▲日本では人気のあるKenko製のNDフィルター。画像はND400。)
一眼動画で使用する写真用レンズのほとんどすべてには、各種フィルターを取り付ける為のネジが刻まれています。そこに減光フィルターをねじ込み減光させ、遅めのSSを維持します。
写真撮影の場合はND4 / 8 /16 /400など、そのときに必要なものを使用し、露出の微調整はSSで行うのが一般的です。しかし、こと連続したシーンを撮影しないと行けない動画の場合は微調節にSSは使用できません。またワンカット内で光量の変化するシーンでも、見たときの印象を維持する為には絞りやシャッタースピードを基本的に変えることは出来ません。
そこで、一眼動画では可変式のNDフィルターを使用することをお勧めします。
可変NDを説明すると長くなるので詳細は外部リンク(バリアブルNDX | NDフィルター | ケンコー・トキナー)に任せますが、例えばリンクの可変NDフィルターの場合は、ND2.5-ND1000相当の減光を一枚で無段階に行うことができます。
(*オススメのNDフィルターは後日記事にします。)
■まとめ
このように「明るいところに弱い」という方法は(特殊なレンズや状況以外では)NDフィルターで対処できます。特に一枚で幅広く減光できる可変NDフィルターは、一眼動画でボケを活かした動画を撮りたい場合は必須と言っても良いでしょう。
是非手に入れておきたいところです。
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■編集後記
と、少し長くなってしまいました。露出の説明をしだすときりがないので、細かい話は撮影の項目で書こうと思います。
最近忙しくて少しペースが落ちていましたが、もうちょっと頻繁に更新したいところです。