月組 TBS赤坂ACTシアター公演『瑠璃色の刻』を初日・千秋楽含めて8回観劇しました。

美弥るりかさんは、ご挨拶が上手いですね。
千秋楽はとても素敵な千秋楽になりました。
カーテンコール、最後は幕前にお一人で出てきてくださり、感きわまり涙も。
こちらもつられて涙。でした。
そして、光月るうさんも上手い!声も良いし。


さて、舞台の感想ですが、私がドラマシティで観劇した時からずいぶん変更されてました。
台詞がカットになったり増えたり、ドラマシティ公演後半から変更されたもの、東京公演から変更になった場面と、出演者はかなり苦労されたのではないでしょうか。

特に変わったのは、
①1幕 5場
アントワネット(白雪さち花)がアルトワ伯(美弥るりか)に夢の相談をする場面。
ドラマシティでは、王妃様の未来には曇りがない。思うままにお進みください。というようなことを答えるのですが、
東京では、王妃様に不穏なことが起こるやもしれません。私の予言をよくお聞きください。というような内容に変わりました。

ドラマシティを観たときにこの場面は疑問が残っていて、どうして良いことが見えると言ったのかわからなかったのですが、変更になって、貴族達、特に王妃様がアルトワ伯の執心したことが頷け、しっくりしました。

②2幕 9場B
ラスト、シャンボール城の場面。
私がドラマシティで観たときは、最後、ジャック(月城かなと)が賢女の石の箱を取り、底に「失ってはならないものがある」という文字を見つけるのですが、そこはなくなり、
シモン(美弥るりか)が自ら「失ってはならないもの」に気づきます。箱も自分で取り石をしまいます。
これも変更になって、すごくすっきりしました。

ひとつ疑問に思っているのは、賢者の石は、予言をする=未来がわかるのだと思うのですが、過去も占えるの?
裏切り者を探せという場面で毎回過去もうつるのか?と疑問に思ってしまうのです。
なんでも見えるんですね。



好きな場面は、
一番好きなのは、ラストのモリエールの芝居の台詞をシモン(美弥るりか)とアデマール(海乃美月)が静かにやりとりする場面です。恋愛要素はないけれど、心の結びつきのような赤い糸が見えるようで、綺麗な場面だなと思います。
そして、ジャックの葛藤と3人が(もしかしたら時代を考えると短い時間なのかもしれないけど)未來に向かって明日を生きようと瑠璃色の空に向かって踏み出していくのが素敵です。

ネッケル(輝月ゆうま)のソロからロベスピエール(宇月颯)の力強い演説の歌に移るパリの場面も大好きです。
ここで一気にミュージカル感が強くなりますし、耳にも残る曲です。
少ない人数でも迫力があります。

ダミアン一座の登場場面。
フィリッポ(夢奈瑠音)の訛りとアデマールの絶妙な「下手よ」に毎回笑わせてもらいました。
そして、毎回違うヤン(音風せいや)のアドリブも毎回笑いが起きました。

忘れてならないのが、アントワネットのラストの場面。
素晴らしい歌で、王妃の王妃たる気高さと気品を感じました。
それをみつめるシモンとアデマールが美しい。


シモン[サン・ジェルマン]
美弥 るりか
まるで賢者の石にとりつかれたようにサンジェルマン伯爵に成りすましていくシモン。
貧しかった惨めだった幼い頃のことが、心の奥にこびりついていて、決して忘れられないからこそ、昔には戻りたくない、戻れないという気持ちが強くなったのでしょう。
美弥さんはシモンになりきっていて、とても繊細で深いお芝居をされていました。
フィナーレのダンスも今までないような動きがありましたが、ダンサーとしても魅せてくれました。


ジャック
月城 かなと
ドラマシティとはお化粧も変わったように見えましたがどうかしら?
雪組のお化粧から月組のお化粧になったような。目の書き方が違うように思いました。
ジャックは、シャンボール城に忍び込んだときはビビりで、いつでもシモンの後にいるような男性だったけど、シモンの気持ちがわからなくなってから(というか、サンジェルマンにとりつかれてしまったシモンが怖くなったのかも)自分の進むべき道を自分で選び進んでいく力強い男になっていく、大きな成長のある役。
月城さんは、日を追うごとに、どんどんジャックがおりてきて進化していました。


アデマール
海乃 美月
最近の海乃さんの役は、地声に近いような発声で力強い歌い方が多かったのですが、アデマールの歌は綺麗な旋律や、強い曲、いろいろあり、ファンとしては嬉しかったです。
海乃さんは、影ソロもやったことがある位、綺麗に声を出せるので、このような曲をこれからも聞きたいです。
アデマールは、ヒロインといっても、恋愛要素があるわけではないのですが、芯が強く、そして他人の気持ちがわかる優しい女の子。もしかして、愛というのはこれからで、シモンに対する気持ちは、恋というか憧れなのかな。

フィリッポに対する「へたよ」の言い方もドラマシティで観たときより東京は上手くなっていて、毎回笑いが起きてました。

🎵今の言葉消決して忘れない🎵この世は貴族のため🎵のジャックとの掛け合いの曲は月城さんとの声も合っていて、好きな場面です。

役になりきっていて、表情もくるくる変わります。
ラストは毎回涙で、でも明日に向かっての笑顔でとても綺麗です。
フィナーレの白いドレスでのダンス、何度観ても衣装と振付が合ってないと思うのですが、それにしてもあのドレスでのジャンプ等凄い!


ロベスピエール
宇月 颯
最初のテオドール、初見時は宇月さんが演じているのがわかりませんでした。
上手いですね。
テオドールは、ジャックが最初に「幽霊みたい」と言っていたとおり、幽霊だったのでしょうね。本来の姿は、最後の骸骨。

ロベスピエールは、迫力があり説得力があり、すごく印象に残りました。
顔つきも正義感から狂喜の顔に変わっているように見えました。

ひとつ、ロベスピエールは、もしかしてアデマールに初めて会った時ときめきを持たなかった?
ちょっとドキッとした表情を見せたので。その後、人間は平等に・・ということを話し出すのですが。サンジェルマン伯爵を捕まえに行く場面でも「彼女はほおっておけ」というし。


マリー・アントワネット
白雪 さち花
ソロナンバーの素晴らしさ!
たぶん歌いやすいキーではないのだと思いますが、それを克服して歌い上げているんだろうな。


ネッケル
輝月 ゆうま
存在感が凄い。そして、素晴らしいソロ!
出番が少ないけど、きちんと足跡を残している。


ルイ16世
光月 るう
やはり光月さんはお芝居が上手いですね。
「狩りにいく」「うるさくてかなわん」は絶品。


プロヴァンス伯爵
貴澄 隼人
「成り上がりのブルジョワめ!」ゾクゾクします。


ポリニャック伯爵夫人(夏月 都)とランバール公妃(晴音 アキ)の小競り合いが笑えます。

ダミアン(響 れおな)一座、娘役の豪華なこと。アデマールの海乃美月さん・コレットの叶羽 時さん・ジジの紫乃小雪さん、皆さん新人公演ヒロイン経験者。台詞がほとんどないのが残念。
フィリッポ(夢奈瑠音)はアデマールのことをいつも思っていて、純粋で可愛い。
ヤン(音風せいや)とポーロ(蘭 尚樹)も良い味出してます。
ポーロとジジは、兄妹ですよね。
いつも手を繋いでいて可愛いですね。

革命家のクートン(颯希 有翔)・ヴィルヌーヴ(蓮 つかさ)・ビュゾー(佳城 葵)もそれぞれあつく、台詞もはっきりして聞きやすい。もう少し出番が欲しかったな。


侍女の姫咲美礼さん、声が綺麗。
貴族役の時も素敵で、ついつい見てしまいます。