55のルーティン巡回先ブログで、昨日は雇用方面の話題がやや厚くなっている。
その中で
池田信夫さんの5/2
の記事はフレクシキュリティ方面が再度取り上げられている。
フレクシキュリティは55妄想で考えてきた主張と一致する。
そんな方面から、再度考えてみたい。
55主張は、そりゃあシロウトの妄想であったので、シンプルだ。
・雇いやすくする(=解雇しやすくする)
・再出発しやすくする
.......と、これだけだ。
今日はそこに、【日本型雇用】【高等教育】【職業訓練】【学歴主義】のエッセンスを加えたい。
池田さんの記事では、
①終身雇用が実現されているのは一部の大企業だけ。
②終身雇用はむしろ社員間の競争を激化させ、組織しているデメリットがある。
というような特徴が挙げられているように・・ 現状は実際、そんなとこだろう。
55が考える雇用方面の本丸は、【学歴】にある。....と言っても、それは学歴信奉とは違う。
労働者保護陣営も計画統制主義者も共通して黙認する競争は、学歴獲得競争にある。
現状の秩序内において、真っ当な個人の努力によって自動的に「先約束」される仕組みが学歴獲得競争であり、そのような先約束を経ないで成り上がれるラインや存在を否定したいのが両陣営の(意図してはいないが)望んでいる社会だ。
怪しい弁舌家や悪事でお金をため込んできた人間・資本家(貴族)・・・ これらのような真っ当とは言えない(と思い込んでいる)人たちから社会権力orセクションを奪還し、そして維持していくことに正義があるからこそ、「平等!公平!安全!」などと言うクセに、学歴競争だけが黙認されている。
「先約束」獲得のための個人の努力を積んできた者は、「積んできた分だけ約束されていい」というワケだ。
・・・と、そこだけを読んでいく場合、何か気になる社会ではない。むしろ素晴らしいかのような社会観だ。
が、しかし.... それはより深刻な問題を連れてくるし、第一目的のために手段を選ばない行いであろう。
これは、結果の平等を結構大事に主張する割に・・ 一度どっかでつまずいたら、一生這いあがれないということを主張しているに等しい。それは「自分が失敗したんだからしょうがい┐( ̄ヘ ̄)┌」で済ませろというのか....。
ところが、学校の勉強という職業などない。どんな職業でも結局同じなんだが・・ そこで従事していく内容に対する努力が認められるベキで、学歴獲得競争的「先約束」の努力とは、本来その職業(事業活動)とはまったく関係がない。そんな関係のない競争がすべてを決めていい理由などないんだ。
第一、初等教育には塾の存在があること自体が一番の問題点だ。それを煽っていい人間性は何より深刻な残虐性だ。
学歴ピラミッドによる「先約束」主義が社会権力を握る世界観こそ、一番の病巣であるということ。
次に、職業訓練について。
高校・大学・専門・公機関自身には、実際に役に立つ職業訓練など行えない。
それは明白だ。それらに従事している人たちは、民間一般企業でまともに戦ってきた人などいない。
未来に役に立つことを事前に教えられる人は少ない。
たったの今まで積み上げられてきたものが、「標準化されてリレー可能になったもの」を社会が吸い上げ、そして変化(進化)し続けていく・・・ それには、現状でそのような道を成した人が協力していかなければならない。逆に言うと、箱(場所)を持っている機関が、それを活用していく方法さえ掴めれば、それは可能だということになる。
現状では、そのような一部のノウハウを獲得した方々がコンサルを自分で興している。が、実際には・・ 大したノウハウなどないところが多い。それは、「自分で興す」必要(動機)がまず最初にあるからで、素晴らしいノウハウを獲得したからではないからだろう。ノウハウとは、素晴らしければ素晴らしいほど・・ 深化しているわけで、つまり範囲が限られる。それを教えることを商売とするにはハナっから限界がある。産業つまり要求されるノウハウは移り変わる。同じノウハウで事業を続けられることのほうが奇跡だ。
つまり、就業→独立ではなく、就業→職業訓練という道があればいいという話しだ。(さらには、そんな講師はじきに自分のノウハウは使えなくなるから、次はその先の講師を探す人になればいい。)
一般企業をあまり知らないが、しかしかなり高等な主張をされる方々・・ そのような方々は「一般企業で戦ってきても大したノウハウなど持っていない。」と言うだろう。しかしそれは「特許並」の話しであって、ここで対象としているものとは関係がない。誰かが教えなきゃなんないとして・・ 通信方面を厚くしたいなら、通信方面に従事してきた人が一番ふさわしいのは言うまでもない。教え方のプロと、そのコンテンツのプロ.... それが連携すればいいという話しだ。教え方のプロとは、「箱」を持っている側のことだ。第一、それらは教育をする機関であり、まさか教え方のプロではないわけがないだろう。産業の中身は産業が持っている。自分らの雇用を守りたいだけならば、社会に存在している理由がない。
※仕組みにばかり注目が集まってしまうが、結局それは人間性の問題であり、人間性がどんな仕組みを採用するかを決め、そんな採用されている仕組みから人間性を知ることができる。・・・これが正しい社会観察だ。
2000年問題を前にした時代・・ そっこら中で、プログラマーが不足していた。時代もコンピューターの活動が拡大し、引き続きそっち方面の人手は拡大する。
もしここで、そっち方面が衰退したらどうなる.... そっち方面に従事していた人が余るということだ。
現状の雇用対策に、介護職を増やすというのがある。現在猛烈に増やしたとして・・・ 数十年後に猛烈に余ってしまうことは、今から既に見えている。
産業の移り変わりをコントロールすることはできない。(それは全世界価値観統制計画主義だ。ありえない。)
ということは、移り変わりに合わせて求められる職は変わっていく。もちろん、そのような雇用大移動が実現されなければ、その社会が衰退していくのは、中学生にだってわかる話しだ。
産業の移動(=雇用の移動)は回避できない。大事なのは、それをどう行うかであって、それを維持させようとする話しなど、話し合う意味すらなく、低度なものだ。
どう移っていくか・・・ そこを問うているのが、この職業訓練の話し。
そこを実現する社会が、次の時代のリーダーであることは疑いようがない。
資本主義の次に訪れている社会はそこにある。この場面において、時代を遡って行くのはどんな連中なのかは目に見えている。
※一部追加したい。自分で読んでて・・ 学歴だけが強調されてしまったように感じる。
「先約束」とは、自分の頭の中では資格制度も含むものだった。資格とは、従事してからの評価よりも、テストで先に約束されてしまう制度だ。
民間資格は大きな効力を持たない。ここで言うのは国家資格だ。
行政府は、皆の安心のためにも、資格制にして容易に監視統制下に置くことができる。そして多くの国家資格は、その動きは単体独立であるから特殊な形態の法人に移行させる。特殊な形態の法人は、国民の監視下から外れることが多い。
講習を受けるだけで取れるようなものも腐るほど存在する。それらは実質大したことないものではあるが、事業を行っていくうえでなくてはならない法制度になっており、これは特殊な法人に対して無条件に上納金を納めさせられているようなものだ。的屋の場代や繁華街で商売する際の治安を守るための上納金と何も変わらない。
以前から主張しているように・・ 「○○大学合格者数ランキング!」とかとにかく学歴を煽るような行動を繰り広げているのは、朝日と毎日が多い。もう影響力は弱まっているそうだが・・ 日教組とは教職員組合だ。労働者保護!陣営とは、そのように教育方面への繋がりが強い。
「安全・安心」を食い物にしている極悪非道な善人たちの繰り広げる世界観の拡大こそが、この項で主張したかったことだ。