JBL Project K2 S9500 恐ろしい子! | 禁断のKRELL

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ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。

 

 

 

 

 

最近はS9500の魅力に完全にノックアウトです。

 

 

S9500、あまりにも良すぎる。

 

 

 

ありがたいことにS9500の先輩ユーザーからコメントいただきましたが、

「新品の固いウレタンエッジが馴染んで柔らかくなってきたら豊潤さもでてきますよ」

確かにそういう感じがします。ただやはり兄弟機のS5500と比較すると良い意味で

辛い口というか、厳格でシビアーな音ですね。しかし、それが大変気持ちいいものです。

厳格さとは曖昧さがないリアリティの高さを表現するのに使っている語彙ですから。

 

 

 

S5500より格段に音像リアリティーが高く、立派な音がしますね。

つまりS9500は音像表現のレベルがきわめて高いのです。Pass Aleph0と相性がいいと

啓示を示した朝沼先生は慧眼ですね。Pass Alephのモノラル機は音像リアリティーが

比較的値付けが抑えられたブランドの中では、とても優れていますから。

 

 

ただ・・・・・FMはその中でも別格ですね。

 

 

 

本当のS9500のポテンシャルはPass Labsでも出せず、FM411でやっと花開いた感じがあります。

 

 

 

 

 

S5500のひとつ前はATC SCM-100を使っていた。その後サブにWILSON AUDIO CUBを使い、

S5500を最初に買ったのは大阪日本橋シマムセンの新設されたばかりの真新しい試聴室で

2007年秋だから約9年前になる。裏通りにある表店から離れたショールームには

確か中古品ばかり展示されていた。移動の時ぶつけてウーファーに補修跡があったので

S5500の中古45万くらいが相場の時代に、なんと35万の値付け、確か記憶では

32万か33万まで値切って買ったと思う。全国の皆さんがよく知る大阪を象徴する風景、

難波高島屋の隣にある難波駅前の三井住友銀行から預金を降ろして

キャッシュで支払った。2007年晩秋の夕暮れ時だった。まだ現役選手で

ランカーを3-0で撃破してランキング入りが確実だったから、

気持ちも大きくなっていた。いい時代だった。S5500のウレタンエッジは張り替えた

ばかりだった。ぼくは大変S5500が気に入り、本当はピアノブラック仕上げが欲しかった

ものの、ずっと気に入って使っていたが、あるとき浮気の悪い虫が騒ぎ出し、

アメリカでは神様扱いされ (完全に別格扱い)、全世界で一連のシリーズ機累計2万セットを

売ったという、WILSON AUDIO Watt3 Puppy2に思い切って買い替える時に手放した。

残念ながらWILSONは自分の求めていた音量に耐えられず、

トゥイーターを飛ばしてしまったときに限界を悟り、またJBL S5500に戻った。

このときもまたシマムセンで購入した。2014年1月だからもう三年近く前になる。

やはりウレタンエッジは張り替えたばかりで新品同様、触るとまだ固い感触だった。

先に手放したウォールナット(木目)仕上げより状態は良かったが、

42~45万で売れてなぜかすぐまた戻ってきたようで、再度商品化されていた。

値段は35万まで下がっていた。店員さんによると、「飼い猫に爪砥ぎされたネットと

経年劣化したエッジはハーマンで最近張り替えたばかりです」

 「本当に問題ないんですね??」と確かめて、さらに値切って購入。

当時はまだ使えた家財便込みの値段で32万は店舗購入価格としては異様に安かった。

(この6年前に買ったものはウーファーの補修跡で大きく減額されていたから安かった)

「大丈夫かな」と思っていたが音出ししてみると案の定というか、

左右で音が違う。「ああ、これで返品されたんだろうな」と、

クレーム入れようかなと思っていたが、あいにく着日が木曜日だったので店舗がお休みで

連絡が付かない。一晩考えていたら、「ああ、HFコンターの存在を忘れていた」

信じられないが、片方がノーマルバイワイヤ、片方がマルチアンプの設定だった。

片方がネットワークを経由するシングルアンプ使用で、片方がネットワークをバイパスする

マルチアンプの設定。そりゃあもちろん左右で音違いますわ。さすがだぜ、シマムセン

アバウト過ぎる。もちろんマイナスドライバー 一本で簡単に直すことが出来た。

保障は確か二ヶ月だったが、JBLのスピーカーが壊れる事なんてほとんどないので

保障ナシでもいいからもっと下げてほしかったくらいだ。ああ、初期不良は保障有りでね。

話が長くなったけど、張り替えしたてのS5500を二セット使った経験からしても

S9500はより厳格でシビアーで辛口の音がする。

FM acoustics FM411とPass Labs Aleph0sで鳴らしてみたが、「これは厳しい」

S5500のほうがはるかに鳴らしやすくAlephのステレオ機でも鳴らせたのに・・・・・

FM411で鳴らすと超圧倒的(!)にドライブ感が違います

Pass Labs Aleph0sは見た目こそコンパクトだが実重量26kgの重たい鋼鉄ブロックで

2Ω負荷までカバーできる鬼才 ネルソン・パスの設計だ。Alephはもともと

低域は緩めだが、そういう音作りだから。それにしても、「こんな恐ろしい差が出るんだ」

と云うか、FMは凄すぎると思う。 DD66000 Everest やK2とFMのパワーの組み合わせは

鬼に金棒といった感じ。これほど大型のスピーカーなのに、凄みすら感じる精密な音像を

描き出し、曖昧なところがまったくない。音の一粒一粒や音像の輪郭にもとても力がある。

大きくて重たいウーファーを完全にグリップしている感じが本当に凄い。

一瞬の揺らぎもみせない群を抜く安定感だ。これはもう快感的ですらある。

他のハイエンドアンプとは別次元すぎて笑える。

 

 

 

 

S9500とFM411はともに厳格な音だが、およそ聴き疲れするようなところがない。

このシナジー効果はとても気持ちがよく、大型機の愉悦を存分に味あわせてくれる。

S9500のオリジルプライスが440万でS5500が160万、S5500は実売価格でも140万した。

筆者は440万と160万の価格相応の音の差があるんじゃないかと、現在は思うようになった。

 

(つまり考え方が変わった)

 

だが相性がいいはずのAlephでは例えモノラル機を用いてもそれだけの凄みや潜在能力は

到底引き出し切れなかったと明確に感じる。S9500は鳴らない、鳴らないとよく云われる。

これは日本家屋向きの内振りセッティングにして、音響パネルを設置して、

土台を補強して、バスレフポートはスポンジで塞いで、あとはFMのステレオパワーアンプを

使えばアッけなく鳴ると思う。S9500が鳴らない原因はドライブアンプを極端に選ぶ

レーシングマシンのように一切の妥協を許さない、高き設計思想と、きわめて高い潜在能力にあるんだと思う。

 

 

 

 

S9500+FM411は最強です。