FM Acoustics FM411 | 禁断のKRELL

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FM ACOUSTICS FM411 ステレオパワーアンプ スイス連邦 1994年~2006年 ¥2,200,000~¥4,620,000

 

 

 

    雲上の頂へ

 

 

 

 


~FM Acousticsからのメッセージ~

 


コモンコードノイズリジェクションをはじめ、ステップレスポンス、位相特性の追求など、
回路設計における徹底した動特性の解析はもちろん、厳密な部品選別と手作業に
よる製造工程、数十時間をかけたバーンインテスト......1台のアンプに数百時間を掛ける、
それはまさにスイスの伝統的職人のなせる業だと自負しています。また、RIAA特性制定
以前のLPやSPにも自在に対応し、限りなく正確な再生特性を得るなど、イコライザーカーブ
の可変機能を持つ斬新なフォノEQを開発するなど、徹頭徹尾アナログにこだわり極めます。
演奏者の息遣いやほとばしる情熱を眼前に沸騰させ、音楽が持つ根源的な力を再生する
道具はどうあるべきかという原点を常に見目直す製品開発を心がけ、何十年もオーナーを
惹きつけて止まない魅力を放ち続ける製品作りの姿勢を堅持しています。

 

 

 


 

 

 



広大な空間を満たす、透明度の高いクリーンで瑞々しい魔法のようなFMサウンドは、
空間の隅々にまで行き渡る高い浸透力により実現されている。
これは並び立つ者のない強力なスピーカー駆動力と制動力の高さの証拠である。
FMアコースティックスの電源トランスは非常に効率が高く、
ノイズの発生も極限まで低く抑えられ、きわめて優れた特性を持っている。
片側チャンネル側だけに極端に過大な入力が突入する場合などは
優れた電源トランスを搭載する一基の電源トランスで電源供給したほうが、
その半分の容量のトランスを左右で独立させ使用するよりも
安定化した大電力の供給が可能となり、大編成オーケストラの
トゥッティやジャズのフルバンドでのエネルギー感に対しても
電源部の容量不足によるダイナミクスの抑制が抑えられるというのが
同社のパワーアンプ開発の根幹を成す最も重要なフィロソフィーである。



FMはまさに至高の音。位相特性に優れ、低域から~高域までフラットなエネルギーバランスで
コンパクト・ディメンションが信じられないくらい、全帯域に強大なエネルギー感がみなぎり、
まるで音の壁のように押し寄せてくる。鮮度感もきわめて高く、どこまでも伸びていく
音圧の高さと大地を思わせる安定感はオーディオを知り尽くしたマニアックを瞠目させ、
鮮烈な印象となって脳裏に刻み込まれ、彼の記憶から消え去ることはないだろう。
FM411の再生音には非常に重厚感があり、怒涛のような低域の爆発力がある!
強烈な力感とパンチ(!) 唸りを上げる躍動感や情感表現力も驚異的で、
ベテランオーディオファイルなら、一瞬で他有名ブランドとの圧倒的な性能差を実感できる
実聴時における最大の印象は、世界最強と断言できる飛び抜けた音像の実体感の高さに尽きる。

広大で精密な音場、緻密な質感描写、周波数特性も広帯域であり、聴感上のS/N比も高い。
明るい音色で音像は淡い光沢感を纏う。気持ちのよい爽やかさで機敏な反応特性をそなえる。
女性ヴォーカルは凛然として艶やかで、若い(明るい)音色で伸びやかに眼前を吹き抜けていく!
マジカルで真空管のような魔力を帯びた音色には、空気中を伝搬する高い浸透力に支えられた
波動のような霊妙な残響音(ディケイ)がそなわり、知らぬうちに全身が粟立つのだ。
FMの誇る麗しき美音には倍音成分が豊かである。これらの要素が混然として一体となり、
燦然とした輝きを高く解き放つ、崇高で格調高いFM Acousticsの世界観を創り上げている。





出力150W+150W(8Ω)、275W+275W(4Ω)、450W+450W(2Ω)

アイドリング消費電力100w 30%出力時600w 最大出力時1.6kw

入力感度/インピーダンス:1.6V/40K Ω
寸法/重量 : W430×H180×D450mm / 22kg
バランス入力HOT=3番ピン

アイドリング時消費電力約100w 30%出力時600w 最大出力時1.6kw

問い合わせ先 アクシス 03(5410)0071




Accuphaseのような端正さでフィディリティ(忠実度)を重視した音ではない。
積極的な音色の脚色や、演出感を伴うので、リゾリューションシリーズの
セパレートアンプは万人に受け入れられるサウンドではないのかも知れない。




だが、

 

 

 

 

 

 


FM Acousticsはまさにブッチギリ、

 

 

ダントツで世界一のサウンドである。

 

 




高級ゾーンを中心に世界中の名だたる有名ブランドを73モデルも買い替え、
渡り歩いてきたが、ほんとうに圧倒的な大差でFM411はナンバーワンである。

 



もはや他の候補を探す気がなくなるくらい、飛び抜けて魅力的なパワーアンプなのである。

 

 

 

 

 

 

 

(クラシックシリーズやモノラル機のFM111はダメだが)

 

 

 

 

もっとも出力が低いが、クオリティが高いモデルでもあるFM411の選択はベストだったと思う、
7.5畳のリスニングルームでは膨大なエネルギー感や強烈な力感を持て余すほどだった。

 

FMのパワーアンプは、FM411 FM611 FM611x FM811 (FM711) ら偶数番台が優れている
ことが広く知られている。例外となる傑作機はFM711である。

 


FMのプリアンプとパワーアンプの音質支配力は50対50の互角、プリとパワーを
FMで揃えて初めてFMの音が完成する。
(通常はプリ65%、パワー35%)

 

だが、FMでプリとパワーを揃えてしまうと濃すぎるという感想もよく理解できる。
FM155に、鮮度感ならFirst Watt SIT2 か、あとはかなりのレアモデルだが、
真空管パワーアンプ Hovland Sapphireとの組み合わせを推薦して頂いた。

↑トランスに設計不良があり、故障しやすくトランスとコンデンサーが非常に高価でお勧めできないです。

組み合わせる相手の機器の性能を存分に発揮させるリファレンス的特性を持つ、
Accuphaseのプリやパワーとの組み合わせは意外な相性の良さもあるそうだ。
あとはFMのプリやパワーは真空管と相性が良い。FMが真空管+トランシジスターの
ドライバビリティだから。実際にFMと
Accuphaseを自分で試したことはないが
C-290VとGAS AMPZILLAが本当に意外な事に相性良好だったということがある。

 

FM411やFM611xに、フォノEQ FM122と、Mark Levinson №32Lの組み合わせもマッチングがよい。


 

もはや法外なほど高価なFMアコースティックスの製品だが、
購入者層も富裕層であり、とあるマニアックなオーディオファイルでベテランディーラーの
方にお伺いすると、FM266とFM711の組み合わせがよく売れているようだ。


 

30畳以上ある金庫のような防音ドアが付いた専用リスニングルームで
DD66000を
5m~以上離れて鳴らす場合はFM611以上のパワーアンプが必要になるだろう。

 

 

 

 


はるばる東洋から訪ねてきたファン達に取り囲まれ、満足げな笑顔の彼らに写真撮影を
せがまれる、名人と讃えられた天才肌のエンジニアは、世界にどれほどいるのだろうか。

 

 

音楽を分析的にではなく、筆者はただエンジョイしたい。音楽家のパッションを感じ取りたい。
音楽に感動したい方にとって、FM411は最高のパワーアンプである。

 



FM411は最新録音の良質なプログラムソースを聴けば、圧倒的な性能であることが
一発で分かるのです。

 

 

これから時代が進んで、FMよりも優れたアンプが登場するかも知れませんが、

 

 

筆者はそうではないと思う。


 


オーディオは成熟産業であり、

 

 

アナログアンプはローテクの塊だから。

 

 

 


 

 

 


 

FM Acousticsのように何十年もオーナーを魅了し続ける
高き魅力を放ち続けられる製品は、世界にどれほどあるのだろう。

 

 


 

FM Acousticsの約三十年という長きに渡ってのアナログアンプ世界一という
長期政権は、FM総帥 マニュエル・フーバー氏の偏執的なまでのこだわりと
完璧主義によってもたらされた大偉業なのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

 

 


FM411 仕様表



FMはジャズ向きハイエンドアンプの最高峰。JBLで爆音でジャズやボーカルを
鳴らすのに最高のアンプである。オールマイティでもあり、音楽ジャンルは選ばない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

FM411は1994年発売、計四世代のモデルがある。筐体の色で判別できる。
拙宅に来たものは2000年出荷の第三世代のもの。各世代でパーツやトランスなど
搭載部品が少なからず異なる。

 

 

 

 

 

~メンテナンス情報~ リレーを搭載するので経年後に両ch共に出力保護リレー交換が必要。
懸案のモジュールは二個搭載しており交換の場合は一個30万だが、電子顕微鏡を使った
日本人技師による解析修理でほとんどの場合修復できる。費用は一個辺り12万~15万

過去三年半に対策されたものは故障再発率が非常に低くなっている。(2016/7/18記)
他には電源ランプの電球切れによる交換、電源スイッチの故障が持病として報告されている。
FM411に関しては、厳正な部品選別、過酷な耐久テストを経て出荷されるのに
加えて、入念な保護回路の搭載もあって出力段のパワートランジスターの
故障による交換はこれまで一度も実施例がないそうだ。






オーナーがFMの維持管理において注意するべき点は高温多湿を避ける事だけ。
タンク容量3.5ℓ~6ℓクラスの大型除湿器を購入して冬季以外に稼働させる。
夏季に高温になる西側の部屋の場合はクーラーが必要になる。拙宅の3.5ℓでも梅雨の季節だと
15時間でタンク容量が満杯となり、動作がストップするので6ℓ以上のクラスが望ましい。



stereo sound 掲載号は 1995年 winter №113号 617p
※画像はFM411MKⅡのものです。