Cello Duet350 | 禁断のKRELL

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Cello Duet350 1991年 アメリカ ¥1,680,000

 

 

 


 

格調高雅なエレガンス、

 

――天空を駈ける!

 

 

 







異次元的なサウンドステージングが重厚かつ軽快に展開されていく、清楚で気品に溢れた佇まい、
眩い光を思わせる霊妙な空気感の中に、フッと軽やかに湧き出でる、まるで魔法のような
空間表現がみてとれる。この世のものとは思えない、壮麗にして幻想的な世界がそこにある。
Duet350はCelloの高性能に、繊細さと豪放さを高次元で鼎立させる歴史的な傑作機。
設計は天才エンジニア、トム・コランジェロ。そしてプロデュースはご存じマークレビンソン。
この二人が神のように崇められている理由が、このモデルには凝縮され詰まっている。
350W×2 (8Ω) の大出力をそなえる巨大なステレオパワーアンプである。
瑞々しい表情に押し出しの強さが加味され、格調高雅でエレガントなサウンドの中に
秘められた底力は相当なもの。膨大なエネルギーを悠々とスピーカーから解き放っていく。
Encore Powerとの比較では線描写を思わせる精密でハイデフニッション(高分解能)な
性能など、Cello特有の精緻さでは確かな差を付けられるが、壮大なスケール感や
低音の迫力により、あちらがスッキリしていると感じられるほど、
本機はより濃厚で艶(なま)めかしい。比較すると、Encore Powerは低音が出ないので
物足りなく感じる。Duet350が描く女性ヴォーカリストには超然とした佇まいがあり、
口元には聴者を射竦めてしまう燦然としたオーラ(雰囲気)がある。内部観を俯瞰すると、
珍しい細長の56,000μm巨大青色ブロックコンデンサー四基が異質な存在感を放っている。
Duet350はどこか危さを感じさせる、硬質で鋭敏に研ぎ澄まされ、彫琢が空間に深く刻まれる
伝統のレビンソンサウンド。地鳴りのような重低音が唸りをあげる、雄大深遠な表現力、
大地の奥底から天空へと一気に駈け上がる!怒涛のフォルティシモ!これらは
Encoreとは次元がまるで異なる。朗々とした低音は、けっしてこれ見よがしではなく、
軽やかに「物凄い色気」を下支えしている。普段は軽妙に形よい低域を整えながら、
「ここぞ!」というときに空気を震わすような鳴動を見せてくれる。とうぜん楽曲にもよるが、
「わけもわからず涙が溢れてくる」 心を揺さぶる感動は、他のブランドでは得られない。
マークの持つ類稀な音楽感性が生み出した「再生芸術」は、ここに「法悦」の境地に到達した。
こだわり抜いたヴェテランオーディオファイルを一瞬で悩殺し、虜にする強烈な求心力を
そなえた世界は崇拝者が絶えない。Celloのサウンドが持つ"脆さ"や、儚さ"を継承しながら、
Duet350は豪放磊落な印象も強く、その音質はCelloが優しすぎて力感に欠けるという
先入観を完全に拭い去ってくれるものがある。




 


出力:350W+350W(8Ω) size:W48.5×H31.5×D59.6cm 重量:44.5kg

 

出力:350W+350W(8Ω) 

size:W48.5×H31.5×D59.6cm 重量:44.5kg

――「生芸術」は、「法悦」の境

 

 

 


 

入力端子はフィッシャータイプのバランス入力一系統のみだが、変換プラグを用いて
アンバランスとして使用も出来る。バランス入力時にはプリと同じ100万Ωの
超ハイインピーダンス受けが可能である。スピーカー端子は二系統装備。
リアパネルのトグルスイッチによりBTL駆動のモノラル機として発展が可能。
これにより四倍の1.2kwという膨大な出力値が実現可能だ。



業界では高名なディーラーであるSIS営業の大野様にお話を伺ったときは、
Duet350はステレオアンプでありながら四筐体である、
「Cello Performanceに近い音を出す傑作機ですよ」と強く推薦されていました。
日本でのみDuet350は小改良がモデル名として反映されており、
mk3までありますが、「音はどれも同じですよ!」 と仰っておられました。
①初期からmk2の改良点は内部配線の変更。電源部と増幅部の間に
シールド版で仕切りが入った点など、特筆すべき変化がありません。
②続いてmk2からmk3への改良点は、電源トランスのコアボリュームを
1.2倍増、及びフローティング構造、ドライバー基盤銅箔厚み
(35μmから70μmに)変更、ドライバー基盤C・R定数変更の3点となっている。
定数変更はトランス増量に合わせた微調整のことを意味しているので、
音質改善に効きそうなものは②のトランスの増量くらいでしょうか、
そのご意見も頷ける気がします。Celloの高次元の音楽性と表現力、
そしてクオリティーがあり、これらと見事に併立する怒涛のダイナミクスがすばらしい。
Cello Encore Power monoの持つ隔絶したクオリティの高さと比べても、
大きな不満が出ない品位の高さは素晴らしいと思います。
(本機を聴いて低音の大切さを痛感しました)大音量・大型スピーカーで
大迫力重視ならDuet350を、小音量で小・中型スピーカー、
クオリティ重視ならEncore Powerが良いと思います。深夜のリスニングでは
ズバリEncoreです。そして総合力、全体的な魅力ではDuet350に
大きく軍配があがります。Encore Powerとそう大幅に変わらない価格設定ですが、
Celloのパワーアンプでもっとも売れたアンプがDuet350であります。

セールス実数はCello販売台数二位のEncore Powerと比較しても三倍~五倍近く
売れているのではないでしょうか。現行当時に世界中のブランドからCelloを選択した
先人オーディオファイルの方達の慧眼は確かだったと痛感します。 Encore150monoは
市場個体数がとても少なく、価格は最も値上がった時期でDuet350の二倍以上の値段であり、
現在の市場価格でも二倍近い差があります。販売台数が少なかったので
希少性による相場高だと思います。屈強なドライブ力を獲得したことなどもあり、
Encore150monoはニュートラルな方向にシフトしたので、
Celloの魅力は後退しており、どちらかというとViola的な音です。
Performanceもまた個体数が少なく、三十畳以上の部屋を持つ富裕層でなければ
持て余すほどの巨大さと、部品点数の多さや発熱量により故障が多く、
狭い部屋ではファンノイズの騒音と発熱が物凄いのですが、
音質でCello一位であっても、手放したり実際には使用せず、オブジェと化する
オーナーが多いそうです。Duet350はマイナーチェンジを二回も実施されるほど
ユーザーから支持されたロングラン製品であり、間違いない傑作機であります。

二十世紀世界最高のブランドであると断言する、Cello製品中ダントツの
セールス実数で、もっとも多く売れたパワーアンプという実績は揺るぎのないもの。
Duet350を実際に聴くと音質に素晴らしい魅力があると感じられるだろう!
Encore 1MΩLⅡと組み合わせて聴いていますが、Celloのアンプの味に、
本機の雄大さが加わることで、目も眩むほどの魅惑の世界が眼前に広がる!



素晴らしいパワーアンプ!

 


 

本機の音を聴いて強く感じるのはエンジニアのトム・コランジェロの才能の凄さです。




それは高次元の音楽性についてだけではなく、


高度にして唯一無二の表現力や、オーディオ機器としての基本性能の高さにおいてもです。



英語圏の所有者のレビュー翻訳


Mark Levinson №333 KRELL KSA-250も使用しましたが、
Cello Duet350は、この両方よりも遥かに性能が優れている。
ほとんど全てのパラメータ、透明感、スピード、ディティール、
ダイナミクス、スラム、妙味、soundstaging (音場)


筆者もこの三機種を聴いたことがありますが、まったく同感に思います。


 Mark Levinson KRELL JEFF ROWRAND VIOLA GOLDMUNDなどの上位機種
中心に、各ブランドの名品と呼ばれる製品を試聴、さらに53モデルを遍歴しましたが、
自分で使った製品の中では、Cello Duet350がナンバーワンでした。
GAS AMPZILLAEncore Power monoを軽々と抜き去ったのです。



メンテナンスに関しては搭載されている"オリジナル"の青色スプラグの
電解コンデンサは市場で枯渇しているそうなので、現在は手に入らないそうです。
(スプラグのコンデンサ自体は市場にあります) 在庫を確保しているメンテナンス会社も
あるそうだから、オリジナルにこだわる方はそちらを探されると良いでしょう。
二割の仲介料が掛かるが、ハイファイ堂大須本店に聞けば分かるのでは思う。
通常だとニチコンなどの日本製電解コンデンサに変えることになると思う。
エイブルさんの回答ではニチコンに変えて音が変わってしまったという苦情は無かったらしい。
(オーディオ用ニチコンFWという金/黒色の電解コンデンサーが安価で高品質として知られる)
メンテの目安ですが、複数台数のDuet350を修理された(有)エイブルの松本様に
お話を伺うと、天板を開けて、+と書かれた小さな銀色のコンデンサーが付いていたら、
恐らく発売されて23年間コンデンサーが変えられていないと思うので、
メンテナンスに出すべきだと思います。過去の経験上、この銀色のコンデンサーは
全てのケースでダメになっていたそうです。経年劣化したパワーアンプを
メンテすると、音の輪郭がシャキッとします。鈍くなっていた音が明瞭になり、
音が"元気になる"効果があります。
メンテはいつか必ず必要になります。
加えて過去に一度もメンテされていない場合、このモデルの場合は経年劣化によって
基盤がショートしかけていたり、配線に手直しが必要になっていることが多いそうだ。
大抵劣化コンデンサーの交換が必要で、パワートランジスターが弱くなっている事が多いそうだ。
基本的にCello製品はCello同士のセパレートで組むべきですが、お金に余裕があるなら、
Dan Dagostino Momentumのパワーの方があきらかに良かったです。

試聴時のプリは、Encore1MΩGOLD 勿論、方向性は違いますけどね。ステレオの方でも可です。


参考URL



Duet350は、Violaの現行パワーアンプを退け、Ayer VX-Rという最新ハイエンドモデルも打ち負かした。
本機と交換に値するには、Dan Dagostino Momentumまで奢らなければならなかったようだ。

 

 


Duet350の天板を開けるのと、Encoreプリ・パワーの脚部を外すのに必要な
六角レンチは3/32(2.39mm)
Duet350の足部の交換に必要な六角レンチも
3/32(2.39mm)のサイズ、
CelloのプリアンプやEncore powerの"天板"を開けるのに
必要なのは、ベッセル社 トルクスドライバー サイズT8となっています

3/32はホームセンターで購入可能。ベッセル製トルクスドライバー サイズT8
(☆星型) はコーナン・プロにて在庫していました。

 

 

雑誌掲載は、SS誌 101号1992年 winter号
 

 

 

 

 

DUET350のBTL接続法






電源OFF時にして背面のスイッチをBRIDGINGに切換え、インプットはRchに接続します。
スピーカーケーブルの+は上側ターミナルのRchのH (+のこと) に、-はLchのHに接続することで、
BTL接続の状態となります。

 

BTL化の音質は、低域駆動力が大きく向上、低域方向中心により
力強い音になる。チャンネルセパレーションが完璧に得られることにより、
空間表現も劇的に向上。
ノイズは2.8倍増となり、S/Nは聴感上少し低下する。
奥行きもよく出るようになる。定位・分離感が飛躍的に向上し、音の切れがよくり、
スケール感や深みも出てくる。ディテールをより明瞭に、立体的に聴きとることが
できるようになります。
信号経路は2倍になるので純度としてはやや落ちる筈だが、
セパレーションが完璧に得られるメリットは計り知れない。





Cello Duet350×2 BTL 動画