模擬集団討論19「大規模小売店舗の出店制限:8月16日(日)1回目参加者人

【課題】 大規模小売店舗の郊外出店については、車社会に適応した利便性の向上や地域経済の活性化などの面と中心商店街の衰退や交通弱者にとっての利便性の低下などの面が言われている。ついては、次の点について討論し、グループとしての意見をまとめなさい。

(1)大規模小売店舗の郊外出店について、条例で規制すべきか。

(2)上記(1)の結論によって生じる課題の対応策(平成19年山形県庁)


 出店を「規制する」とはどういうことか? 逆に「規制しない」とは、全く自由に出店させるという意味であるから、「規制する」とは、出店店舗数を制限したり、扱う商品を限定したりすることから、新規出店を全面禁止することまで、幅広く、いろいろな場合が考えられるのである。

 従って、「条件付で出店を認める」とは一種の「規制」であり、一方、「条件付規制」とは、一定の条件がなければ「出店を認める」ということであるが、条件を付けること自体が規制であるから、やはり「規制」である・・・・あるいは「規制を伴う規制みたいで、日本語として変だとも思える。


 以上を前提にすると、設問(1)車社会の利便性や地域経済の活性化を理由に「規制すべきでない」という結論に立った場合、大規模店舗の出店を自由に認めつつ、設問(2)で、別途、中心商店街や交通弱者を保護する対応策を講じることになる。例えば、商店街の空き店舗を新しい商売をやりたい若者に斡旋したり、商店街を大規模店にはない人情あふれる雰囲気にし、さらに、大規模店の客を商店街にも誘導するために商店街付近に駐車場を設けるなどである。また、交通弱者の保護のためには、中心街と大規模店を結ぶシャトルバスを運行することが考えられる。


 一方、設問(1)で、大規模店の出店を自由に認めていたのでは商店街や交通弱者の立場は益々弱くなることを理由に「(何らかの)規制をすべきである」という結論に立った場合は、いかに車利用者の利便性や地域経済の活性化、さらには大規模店の経営の自由の保護を図るか・・・・言い換えれば、商店街や交通弱者の利益と、車利用者の利便性や地域経済の活性化どのように共存させるかどこまでの規制が妥当かを設問(2)として考えればよい(共存という立場に立てば、新規出店の全面禁止は無理だろう)。例えば、店舗数1店舗あたりの面積や大規模店で扱う商品の制限、商店街主催のお祭りへの協賛金シャトルバスの運行費用を大規模店に負担させることなどが考えられる。