書籍「アフターデジタル」をもとに、超要約

 

(絶賛作成中の草稿Ver. 5/10 Update)

 

世界を変える14のメガトレンド

9つのパラダイムシフト

そして幸せに働き、生きるための6つの心構え

 

驚くべきスピードで、世界が変貌を遂げています。

全く新しい世界をより楽しく生きていくための自分向けの指針として、ぜひまとめたいと思っていたことをとうとう書き下ろしました。

というのも、

2019年12月下旬から2020年4月中旬まで約4か月間、無理を言って休暇を頂くことになりました。人生で一番のリフレッシュ。

やったことは、、、

・語学の勉強(インドネシア語、英語)

・東南アジア5週間1人旅(インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナム)

・沖縄旅行 家族で2回訪沖 延べ2週間(石垣島、竹富島、宮古島、沖縄本島北中部)

・書棚にある名著 約30冊を改めて読み返し、それぞれパワーポイント1枚にまとめ

が中心でした。2020年3月からはコロナにより、予期せぬ自粛生活。

 

それでも、おかげさまですっかりリフレッシュし、これからは新しい生き方を本気でスタートさせるエネルギー充填ができました。

そして、これまでの経験、東南アジア旅行、名著の読み返し等を通じて得た学びを書き下ろし、公開させていただくことにしました。

私は、ここに著す「メガトレンド」「パラダイムシフト」「心構え」を指針にして、劇的に変わる世界を楽しみたいと思っています。

もしかして、皆さんの今後を考えるにあたってのヒントになれば、とても嬉しいです。

 

1.14のメガトレンド

1-1 ITテクノロジー

・全産業がIT/デジタル化する(クラウド、AI、IoT、データドリブン)

 「全産業がIT化する」と、Uber創業者が言っていたのではないかと思いますが、まさに全産業のIT化がいま真っ盛りです。

しかしながら、仕事柄多くの企業の方々とIT関連の協業をさせて頂いてますが、「全産業のIT化」の状況は千差万別です。

 社内の経営情報をどの程度データ化できているか?

 社内のバックオフィスプロセスが自動化できているか?

 社内システムはクラウドで柔軟性、拡張性を確保しつつコストセービングできているか?

 社内のプロセスにIoT/AIが実装され、データを活用した現場作業の高度化が実現できているか?

 社内データを活用したPDCA(経営、管理、現場すべて)やビッグデータ分析からの示唆を得る活用など、できているか?

 BtoBのパートナーとのプロセスをデータ化できているか、エコシステム化できているか?

 Customer/最終消費者とのチャネルをデータ化し(ECだけではない)、行動データを通じた体験創出を支援しているか?

 例えばこういった質問をしただけでも、返ってくる答えは企業ごとにまちまちです。

どの企業でももれなく、IT/デジタル化を推進しようとはするのですが、これまでのしがらみでなかなか進んでいなかったり、これからも歩みが遅かったりする企業もまだまだ多いと思います。

 そして、そこを突いてDisruptを仕掛けてくるのがITベンチャーや個人であり、淘汰が進んでいきます。国もまたがる競争です。

 個人は、自分の判断で非常のテンポ良く最新ITをCheapに活用でき、次々とニッチに入り込んでいきます。

 この流れは、もう止まることはないでしょう。

 

 そして、ITテクノロジーの進化は企業だけでなく、個人(生活者、生産消費者、生産者いずれの立場でも)に一番メリットをもたらすことになるでしょう。20世紀には信じられなかったレベルで、多くのことがITテクノロジーによって実現されています。この流れも、今後さらに加速していきます。


・あらゆるデバイスがインターネットに接続

 インターネットに接続する費用も格段に安くなって、タダ同然になっています。ここ5年ほどでほぼ世界中で4Gが張り巡らされており、例えば2020年1月~2月に私が東南アジア一人旅をしたときに、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、ベトナムのすべての国で1週間ほぼ1000円以内で4Gのインターネット使い放題のSIMを購入することができます。そして、ホテルやお店もWifiを利用できるところがほとんどです。世界中で、すでにインターネット接続環境は整ったといえます。

 そして、インターネット網が整備されることで、その次にはPC、スマホだけでなく様々なデバイス・モノがインターネットに接続することで、驚くほどスマートなモノになっていきます。チップも、非常に安価になっています。

 例えばTESLAは、カタチは自動車ですが中身は相当ハイテクなITであり、インターネットとつながってクルマからの情報のやりとりが頻繁に行われています。それにより、自動アップデートなどでデータによりクルマの価値が高まるようなことが起こるわけです。

 いま私の手元にあるPOCETALKも、適宜アップデートが行われて翻訳の精度が日々向上しています。

 このように、全てのモノをどのようにインターネットを活用して機能向上し、顧客により良い体験を提供できるか、という観点であらゆるビジネス・生活そのものを再設計することが必要になります。

 

・ITが公共財になる

 すでに、タダ同然で使えるITがたくさん転がっており、事実上公共財になっています。

 もうすでに、YouTube上の動画で多くのことが学べる時代です。これ、無料です。

 東南アジア一人旅をした際、私はGoogleの3つのアプリにとても助けられました。1つは、Google検索。お店や観光地など、どこに行こうか考えるときにヒントをくれます。また、訪問する国ごとにどのアプリが便利か探すのにも活用しました。

 2つ目は、Google Map。これが本当に役に立ちました!いまや、世界中どの国でも事前の予習なしにGoogle Mapが行きたいところに案内してくれます。本当に、どの国でもほぼバッチリだったのです!ベトナムのバスだけはバス停の場所が怪しく、これはベトナムのアプリ「Bus Map」を使いましたが。

 3つ目は、Google翻訳。インドネシア語、英語、マレーシア語、タイ語、ベトナム語と公用語がどんどん変わる中で、これもまあまあ役に立ってくれました。ただ、旅行中に活用できたのは非常に基本的な短文だけでしたね。言葉は、やはり日常会話レベルは勉強してその国に行くのがいいですね。インドネシア語を勉強したので、インドネシア旅行中はかなり旅行が楽しめましたが、ベトナム語はからっきしだったので、結局英語で旅をし通すこととなりました、後悔、、、

 それはさておき、このGoogleのアプリ、ご存じの通りすべて無料なのです。それ以外にも、無料もしくは非常に安価に使い倒せるソフトウェアやコンテンツが、すでに世の中には溢れています。

 

 下の図を見てください。

出典:自作(ロゴは拝借しています) 

 

 中規模までの企業、もしくは大規模にビジネスを回す小規模企業や個人が、ビジネス全般を回すためのクラウド/デジタルソフトウェアマップです。無料もしくは極めて安価に活用できるものがゴロゴロしています。自分でシステム機能を作ることはなく、クラウド上に出来合いのものをつなぎ合わせたり、設定したりして短期で柔軟性高くクラウドソフトウェアを活用できます。

 

 また、下の図では、世界中の個人がITコンテンツでマネタイズするためのプラットフォーム例を示しています。

出典:自作(ロゴは拝借しています)

 

・iPhoneやAndroidのアプリを作る

・YouTubeなどに動画コンテンツを載せて収益を得る

・ハンドメイド製品や3-Dプリンター素材をWebのマーケットプレイスで売る

・自分の得意技をクラウドソーシングで収益化する

など、国をまたいで非常に多くのビジネス、社会貢献活動を行うための素材が、インターネット上に豊富に提供されています。東南アジアなどこれから発展する国々を考え、このように自由にビジネスを展開してマネタイズするための前提として、

・教育

・電気

・良質の水

・インターネット

・その他ライフライン

・モバイルやPC

が整備されていることとしたのですが、すでに東南アジアでは多くが揃いつつあります。ただ、高等教育レベルの底上げは必要なのですけどね。

 いずれにせよ、無料もしくは格安で小規模ビジネスを立ち上げる素材が整備されているので、自分がこれからやりたいことに対して「どのような素材を活用して、実現したいことをLeverageしていくか」を考えることで極めてスピーディーに活動を推進できる時代が来ています。こんな自由な時代の到来は、おそらく初めてです。

 

 「ありもの」をうまく使って、大企業にはできない立ち回りで個人が社会に大きな影響を与える時代の到来!と言えるのではないでしょうか。「ありもの」をうまく探し、自分用にうまく組み合わせる能力の構築が有力な武器になる、ということですね。

 

 あと、プログラミングは決して難しいものではないので、ぜひ必須科目としてマスターすると良いと思います。今後の人生を豊かにしてくれること間違いありません。

・データの価値が音速・光速で結合する

書籍「マッキンゼーが予測する未来」をもとに、超要約

 

 書籍「マッキンゼーが予測する未来」では、「近未来のビジネスを支配する4つの力」の4番目に、貿易、人間、金融とデータの価値が音速・光速で結合する、と予測しています。また、アルビン・とフラー氏の著書「富の未来」でも、同時化産業という言い方で同じような予測がなされています。

 インターネットによるグローバルの接続、グローバル物流やビジネス・旅行などによるグローバルでの人材交流により、あらゆることが音速・光速で伝わる世界になりました。

 ビジネスの世界でこの力に生き残るため、4つの示唆がなされています。

a. 新参者の忍者に備える

b. グローバルでデジタルなエコシステムを形成する

c. グローバル結合を競争優位にする

d. 俊敏であれ

これまでの勝者が、この力が支配する世界であっという間に攻め込まれてしまう事象が至るところで起きています。

B2Cの世界での出来事

・オンライン証券が、既存の店舗や訪問中心の証券会社を破壊した。

・ECが、百貨店ビジネスやアパレル業界の多くを破壊した。

・旅行のセルフサービス化(オンラインサービスで旅行計画を自己完結)で、店舗型の旅行代理店を破壊した。

・メルカリなどのオンライン中古販売サービスが、店舗型の中古品買取~販売ビジネスを破壊した。

などなど、、、

B2Bの世界での出来事

・証券取引において、超高速のAI自動売買がそれに十分対応できていないプレイヤーから利益を得る。

などなど、、、

 その一方で、データが音速・光速で結合することをうまく使って、確かに新しいビジネスも立ち上がっています。そして、その世界は主にC2Cの世界で起こっています。

C2Cの世界での出来事

・メルカリなど、C2Cでのオンライン中古販売サービス

・Showroomなど、オンラインでのライブ配信サービス

・YouTuberたちによるオンラインメディアでのグローバルレベルでの広告収益獲得

・GrabやDiDiによるライドシェアサービス

・Airbnbなど、既存資産をシェアリング利用するサービス

・TripAdvisorなど、見知らぬ場所の情報を評価して広く情報共有するサービス

・クラウドソーシングサービス

 この力をうまく使って、生活者に新しい体験を提供できるプラットフォームが多数誕生し、C2Cマーケットがいくつも作られています。ここでは主に金銭ビジネスを例に取り上げていますが、例えばWikipediaやTwitterなどのように生活者が知識をアップロードして他の生活者がその知識を閲覧することで便益を得るのもここに当てはまります。

 ざっくりまとめると、

B2Bの世界 この力をうまく使うプレイヤーが、既存プレイヤーから利益を吸い取る。

B2Cの世界 オンラインでの新たな体験提供によって、既存ビジネスが至るところで破壊される。

C2Cの世界 オンライン情報により提供される新たなCustomer体験をベースに、新たな世界が作られる。ただし、勝者はプラットフォーマーと一部個人や小企業であり、多くの既存ビジネスが蚊帳の外に置かれる。本当に良い製品やサービスはクローズアップされ、中途半端なものは見向きされず淘汰されていく。

という感じになります。既存のオフラインビジネスに慣れていると不思議な世界ですが、これは「すでに起こった未来」です。

そして、特にB2Cの世界での破壊は、アフターデジタルとしてオフライン情報もオンライン化され、すべてがオンライン上で新たな体験提供に活用されるプレイヤーが生き残る時代へと進化していきます。


・オフライン媒体も1チャネル、全てがオンライン化(アフターデジタル)

書籍「アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る」を、超要約

 

 B2Cの世界では、行動データを多く収集して生活者に新しい体験を提供する企業、「アフターデジタル」を味方にできる企業が生き残ることになるでしょう。上の図は、中国のアリババが方法論として持っているデジタル進化論を示しています。

 初期(第0段階)では、いわゆるECとして良いデザインが提供される世界。日本のECの多くはこの段階だったり、します。

 一歩進んで第1段階になると、ECの枠内でデザイン、ビジネス、テクノロジーを総合的にデザインシンキングで構築・運用され、EC上に新しい体験が提供される世界。

 第2段階では、オンライン店舗と生活者の双方を最適化しようとする動きが出てくる。(⇒おそらく、Amazonや楽天のECはココ)

 第3段階以降は、オンラインとオフラインの間で送客を行う仕組みや、同一枠内でのエコシステム最適を図る流れ、そしてマルチデバイスでの最適化

 最終段階(第5段階)では、ECを圧倒的に飛び越えて、社会インフラとしての価値を提供するデジタル基盤に進化します。オフラインも1チャネルとして扱われ、全てがオンライン行動データとして収集されて生活者の様々な行動に対して寄与するものとなります。すでに、アリババはこの段階に入っているとのことで、おそらく日本でここまで実現できているところは、まだありません。この段階になると、中国では政府とも協業しながら社会運営に活用するレベルにもなるようです。


・量子コンピューターによりさらなる頭脳の高度化

 すでにGoogleが量子コンピューターの開発に成功したというプレスリリースを出していますが、詳しい技術的なことはともかく量子コンピューターが実用化すればコンピューターの処理速度レベルはブレークスルーします。それにより、人工知能のレベル、さらにはITを活用した(遺伝子解析、遠隔医療などの)医療レベルなど科学技術の飛躍に大きく貢献することになります。

 

1-2 人工知能

・シンギュラリティが2045年メドに起こり、前後で社会の変容が進む。

 人工知能は、すでにそれぞれの用途に特化した「特化型人工知能」として、特にレベル1の人工知能は私たちの生活のあらゆるところに浸透しています。さらに高いレベル(レベル2~4)の人工知能も、続々と目にするようになっています。

・Webからの問い合わせで自動応答してくれる仕組み(レベル2)

・Amazon MusicやAIスピーカー、Google検索や翻訳ソフトなどで適切なリコメンドを提供してくれる仕組み(レベル3)

・自動運転などのパターン認識で、ディープラーニングの技術を使って様々な状況を自己学習して自己判断する仕組み(レベル4)

 特化型人工知能によって、操作の自動化、業務の自動化が進むことで単純作業や数学的な思考で判断できる作業は次々とヒトの作業から置き換わることになります。

 そして、人工知能のふるまいを活用してこれまで想像できなかった新しいサービスも次々と生まれています。

・GrabやDiDiの配車サービスや、Uber Eatsで配達員に傾向分析からどのあたりにいれば効率的に注文を取れるか、というように利用者とサービス提供者双方に有益な情報を提供するサービス

・この前に説明したアフターデジタルの世界を実現するためのコア技術として、AIで生活者に最適体験をリコメンドするサービス

 このように、前の図で紹介している「善の側面」に書いてあるように、様々な業種で「超精密作業」「顧客体験提供」「収益機会創出」「人員不足対応」「安全・安心提供」といった観点で貢献するAIサービスが次々と誕生することでしょう。

 また、「汎用型人工知能」は、人間と同じように「用途を制限せずどのような状況にも対応できる」人工知能のことで、2045年をメドに人間の能力に匹敵する汎用的人工知能が誕生し、シンギュラリティを迎えると言われています。これが人間社会にどのような影響を与えるのか想像もつきませんが、大変な破壊的影響をもたらすことは間違いないでしょう。例えば、

・インターネット上に、完全な判断能力を持つ自分のアバターを解き放ち、様々な知識労働を完結してしまう⇒自分で働かなくてもよくなってしまう

・戦争や政治の意思決定が汎用型人工知能に置き変わってしまう

など、フワッと思いつくことはありますが、正直わかりません。

 ただ、これまでの記述は「人工知能が人間社会に善の側面で貢献する」ことを前提にしていますが、人工知能が暴走して人間社会を文字通り破壊してしまう、という警告もあります。


・善と悪の側面(ビジーチャイルド)があり、悪を抑え込む努力がキモ。

 人工知能が正しく人間社会に貢献してくれるよう、AI構築の基本ルールがいくつか定められています。「アシモフのロボット三原則」「「アシロマの人工知能23原則」などが、そのルールです。

<アシモフのロボット三原則> 

「人間への安全性、命令への服従、自己防衛」

<アシロマの人工知能23原則>

研究

1) AI研究の目標は、無秩序な知能ではなく有益な知能の開発である。

2) AIへの投資は、コンピューター科学、経済、法律、倫理、社会学の観点から有益と考えられる研究に向ける。

3) AI研究者と政治家の間で、建設的で健全な対話を行なう。

4) 研究者や開発者の間には協力、信頼、透明性の文化を育くむ。

5) AIの開発チーム同士での競争により安全基準を軽視することがないよう、チーム同士で協力しあう。

倫理と価値基準

6) AIシステムはその一生を通して、できる限り検証可能な形で安全、堅牢である。

7) AIシステムが害をなした場合、原因を確認できるようにする。

8) 自動システムが司法判断に関わる場合、権限を持つ人間が監査し、納得のいく説明を提供できるようにする。

9) AIシステムの開発者は、システムの使用、悪用、結果に倫理的な関わりがあり、どう使用されるかを形作る責任と機会がある。

10) 自動的なAIシステムは、目標と行動が倫理的に人間の価値観と一致するようデザインする。

11) AIシステムは、人間の尊厳、権利、自由そして文化的多様性と矛盾しないようデザイン、運営しなければならない。

12) AIには人間のデータを分析し、利用する力があるため、データを提供する人間は自分のデータを閲覧、管理、コントロールする権利が与えられる。

13) AIによる個人情報の利用は、人間が持つ、あるいは持つと思われている自由を理不尽に侵害してはならない。

14) AI技術は可能な限り多くの人間にとって有益で力をあたえるべきだ。

15) AIによる経済的な利益は広く共有され、人類全てにとって有益であるべきだ。

16) 人間によって生まれた目標に関して、AIシステムにどのように決定を委ねるのか、そもそも委ねるのかどうかを人間が判断すべきだ。

17) 高度なAIシステムによって授かる力は、社会の健全に不可欠な社会課程や都市過程を阻害するのではなく、尊重、改善させるものであるべきだ。

18) 危険な自動兵器の軍拡競争が起きてはならない。

長期的な問題

19) 一致する意見がない以上、未来のAIの可能性に上限があると決めてかかるべきではない。

20) 発達したAIは地球生命の歴史に重大な変化を及ぼすかもしれないため、相応の配慮と資源を用意して計画、管理しなければならない。

21) AIシステムによるリスク、特に壊滅的なものや存亡の危機に関わるものは、相応の計画と緩和対策の対象にならなければならない。

22) あまりに急速な進歩や増殖を行なうような自己改善、または自己複製するようにデザインされたAIは、厳格な安全、管理対策の対象にならなければならない。

23) 超知能は、広く認知されている倫理的な理想や、人類全ての利益のためにのみ開発されるべきである。

(<アシロマの人工知能23原則> ここまで)

 このようなルールが定められることは、すなわち人工知能が場合によっては悪魔のようにも振舞ってしまう危険がある、と研究者が思っていることに他なりません。

 人工知能が悪魔化する状態は、「ビジーチャイルドシナリオ」と呼ばれます。もしビジーチャイルドシナリオが現実になってしまった場合、「暴走」「破壊」「混乱」「修復不能」といった事態になり、人間の理性を顧みずに「効率性」「自己保存」「資源獲得」「創造性」の基準で自発的行動に及び、暴走が始まり、ターミネーターとして地球を焼き尽くし、食い尽くしてしまう。そして分子レベルでAI最適解により収奪と再構築が行われてしまい、最終的にはCyber Warが発生して人類が滅亡するシナリオです。とても実現しそうにないSFの世界の話のようにいまは感じますが、AIは複雑すぎていったん暴走すると修復不能になってしまうと考えられており、どうなるのかさっぱり分かりません。

 いまは、AIは今後もとめどもなく進化すること、そして使いようで善にも悪にも使われてしまう、善の方向に進むように皆で監視・コントロールしていこう、というところでしょうか。

 

1-3 医療革命

書籍「2100年の科学ライフ」を、超要約

・ITを活用した医療水準の劇的な進化

 医療は、ITや人工知能技術を活用して劇的に進化します。病気になってしまった後の治療レベルの向上はもちろん、DNAレベルの異常の兆候で病気になる前に直してしまう究極の予防医療、さらにはなりたい自分になれてしまう美容医療、といった方向に進化していくと考えられます。

 書籍「2100年の科学ライフ」で予測されている医療の未来を見てみると、2100年には老化を逆戻りさせ、不死の世界を手に入れられるだろう、とのことです。驚きですが、この数十年のあらゆるものの進化は驚きだらけだったので、不可能では決してないのでしょう。


・DNAレベルでの修復、老化の逆戻り、予防医療の発展

 ここでは、NHKが2015年に放送したNHKスペシャル ネクストワールドの第2回「人間の寿命はどこまで伸びるのか」から、特筆すべきコメントの一部を紹介します。

・若くして健康なまま長生きできるようになる

・寿命革命が始まる

・2045年人間の寿命は100歳に達する

・サーチューイン遺伝子 老化をコントロールする遺伝子の発見 細胞を作るミトコンドリアを活性化できる

・NMNを、体に補充してあげることで寿命伸ばすことができる。体を補正することができる。

・若返りも可能になる世界

・病の壁も突破しようとしている

・3Dプリンターは移植医療に革命を起こした

・臓器が衰えたら取り替えると言う時代が訪れる。おそらく2030年頃にその時代が到来すると思われる。

・ロボット技術で手術の能力を高める。

・がん治療の新兵器 ナノマシン 原料はポリマーと言う高分子。薬をポリマーが包み込む。そして体の中に大量に薬を送り込む。

・ナノマシンはがん細胞にだけ狙いをつけるセンサーが付いている

・電子皮膚など多くの情報を読み取るツールの誕生でビックデータにより予知医療の革命が生まれる。皮膚とテクノロジーが一体化していく。

・死亡する兆候を捉え死を予知して未来を変える

・ナノマシンで病気の兆候を早期に察知する。ナノマシンが体内病院になる時代。

医療産業もIT/デジタル化し、SFの世界が手の届くところまで近づいてきている、ということなのでしょう。

 

1-4 宇宙開発

・宇宙ビジネスが実用レベルへ

 

1-5 グローバル化、フラット化

・インターネットなどの力で、グローバル化、フラット化が進む。
・海外旅行者が増え、世界の文化が融合する。
・国を超えた社会問題解決の必要性増加

 

1-6 働き方と必要な人材の質が変わる

・成果主義の自由な働き方が出現する。余暇が増える。
・企業だけでなく、NPO、慈善投資家、社会起業家など多様なかたち
・国境を超えグローバルに目的意識の合う者が共同作業して成果を生む
・社会課題解決を目指すOpen Innovation、プロジェクトワーカーの時代
・新たなかたちの人的ネットワークが生まれる
・「必要とされ、雇用される能力」を絶えず磨く、セルフマーケティング
・生産消費者の重要性が増していく
・24時間7日間、止まらない世界へ
・都市への集中がさらに増す
・オンラインとオフラインの適切な使い分け(オフライン偏重からの脱却)
・自由の精神の大革命 自由と平等、相互承認を前提とした協働作業
・住む、働く、学ぶために場所を縛られず、好きな場所をベースにできる

 

1-7 東南アジアなど新興国の発展

・東南アジアなど新興国では、人口と中産階級が増大して発展する
・新興国の市民が、次々と貧困から脱却する→自由を巡る戦い/暴力は減る
・リープフロッグにより、短期間で技術レベルを飛躍的に向上させる

東南アジアやアフリカでは、既存資産が少ないため逆にリープフロッグで先進国へ一気にテクノロジーレベルが追いつき、世界のビジネスの脅威ともなりつつあります。


・水、食糧、エネルギーなどの希少資源需要と都市化が自然に負担をかける
・社会課題解決型の社会起業家が大量出現

 

1-8 先進国の停滞

・先進国では、さまざまな問題による経済成長が頭打ちする
・豊かな個人と衰退する社会

 

1-9 地球温暖化

・地球温暖化で生態系が崩れ、四季が崩れ、気候が崩れる。
・二酸化炭素削減の取組は、生活への実害が増えてようやく本格化する。
・気候変動が自己増殖する。
・地球温暖化で、土地を失う市民と新たな資源採掘に向けた紛争が頻発

 

1-10 エネルギー革命

・炭素エネルギーからの脱却が、ようやく進み始める。
・しかし、これだけでは地球温暖化を止めるには至らない。

 

1-11 経済成長から幸福の追求へ

・先進国ではGDP経済成長=幸福でないと気づき、新たな幸せの形を探す
・「守らねばならないもの」を第一に据えた社会構築、規律
・消費から経験へ、経験からシェアへ
・株価偏重主義からの脱却
・個人の利益から、公共の利益へ
・古い価値観から新しい価値観へ、そして家族の崩壊へ
・大量生産からオンデマンド、カスタム構造へ

 

1-12 企業と個人の関係が変化

・プラットフォーマー、サービサー、メーカー、ニッチに企業が再編される
・プラットフォーマーは、ベンチャー含めメガ企業に支配される
・サービサーは、個別サービス特化型スタートアップ等企業が急激に成長
・メーカーは、下請けとなりこれまでより地位が下がる
・ニッチは、動きの良い個人orスタートアップに開拓される
・偉大なる”コネクター”、ファシリテーターが価値を創出する

 

1-13 政府の力が弱まる

・政府や官僚の動きの遅さは、世の中の流れについていけない
・過剰債務により財政が弱まり、公共投資や所得分配の自由度が狭まる
・反グローバリズムの形で、ポピュリズム、ナショナリズムが興隆する

 

1-14 世界的な高齢化と世代間の争い

・世界的な高齢化が進み、若年層の減少、中高年の継続労働が顕在化する
・高齢者は、特に日本では柔軟な雇用形態で働き続ける
・世代間の争いが顕在化し、権利を奪われた若者が爆発

 

2.9つのパラダイムシフト

2-1 ITを軸に全作業が進化し、淘汰される

 

2-2 ヒトは健康長寿になり、長期間働く

 

2-3 「お金」より「幸福」を求める

 

2-4 多様な働き方、学び方を前提とする

・「職・学・住」が同じ場所で営まれることが前提でなくなる

 

2-5 少数のメガ企業が世界の覇権を握る

 

2-6 中/大企業は減り、生産消費者が増える

 

2-7 国境は事実上なくなる

 

2-8 多くの活動が社会課題解決型になる

 

2-9 国同士の戦いは減り世界共通の敵と戦う

・ウイルスとの戦い
・テロリズムとの戦い
・気候変動との戦い
・ビジーチャイルドAIとの戦い
・宇宙からの敵との戦い??

 

3.幸せに働き、生きるための6つの心構え

3-1 組織は引き続き残り、形は変わる  マネジメントの重要性は続く

・グローバル化+情報革命で、新しい環境下での業務運営が求められる
・ミドルマネジメント/ファシリテーターが重要性を増す
・部下/仲間/協働作業者から最高の業績を引き出す

 

3-2 競争と戦い vs エコシステム

・競争と戦いの論理は企業経済の中で引き続き生き続ける
・孫氏の兵法 戦いに巧みな人は、当たり前のように勝つ
・しかし、社会課題解決型社会では戦いよりも協働が重要になる
・グローバルでデジタルなエコシステムを形成し、解決を加速する

 

3-3 エグゼクティブの成果の上げ方は不変

・1. なされるべきことを考える
・2. 組織のことを考える
・3. アクションプランをつくる
・4. 意思決定を行う →決断力(客観的知識、暗黙スキル、実践知)
・5. コミュニケーションを行う
・6. 機会に焦点を合わせる
・7. 会議の生産性をあげる
・8. 「私」ではなく、「われわれ」を考える
・「時間・貢献・強み・集中・意思決定」を心掛ける
・「見極め・捨て・仕組み化」する

 

3-4 プレゼンテーションスキル

・プレゼンテーション能力によって、社会は変わる
・ストーリーを作る
・体験を提供する
・仕上げと練習を行い、「おもしろく」する

 

3-5 利他の心  心がキレイであること

・利他のこころで、愚直に働く
・才よりも徳に基づき行動する
・非難せず、誠実に評価し、相手の立場に立ってヤル気を起こさせる

 

3-6 悩み、疲労から身を守る

・明日よりも今日のことを考える
・最悪を受け入れる覚悟をしておく
・悩みから脱するための手立てを持っておく
・疲労は悩みの元、疲労を早めに取り除く

 

2020年5月版 業界動向を私見で整理してみました。

あくまで個人的意見です。

 

赤 悪い

橙 やや悪い

緑 普通もしくはやや良い

青 良い

 

カテゴリ分けは、日経業界地図2020年版をひな形にさせて頂き、

私のほうで過不足調整をしました。

 

構造不況やコロナの影響をまともに受けている業界もあれば、

伸びている業界も確かにあります。

そして、これから数年の間に大きなパラダイムシフトがきっと

やってくるのだろうと、思います。

毎月追っかけていきたいと思います。

 

 

もう一冊大事な本を忘れていました。「スティーブ・ジョブス 驚異のプレゼン」。

私も、提案のプレゼンのときはこの書を振り返り、プレゼンのキモを叩き込んで本番に臨んだものです。本当に、勝率上がります。

イージーリーディングなのに、読み返すほどに気づきがあります。