3/15の東京は一日で、約一年分の外部被曝。 | MATICブログ*思うところ無し!

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 「チリ」からの被曝

連休明けの生活で水からの被曝の計算をして、福島、関東の一部を除いて水道に含まれる放射性物質の量(正確に言うと濃度)がかなり減ってきていることを示しました。

大変、良いことです。

ただ、福島県などの一部のデータに少し疑問がありました。データというのは単に「水道局の発表値」だけを参考にしている訳ではありません。

科学的なことは「全てのデータがつじつまが合っている」ということが大切です.それは、一つ一つのデータは、人間がすることですから、間違いも、測定誤差も、計算間違いも、錯覚もあるので、そのほかの知見と合致していなければならないからです。

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水道水がなぜ汚染されるかというと、「水源に放射性物質が降下した」ということですが、もっとも汚染が酷かった3月下旬に1リットルあたり450ベクレル程度の観測値があります。

これに対して、現在の原発からの総排出量と風向きから、数ベクレルが観測されるはずなのですが、「検出されない」という報告になっています.

総放出量、風向き、水源の状態、それに水道局の報告値はすべてつじつまが合わなければならないので、今、少し調べています.

おそらくは福島県を含めて全ての水道は安全になったと考えられますが、もう2,3日、待ってください。すべてがつじつまが合ったところで、ブログに書きます.従って、ペットボトルの買いだめは必要ありません。

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さて、野菜、水と整理をしてきたところで、今回は「チリ」です。

「チリ」というのは「粒」で飛んできた放射性物質はさまざまな形をしているので、これを一括してチリと呼んでいます。

つまり、放射線を持った細かい粒です。

原発事故の時に人間は主として、次の被曝を受けます.

1) 原発からの直接の放射線(ほとんどない)、

2) 原発から飛んできたチリが身の回りの空気に浮いていたり、壁についたり、床に落ちたりして、チリからでる放射線を受ける(これがほとんどの外部放射線)、

3) 空気中のチリや地面から巻き上がってきたチリを呼吸で直接肺や胃に入れる(内部被曝の第1、今回のブログ)、

4) 水を飲むことによって水の中の放射性物質が胃に入る(内部被曝の第2、先回のブログ)、

5) 食物を取ることによって胃に入る(内部被曝の第3、先々回までのブログ)、

6) このほか、衣服に付いたり、お風呂に入ったときに皮膚に付いたりする被曝もありますが、かなり少ないので、普通の状態の時には無視しても大丈夫、

などです。

今回は3)で、空気中のチリを体内に取り込んだ場合で、母乳などに放射性ヨウ素が出たのは、これが原因で、このブログで「マスクをしてください」と最初に呼びかけたのも、この被曝防止です。

まず基礎的なことですが、空気中のチリを吸って肺や胃に入っても、食物を食べて入っても、基本的には同じ被曝です.

従って、計算式は、

(空気中のベクレル(1立方メートルあたりのベクレル))

×(呼吸量=1日8立方メートル、年齢と性別、生活で違う.詳しくは表を下につけました。)

×365日

×0.00002(ベクレルとミリシーベルトの換算)

で計算できます.

たとえば、福島市では3月20日には230ベクレルもあったのですが、今では福島原発からの放射性物質の放出量が100分の1になったので、2ベクレル程度になっています.

つまり、

2×8×365×0.00002=0.12ミリシーベルト

となり、1年の限度の1ミリシーベルトの10分の1になり、注意を要する量であることが判ります.

また、3月20日にはこの100倍ですから、1年間で12ミリシーベルトの被曝をする環境にいたことになります。

ただ、この量は「1年間続けて」ですから、福島市は3月20日に、この365分の1、約0.03ミリシーベルトの体内被曝となります.

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ところで、私が「子供さんの被曝は地面に近いから注意」と言ったのは、この「チリによる体内被曝」という点でお子さんは厳しい環境にいるからです.

お子さんが運動をすると地面に近いので、地面に落ちているチリが舞い上がって、それを吸うので大人の数倍の被曝を受けます.しかも運動しているので、下の表のように呼吸量も多いのです.

郡山市が小学校の校庭を綺麗にしたのは素晴らしいことで、お子さんに取ってみれば「地面からの放射線」と「地面から土(チリ)が舞い上がって、それで体内被曝する」という二つのことが、5分の1になったのですから、たいしたものです。

なお、各地の空間のベクレルなどを今、調べていますので、数日後に場所毎の被曝量を出そうと思っています.今回は原理原則だけです.

(生活と呼吸量)

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(平成23年5月4日 午前11時 執筆)


武田邦彦





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東電に電話してください。ご遠慮は要りません.

各地で放射性物質で汚れた土の除去作業や道路の洗浄作業が始まっています。

ある市では校庭の表土を取ったら、放射線量が約半分になったと言われています.素晴らしいことです.綺麗な福島への第一歩です!

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今回の福島原発の事故で、まだ放射線の高いところがありますが、私は1年1ミリシーベルト以下にするように政府と東電は全力を注ぐべきと思っていますが、作業は遅く、地元や個人で放射線を減らす努力が行われています.

しかし、「汚れた土を除く」ということは「汚れた土が発生する」ことを意味しています.

この場合は、東電に電話すれば良いと考えられます.

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人間には過ちもあります。

ある家が誤って「汚いものをご近所にまき散らした」とします.まず、その家の人はご近所に謝りに行き、自分で持って行けるものは持って行くでしょう.

お隣が、その汚いものが付いた土や紙を拾えば、お隣に電話して取りに来てもらうか、自分でお隣に持って行くでしょう.

今回の東電の誤りは許されないことかも知れません。でも、人間は誤りはあるのですが、それを起こした後の態度の方がもっと大切です.

校庭の表面の土を取り除いて、まずその土を校庭の脇に積んでおき、次に東電に電話します.おそらくは東電は「菓子折」ぐらいは持ってきて、頭をさげ、すぐその土を持っていくと思います.

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東電の役員は今年も一人2000万円の年俸をもらうと言うことです。

まだまだ東電には余裕があります。これまですでに平均年間4000万円の報酬を受け取っていたのですから、貯金もかなりあるでしょう.

今年はゼロかマイナスと思っていました。でも一人2000万円はあるのですから、菓子折やトラック代は出るはずです.

東電役員だけではありません。部長クラス以上は裕福な生活をしていて、20%カットに止まっています。

「被害を受けた人が、なけなしのお金から旅費を出して逃げ、被害を出した人が年俸2000万円!?」

そんな社会があるのでしょうか?

私は普段、あまり人の収入などはいわないようにしていますが、これだけ福島の人が苦しんでいるのに、計画停電で困っているのに、2000万円はありません。でも彼らはまだ自分たちがしたことが判っていないのです.

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東電は土地を持っています.しかもこのような時に「敷地境界は年間50マイクロシーベルトにする」という規定もあります。

また、技術的には原発を廃炉に出来、かつ法律的にもクリアランス・レベルというのがあるのですから、汚染された土、瓦礫、水などを集めて、原発の廃炉と同じ技術で処理をすれば良いのです。

技術も法律も、土地も、なにもかもあります。後は東電が「日本人がもっている美徳・・・過ちをしたら謝って自分の責任で処理をする」という行動を取るかどうかにかかっています.

(平成23年5月4日 午後1時 執筆)


武田邦彦






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東京を襲った「見えない雲」

3月15日東京に居た人は1日で高い被曝の可能性

「安全ゼミ」には推進サイドの専門家とおぼしき人も来ていて、小出さんにすかさず「15 日
の(放射能の)滞留は 3 時間だった」とクレームをつけた。小出さんは 24 時間で換算しているから、そ
の 8 分の 1 が妥当だという意味だ。小出さんは「それは知りませんでした」と答え、やりとりはそれで
終わったが、私は引っかかっていた。
翌日、東京の友人が東京都産業労働局が世田谷区での放射能測定結果を公表していることを教えてく
れた。それを見ると 15 日は丸 1 日放射能が滞留している。小出分析は都の分析結果より数値が高い。
一方は台東区で一方は世田谷区、23 区内に濃淡差があるのだ。
都のデータの最も濃度が高かった時間帯に近いところに小出分析のデータもあること。核種を都と合
わせれば 1 時間の比較では小出分析結果は 6 倍高い。
一方、都のデータの総量は約 1248Bq/m3 だが、小出分析のように核種を増やせば当然、値は増える。
ここから導かれる実効線量は都のそれは 142 μ Sv/日(小出分析より比例配分)、ガス状を加味して5倍
として 700 マイクロシーベルトほどということになる。つまり 1 日で 0.7 ミリシーベルト。小出さんは 1
日あたりおよそ 1 ミリシーベルトと推測した。いずれにしても文科省の広報値よりずっと多い。
文科省は外部被曝を示して「健康には何ら影響の無いレベル」と言ってるが、都のデータ、小出さん
のデータはともに内部被曝で「健康には何ら影響の無いレベル」とはいえない数値だ。特に幼児、「成
長盛りの子ども」は内部被曝には要注意だから、フランス大使館が自国民に勧告したように、政府も都
民には「念のため外出を避けて窓を閉めるように」勧告すべきだった。



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