センスレス野球少年と父のドタバタ奮闘記


「小さくして強くなった」という本を頂きました。







先日の忘年会の際、外食産業を長年ウオッチされている、この本の編集者の方から直接頂きました。


上場を目前にして、順風満帆であったレストランチェーン「ハングリータイガー 」に起こった様々な困難と、それに敢然と立ち向かった方々の物語ということでした。





我々横浜出身の人間にとって、ハングリータイガーは特別な存在です。

私の住んでいたところから湘南方面に向かう横浜新道を走っていると、崖の上の方に城郭の様に輝いていた店。当初、その店の名前すら知りませんでした。




彼女ができて、マイカーを持てたら絶対あの店に行くぞ!




と心に誓ったもんです。

仲間達もみんなそう思っていたと思います。



その崖の上の店がハングリータイガーと言うハンバーグレストランだということは、先にその夢を実現した友人から聞きました。


それから時が経ち、私もその夢を実現させました。

でも、誰と行ったかは覚えていません。かみさんかなぁ?と思い、昨日、「あの横浜新道から見えるハングリータイガー行ったことある?」と聞いたら、「行ったことない」という返答だったので、かみさんじゃなかった様です(笑)。


ハングリータイガー先輩の友人から、「熱い鉄板にソースをかけてくるんで、その時はテーブルの紙のナプキンを持ち上げて、はね上がりを浴びない様にするんだ」というアドバイスを聞いていたので、いかにもいつも来ている様な顔をして、教え通りにした記憶があります。





それから時が経ち、道を走っているといろいろな場所でハングリータイガーの看板を目にする様になりました。でも、私にとってのハングリータイガーはあの横浜新道から見える店だけなので、他の店に行ったことはありませんでした。


それからまた何年か経ち、ハングリータイガー/O-157という事件をニュースで知りました。その時私が思ったのは「ハングリータイガーは終わったな」ということです。

その時は私はもう横浜に居なかったので、その後ハングリータイガーがどうなったかということは全く知りませんでしたし、記憶の中から消えていました。





久々に聞いたハングリータイガーという名前。

若かりし頃のことを思い出しながら、ハングリータイガーの苦難について書かれたこの本を読み始めました。


振りかかった苦難は、O-157だけではなかったんですね。銀行の貸し剥がし、狂牛病(BSE)と、何一つ悪いことをした訳ではないのに、次から次へと襲いかかってくる大波にもまれて木の葉の様に舞う小舟の様な状況に陥ってしまったのですね。


「倒産の危機」という嵐から抜け出し、また大海原へと出帆していく姿に感動しました。そして・・・




日本人もまだ捨てたもんじゃないなぁ




と思いました。




義理人情、思いやり、助け合い、男儀、責任感、恥。




この本には最近忘れ去られ様としているメンタリティーがたくさん詰まっていました。ほんと心から感動し、何度か涙を流してしまいました。


役員として現場に居た著者でしか理解できないことも多かったと思います。私は外食産業にかかわる仕事もさせてもらっていますが、認識を新たにしました。


これから私の周辺にもいろいろなことが起こると思います。生きていく限りそれを避けては通れません。でも、その困難が自分を強くし、人生をより輝きのあるものに変えてくれると思っています。

どんなことに遭遇しようが、ハングリータイガーに起こったことに比べれば、たいがいは些細なことと思えると思います。



お薦めの本です。

是非、読んでみてください。




小さくして強くなった―こうしてハングリータイガーは生まれ変わった/中田 有紀子
¥1,575
Amazon.co.jp