己斐断層の心髄に迫る | 広島県応援プログ:頑張れ広島

己斐断層の心髄に迫る


滝
 大地震を起こす断層は普段は余り見る事が出来ません。断層の知識が少ない為、地層を見てもちんぷんかんの人が多いと思います。広島市郊外にある「己斐断層」は意外と知識のない人でも分かりやすい断層です。

 広島市西区己斐上から安佐南区山本までの全長10キロにある活断層で、この断層が動いた場合、M6.7以上になる可能性があると言われています。1996年に阪神大震災を機に行われた調査で亀裂が確認され活断層として正式に認められました。

 この断層が確認出来る場所が安佐南区山本にあります。国道54号線の西原1丁目交差点(毎日牛乳の看板があります)を左折し可部線のゲートをくぐり橋東詰交差点を更に直進、祇園団地を更に登っていくと墓地が見えてきます。上り詰めるとT地路にさしかかり丸山登山口という手作りの看板が見えてきます。

 落差4㍍の小さな滝が登山道から見る事が出来ます。以前は木々に阻まれて見る事が出来ませんでしたが枝を剪定したため、詳細を見る事が出来るようになっています。落差はそんなに高くはありませんが滝を下る水の音はかなりのものがあります。

 滝へのアプローチは困難な道を行く必要があります。看板側の中国遊歩道看板を小川に向けており小川沿いに北上していきます。日が差さない為、足下はおぼつかず靴は泥まみれになります。木には蜘蛛の糸が張り歩くたびに顔にかかります。探検隊気分で行く事、10分余り何とか滝にたどり着きました。

 滝の地質は広島花崗岩で幾筋もの亀裂が走っています。過去に3回の地震が発生しその度ごとに1㍍の落差が増していた事が分かっています。粘土層に断層のズレによって生じた熱水が観入し化学反応を起こして茶色に変色した地層写真もあり地質に興味がある人にはとても良い研究材料になると思います。