しろくまさんはめをさました。
なにかゆめをみていたみたいだったけど、よくおもいだせない。
ここはどこだろう。
おきあがって、おもいだしてみた。
りはびりのじっしゅうをぜんぶおえて、
ホルモン療法をはじめた。
りはびりのがっこうをそつぎょうした。
こっかしけんにごうかくした。
ひとりぐらしをはじめた。
しんりょうじょでりはびりのしごとをはじめた。
でんしゃにのってしごとにいった。
まいにちたくさんあせをかいて、あつくて、あつくて。
べんきょうになることもたくさんあった。
こわいこともあった。
あさ、おきるとしんぞうがどきどきした。
あつくて、あたまがいたくなって、でんしゃにのるのがやっとになった。
びょういんで、けつあつがとてもたかい、みゃくもはやい、とおいしゃさんにいわれた。
あさ、どきどきするのがひどくなって、いえからでられなくなってしまった。
K先生が、びょうきだからはたらけないです、というしょるいをかいてくれた。
どきどきするのをおさえるために、くすりをのんでやすんでいた。
たいじゅうがどんどんふえていった。
しばらくして、どきどきはおさまった。
さくらのさくころにはじめたしごとを、さくらのさくころにやめなければならなかった。
まえにしていたしごとがいいよ、とK先生がいった。
まえにしていたがっこうのしごとをさがした。
しごとがみつかった。
でも、そこでもとてもこわいひとたちがいて、はいったばかりのしろくまさんは、さいしょにこにこしていたけど
そのうちいじめられそうになった。
せっかくなおったのに、またどきどきしたらこわい。
しろくまさんはまたしごとをやめなければならなかった。
しばらくやすんで。
いえでやすんで。
いえでも、あせをたくさんかく。からだがあつい。
どうにかしようとすると、もっとあせをかいたり、またどきどきがはじまりそうになった。
どうしたらいいのか、しろくまさんはすっかりわからなくなっていた。
こざるちゃんは、いつもしろくまさんをはげましてくれた。
しろくまさんもこざるちゃんがはたらきやすいようにいえのことをがんばった。
でもあるひ、しろくまさんはこざるちゃんにひどいことをいって、こざるちゃんをとてもかなしませた。
こざるちゃんといっしょにいるようになって、5ねん。
こざるちゃんはふゆになるまえ、しろくまさんにさようなら、といっていなくなった。
しろくまさんは…
ああそうだ、それでしろくまさんは
こうしてひとりぐらしのいえにいるのだった。
いまは、でいさーびすというところと、ほうもんりはびりですこしだけはたらいている。
きょうはしごとがおやすみのひ。
じてんしゃにのってホルモンりょうほうのびょういんにいって
いえでおひるをたべて、そうじをした。
しろくまさんは、おかねをかせぐのがへたくそ。
しろくまさんは、おかねをためるのがへたくそ。
おかねをつかわないようになるのが、いまのしろくまさんのがんばること。
どきどきしないではたらけるようになるのが、しろくまさんのもくひょう。
しろくまさんは、がんばるよ。