ビジネス・ナンセンス事典 | 前山和繁Blog

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このごろ、過去に書いた記事の誤っている箇所が気になり始めてきた、直したい箇所もいくつかあるが、なかなかできないでいる。

英語学習の記事も時折書くことにした。

ビジネス・ナンセンス事典 (集英社文庫)/中島 らも
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私はこの本は処分してしまっているので、記憶のみを頼りに記事を書いています。


この『ビジネス・ナンセンス事典』は中島らものエッセイの中では、あまり質が高くありません。


文体がいつもの中島らもらしい語りの文体と、それとは違う物語風の文体の二種類の文体が使用されていますが、物語風の文体の箇所はあまり面白くなかったような気がします。


しかし、総合的にはそれなりに面白い。樋口修吉による解説もかなり興味深い内容で一読の価値はあります。


いま、思い返してみると、中島らもは会社の仕組みやビジネスのルールがいまいちよくわかっていなかったのではないか。という気がします。


中島らもは名前が売れる前に印刷屋だかに勤めていたようですが、勤めを辞めた理由の一つは会社がきちんとしたビジネスをしていない。というようなことだったとおもいます。


その会社は、社長の親が作り上げたコネによって成立していて、取引も社長が親父がどうこうと駄々をこねて親の七光りを撒き散らすことによって、とんでもない値段での取引を強引に通す会社であったと説明していた。


中島らもはその会社をコバンザメのようなコバンザメエージェンシーというように書いていたはずです。


中島らもが辞めたあと、その社長の親が亡くなってから一年ぐらいで、その会社が潰れたそうですが、一年ももっていたのが不思議なぐらいだったという。


そういう会社の株主はなにを考えるのかというような考察は、中島らもはしていなかったと思う。建前どおりの株式会社ならそんな経営力しかない社長が長く椅子に座り続けることは出来ないような気がしますが。中島らもは株式会社とはどういうものであるかという本質的な考察などはしていない。株式会社の歴史なども調べれば面白いとは思いますけどね。


これまた、いまさら書いても仕方がないのですが。らもさんも企業の歴史やルールの勉強もすればよかったのに。もったいない。


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