【転載】「市民と科学者による内部被曝問題研究会」について② | ー 空手を始める人のために ー 福島県郡山市の空手先生奮闘記

【転載】「市民と科学者による内部被曝問題研究会」について②


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続きです
長文失礼します



明日に向けて(392)肥田舜太郎医師は訴える!(内部被曝研記者会見より・・・その1)

守田です。(20120129 08:30)



すでにお伝えしたように、1月27日に東京で、「市民と科学者による内部被曝問題研究会」が立ち上がり、記者会見が行われましたが、今回はこのときお話された、内部被曝研名誉会長の肥田舜太郎さんの発言をご紹介します。



岩上さんたちが記録してくれた下記の映像の55分頃からお話されています。

http://www.ustream.tv/recorded/20030116



何はともあれ肥田さんの言葉に触れてください。


今回はコメントをとくに付けずに全文をみなさんにご紹介します。



*******



被爆医師 肥田舜太郎さんの発言(20120127)


肥田舜太郎と申します。

広島の原爆を受けて、当時から被爆者の診療をやってきた医師は、現在、日本で生き残っているのは、わたくし一人になりました。



ですから、実際に原爆を浴びた人間の外部被曝と内部被曝について、それをずっと診療して事実を見てきた人間は、わたくし一人になったわけです。



66年間、ずっと被爆者と付き合い続けてきました。


わたくしは被団協という団体のたったひとりの医師で、中にいまして、日本全国の被爆者の相談を一手に引き受けてきました。



そんなわけでわたくしが現在まで、顔を知っている被爆者で、わたくしが聴診器をあて、相談をした人間は、少なく見て6000人おります。



その中には外部被爆を受けて大変な思いをして今日まで生き延びてきたものもいますし、内部被曝で、説明のできない非常に困難な症状を持ちながら、世間からは被爆者としては認められなくて、というのは外から見て何もないからですが、そういうために社会から差別を受け、一人前の人間として生きていけなくなった。




そういう患者もたくさん診てきました。



最近、外国の人から、広島と長崎の経験をした日本が、なんで地震の多い国で海岸に53基も原爆を作ったのか、こんなことどうしておこるのかというお話がたくさんあります。



また日本のテレビで話される専門家の方々もそういうお話をされます。

これは事実です。


でもなぜそうなったのかということをお話される方は誰もおられません。



わたくしは、現地からずっと見てきて、この原因は、たったひとつ、占領したアメリカ軍が、被爆者の病気すらも、アメリカの軍事機密だという声明をだしたことにあると思います。



被爆者に一切、被害をしゃべってもいかん、書いて
もいかんといい、医師はその職業柄、被爆者がくれば診療はしてもよろしい、しかしその結果を書き残したり、それを論文にして論議をしたりしてはいかんといました。




このように日本の医学界が、放射線のことを研究することを一切禁じ、これに反するものは占領軍として重罪に処すという声明を発表して以来、被爆者は沈黙を守り、医師は自分の診察した症状を、記録しなくなったのです。



ですから、当時の被爆者が、前後、ずっと経験してきた放射線の被害の実情は、どこにも正確に記録されていないのです。



だから今の政府も今のお医者さんも、あの当時のことを正確に学ぶ資料が、まったくありません。



わたくしは、30ヵ国ぐらい歩いて、向こうの医師や学者に、内部被曝のことを話してきました。


「そんな大事なことを、あなたという医師がなぜ個人でここに来て話すのか。政府が発表した資料はないのか」と聞かれます。



これにまったくありませんと答えました。



「なぜそんなことになったのか。アメリカの占領が7年間続き、そのあとを受けた日本の政府が、安保条約を結んで軍事条約の手前、アメリカの核兵器のことを一切、記録をしないということになっているために、できないのです」と、

こういう話をして歩きます。




わたくしが福島の事故の話を聞いた時、一番、初めに思ったのは、これは大変なことになったな、あそこの子どもも親も、あそこで放射能の影響を受けた人は、放射線そのものが、広島・長崎で使われたウラニウムとプルトニウムを混ぜ合わせた(ものから出てくる)放射線ですから、あそこの人たちに、広島・長崎の人が経験したのと同じことが、そのまま起こってくると考えたほうが、常識なのです。



これがいつ起こるのか。広島と長崎の経験から言うと、内部被曝をたくさん診て、どうしようもなくて、症状がわからなくて困ったのは、ちょうど、一年ぐらい経ってからでした。



最初に現れだしたのは半年後です。




ですからおそらくこの3月頃から、彼らの中に、医師が診ても診断のつかない、非常に不思議な症状で、いろいろと苦しむ人が出てくると思います。



残念ながら、今の日本の医療界には、この患者を診て、親切に相手のできる医師は一人もおりません。



おそらくは診ても、「あなたは病気ではないよ」と言って、おっぽりだす。



ちょうど、広島と長崎の患者さんは、どのお医者さんにかかっても、大学の医学部にいっても、「あなたは病気ではない」といって追い出され、しかし本人は働けない。




「ぶらぶら病」という名前で社会から抹殺されました。それと同じことが起こるのではないかと、わたくしは心配しています。




日本は上から下まで、あの大きな被害を受けた原爆の放射線被害について、全くの無知です。



なんにも知らない。



今、広島と長崎の原爆の被害にあったことは、それはなんとか知っているでしょうけれども、あのキノコ雲の下で、人間がどのように殺され、また内部被曝で、身体の中に放射能を取り入れたものが、その後、66年間、どんな苦しい生活をしてきたか。



このことを誰も知りません。



これは全部、わたくしは、アメリカの責任だと思っています。




わたくしは当時からアメリカの憲兵や、日本の警察に追い回されながら、広島の現地で寝ている被爆者を助けてきました。



わたくしは、はっきり申し上げて、別にアメリカの国民を憎いとは思っていません。



しかしあの爆弾を作り、あの爆弾で最初に殺人を考えた、この連中は許すことができない。




そういう意味で日本は、福島の原発だけで終わるわけがはない。



必ず事故が起ってきます。

だからもう二つ、三つ、事故が起これば、日本はおそらく滅亡するでしょう。



そういう非常に危険な状態なのだということを、為政者は誰ひとり考えない。



のんきにあそこにでてきて「大丈夫です」などと言っている専門家などは、わたしは本当に軽蔑したくなります。



どうか、マスコミのみなさんは、放射線の被害というものが、下手をすれば、人類が生き延びることができない大変な代物だということを、お腹に持って、どんな小さな情報でも大事に扱っていっていただきたいということをお願いして、私の話を終えます。




*****




注 話し言葉を書き言葉に変えるため、多少の文字を補っています。


その際、肥田さんは広島・長崎原爆について書かれる場合、外部「被爆」、内部「被曝」という使い分けをされていますので、ここでもそれに従いました





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