夜会 本家今晩屋
11/23月祝、中島みゆきの夜会ってのを観にいってきました。2階席なのにチケット2万円かい! という高価なもので、それなのになかなかとれないんだそうですね。
1ヶ月にわたるロングラン公演の序盤ってことで、どこかこなれていない、ギクシャクした感じもあったけど、さすが大御所だと感じました。
この公演のテーマは未発表曲をどれだけ印象付けられるかの実験だというようなことも書いてありました。
その曲のために芝居仕立てでやるわけです。
不思議な衣装に身を包み、寝ころびながら、演技しながら、目隠ししながら歌う中島みゆき。なんかやっぱ、ひとつの道を極めた人ってのはなんでもできるんだなあと感心しました。
歌もばっちり印象に残っています。
「109番目の鐘の音、鳴り続けたならどうなるか♪」
舞台はボロ尼寺の境内。
おみやげ物の売り子の、ちょっと気の触れた少女が中島みゆきです。
ほかに3人の役者がいます。
住職、売られた娘、そして記憶喪失のおっさん。
話は抽象的で、いまいち自信がないのですが、おそらく煩悩をかかえたまま三途の川のふちまで行って、にっちもさっちもいかないという、人間の深い苦悩を表現したものだと思います。
「109番目の鐘の音が、鳴り止まなければどうなるか♪」
うまいなあと思いました。
『地上の星』もそうだけど、ひとつの研ぎ澄ましたキーワードに、全身全霊で寄せていく、このセンスと集中力が求心力になって、聴く者、観る者を自分の宇宙に取り込んでいくんですね。
観終わったときは、これが2万円!? ってな気分でしたが、今になってじわじわきます。
あとね、カーテンコールのときの中島みゆきの笑顔がよかった。なんか仏様のようでした。さすが、天皇陛下から勲章もらった人だな。
勉強になった気がします。