1.85mm。

これが11速化のカギである。フリーホイールの1.85mmの延長により、スポークを組む為に使用出来る領域は更に狭くなった。

現在のロードバイクのエンド幅は130mmであるが、スプロケがあるため、右スポークは十分な角度を付けられないことで、横剛性を上げる事が難しい状況にあり、各社様々な工夫を凝らし対応している。

シマノはいたずらに小細工を弄するより左右対象を基本とした20本スポークに行き着き、7900デュラではスポークテンションが左右で出来るだけ均等になるよう左スポークの取り付け位置もやや中央に寄せられている。

これは2~3万の自転車でも見られる古典的な方法だが、これが8速時代から同じフリーホイール幅で模索してきたシマノの最終回答なのだ。

ところが、11速化により更にフリーホイール幅を広げる必要が生じてきた。

たった1.85mmだが、右スポークが垂直に近くなることで今までのベストとしていた方法では剛性が維持出来なくなる。そこで、シマノもフルクラムと同じ、左クロス組と右ラジアル組を1:2で組み合わせる方式に変更した訳だが、これでようやく7900と同等の横剛性を維持出来たという。



それでは、何故シマノ以外のホイールメーカーは簡単に11速に対応できるのか?

それは、カンパニョーロはもともとシマノよりフリーの幅が長かった為、シマノがサイズアップしてもカンパに対応していたモデルはフリーホイールの交換のみで対応出来る訳である。

それでは、7900デュラホイールを11速化は出来ないのか?

7900ハブと9000ハブはフリーホイール意外ほぼ同じパーツが使われている。一見フリーホイールの交換は簡単そうだが、以下の問題が考えられる。

•9000のフリーを無理やり付けるとエンド幅が131.8mmになる。

•ハブが片側に約1.8mm延長されると車輪軸は0.9mm左にズレる。

また、玉当たり調整用のデジタルアジャストなんとかパーツのネジ山のかかりが通常6mmほどあるのだが、パーツの長さが増える事で掛かりが4mmほどになってしまう。
photo:02

一見は問題なさそうなのだが、9000デュラのクイックリリースは保持力が向上しているらしいので、それに耐えられるか疑問が残る。

以上が了承出来れば7900に11速用フリーが装着出来るはずなのだが、このフリーホイールがよりによってチタン製で2万ほどするのに加え、まだ9000デュラのスモールパーツはリリースされていない。

photo:01

スモールパーツの発売を待ってもいいが、安い通販なら9000ハブごと買っても値段が変わらないのでスペアパーツとしてこちらを買う方がお得だろう。

デュラのハブは本当に良く出来ている。素人でも簡単にメンテナンス出来、部品点数が少なく大変シンプルな構造となっていて、一度これを使ってしまうと他には移れない。

フリーホイールを外すには14mmと言う6角レンチが必要。

photo:03

ホイールを組んでいないハブはスプロケを付けてスプロケットリムーバーで抑えて外す。

photo:04

アナウンス通り1.85mm長いチタンスプロケット。定期的に交換する事になってもいいので軽くて安価なアルミにして欲しいところ。

外した11速用フリーを装着…。


ん?入っていかない。

「ほっ!」「よっ!」


入らない。


photo:05

よく見て見ると7900と9000のフリーはギザギザの歯数が違う。
photo:06

よって取り付けは不可能。フリーホイールをバラしてこの部分を入れ替えられないかとも考えたが、こちらは特殊な工具が無いとバラせない…!



シマノ…


この私をここまでコケにしたおバカさんは初めてですよ…



恐らく、フリー部分に互換を持たせると、フリー交換は定番チューンとなる。それでは前述のメインシャフトのネジ山の掛かりが不足して強度不足となりトラブルが続発すると考えたのだろう。


さすがシマノ先輩…ぱねぇえげつねえっす。


7900ホイールの11速化はWH-9000-C24-CLのハブボディに変えなければ不可能。…以上。





iPhoneからの投稿



今更…シマノ10速ホイールを11速化