生産中止以前から立ち上がっては消えてを繰り返して来たNSXプロジェクト。

バブル絶頂期に大人気を博したスーパースポーツはオールアルミモノコックに既存FFユニットをまるごとリアに持っていくと言う荒技で作ったミドシップだがその優れたパッケージングと操縦性はフェラーリにも影響を与えたと言われている。

特に操縦性に関して、当時形だけのスーパーカーが多い中、筑波の最終コーナーを4輪ドリフトで抜けらる安定性をもったミドシップはNSXくらいのものだった。それくらいスポーツ走行時のコントロール性では群を抜いていたのだ。

異常に長いお尻はゴルフバッグを2つ飲み込む積載能力の為だがそれがデザイン上のアクセントにもなっているし、スポーツカーとしての最低限の実用性を理解した巧みなパッケージングである。

個性的でありながらとてもホンダらしいスタイリングは非常に完成度の高いもので、今なおファンが多いのもうなずける。

その後継機と言えば誰もが期待するのは必然と言える。

しかし、280馬力規制が廃止されてから日本から魅力的なスポーツカーは生まれなくなってしまった。

中でも酷いのはGT-R。ブサイクで鈍重なただサーキットタイムが速いだけの車。ただ速いだけが取り柄なのに、低くスタイリッシュでなおかつFRのコルベットにニュルでタイムを抜かれてしまうと言う救いようが無い車である。

こんな自己満足の塊みたいな車ばかりを作っておいて「日本で2ドアは売れない」なんて定説を振りまいているのだから国内メーカーは本当に救えない。

ところがNSXの目標はなんとこのどーしょもないGT-Rだというのだ。

それもミドシップにモーターを組み合わせたハイブリッドだという。

ホンダはレジェンドの開発でSH-AWDと言う四駆システムを開発したものの、全く使い道が無く、これが行き場を無くしてNSXにたどり着いたのだ。

しかし、フロントヘビーのレジェンドの四駆システムはミドシップのNSXには全く使えないので、開発はまた一からのスタートとなる。

どうしてこんな車をつくるのか?だれが欲しがるのか?こう言う製品開発をアメリカ人はマスターベーションと呼ぶ。

もともとホンダはマスターベーションカンパニーである。技術者の自己満足が暴走して車をつくる。

子育てを終えた50代のおじさんのささやかな夢より、20歳前後の免許も無い子どもがゲームで選びたいような車を作る会社なのだ。

1990年代、魅力的な車を次々と送り出して来た日産、ホンダだが、今ではこの分野が最も苦手だったトヨタが一番真っ当なスポーツカーを作っている始末である。

特にLFA。純粋なFRに、音やハンドリングと言ったスポーツカーとしての基本中の基本を限界まで磨き上げた様はあっぱれである。

肝心のフロントのデザインが今ひとつなのが唯一惜しいがスポーツカー作りの王道をいっていた。

最近になって売り上げアップを狙ってかニュルバージョンなんてもんを作り、タイムをひけらかしているが、逆にベース車両は速さに執着せずに作ったと言う事だろう。



筆者が期待していたのは
NSXはホンダ版ボクスターのような車である。マニュアルの良さを味わえる本物のスポーツカー。価格は乗り出し6~7百万てところだろうか。

下らない技術競争は多いに結構だが、ニュルのタイムとかクソの役にも立たないもんに金かけて、「スポーツカーは売れない」と言う通説に輪をかけるのだけは辞めてもらいたいものだ。











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