9月19日と9月20日の2日間、ホテルニューオータニがイタリアからシェフを招いて夕食会を開催しました。
来日したのは、ジェンナーロ エスポージト氏。
彼は2009年と2011年にイタリアのレストラン評価機関(名前は失念)から1位の評価を獲得しており、彼がオーナーシェフを務めるトッレ・デル・サラチーノはミシュラン2つ星。
見た目は大御所という感じではありませんが、最高のイタリアンシェフの一人と言って間違いないと思います。
夕食会はオータニにあるリストランテ「ベッラ ヴィスタ」で7時に開始しました。
グラスシャンパンを飲み始めた頃、まずベッラ ヴィスタの支配人から簡単な挨拶。
次にジェンナーロ氏から
・本物のナポリ料理を味わってほしい
・特に、日本にはない素晴らしいトマトを用意したので楽しんでほしい
・あと、「おもてなし」として特別なチーズも用意している
とのスピーチ。(他にもいろいろ話があったと思いますが、時間が経ってしまいあまり憶えておりません・・・。)
そして料理がスタート。
コースはメインのみが選択可能なプリフィクス。(私はシェフのスペシャリテである太刀魚を選択)
では、前菜から。
【鰹の炙り、茄子、牡蠣のジュレ】
これは今まで食べたことがない味でした。
鰹に甘いソースがかけてあり、ジュレはバニラとレモンの風味。
驚きはありましたが、感激するような美味しさと言うほどでもない。
私の味覚では、まぁ普通に美味しい、といったところでしょうか。
【ヤガラの香草焼きとグリーンオリーブのスープ】
ヤガラを食べるのは今回が初めてだったんですが、旨味のある美味しい白身魚でした。
食感はホワッとしていたような・・・。それがパン粉のカリッとした食感や香ばしさとよく合っていたような・・・。(既に記憶が曖昧)
主役のヤガラも美味しかったのですが、それ以上に印象に残ったのがグリーンオリーブのスープ。これはクリーミーでオリーブの風味も良く、とても美味しかった。
【トマトのパスタ】
このパスタはヴェスヴィオ産のピエンノロトマトを使っています。
ヴェスヴィオには火山があり、土壌がトマト栽培に適しているとのこと。
そこで丁寧に有機栽培された希少なトマトとオリーブオイル、ニンニクだけでソースを作っているとシェフは仰っていました。
このソース、濾しは粗めで、種もそのまま残っていました。
恐らく、トマトの美味しさをダイレクトに味わって欲しい、ということなんだろうと思います。
口に入れてみると、濃厚でほのかな酸味。塩を使っていないとのことでしたが、立派に味が成立しているのは驚きでした。
【魚のソースのパスタミスタ】
このソースは、魚貝の旨味が凝縮されており、とても美味しかった。
色と味から、カニ味噌を少し入れているかも知れないと思い確認してみたのですが、「全く使っていない。」と瞬殺されてしまいました。(笑)
味噌の「匂い」がその主な理由のようです。
ここまでパスタが2品続いたんですが、いずれも想像していたよりも固かった。
これが本場のアルデンテなんでしょうか。
固めであるほど小麦の風味を感じることができると思うのですが、私にとっては絶妙と言うか、ギリギリと言うか、そんな固さでした。
【スペシャリテの太刀魚】
これも美味しかったですねぇ。
太刀魚は、外がパリッと香ばしく、中はフワッとしておりました。
トマトソースは、パスタのものより繊細な感じ。喉ごしが滑らかで、種はありませんでした。(笑)
【おもてなしのチーズ】
これはシェフが「日本の皆様にぜひ」と特別に手配したチーズです。
昔ながらの製法で年間300個しか作らない(1つの大きさは不明ですが・・)チーズ屋さんの商品とのことでした。
それを胡桃、フルーツ、パン、シェフがセレクトしたワインとともにいただきました。
チーズはフレッシュなものと濃厚なものがあり、両方とも馴染みやすい味で美味しいと思いました。
正直なところ、他の美味しいチーズとの違いはよく分からず・・・。(私は馬鹿舌なんです。)
【柚子のデザート?】
これもまた驚きの味でした。
柚子風味のほんのり甘いデザートだったんですが、上にはオリーブオイル、中には岩塩。
何だかよく分からないけれども、爽やかで美味しい一品でした。
【デザートのババ】
ババはサバランのイタリア版といったところでしょうか。
私は大量のケーキをブログで紹介しておりますが、その中にサバランは一つもありません。
これは完全に好みの問題だと思いますが、私は水分の多い食感がどうも苦手でして・・・。
別の種類のケーキを食べてみたかった、と言うのが正直なところです。
全体を通して感じたのは、
・ソースやスープの美味しさ
・パスタの食感
・味の意外性
といったところでしょうか。
とても印象深いコースだったと思いますが、他を圧倒する美味しさだったかというと、必ずしもそうでもないような・・・。
でも、初めて経験する料理を数多く楽しめたので、とてもいい経験になったと思います。