2014.2 横浜中華街 春節 その1 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

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カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

さあ、新年がやってくる。


中国では、四千年以上前から、この新年をお祝いしてきたそう。

大きな大陸国の、長い歴史が積み重なって息づいている習慣。


2月は旧暦において「正月」にあたります。

そのお祝いが、春節

中国でも最も重要な祝祭日であって、新年を迎える歓びを

みんなで分かち合い、歌って踊って食べて飲んで。

その気持ちは国境関係ないですね。


日本とはまた違うお正月を感じに、春節でにぎわう横浜中華街

行ってみることにしました。

異国情緒たっぷりのチャイナタウン、楽しみ。


JR石川町駅から、西側の西陽門・延平門をくぐってスタートです。




昼下がりの通り。







歩道に乗り出す店の軒先は赤。

ひしめき合う店たち。

一歩入れば、これぞ中華街という風景が迎えてくれる。


飲食店が多いですが、中華の調味料がたくさん売っている店だったり

アジアン雑貨のお店やブティックなど、お洒落系もあります。


中華街のイメージは、密度の濃さ。




色の密集。







画面のなかに、“何もない”空間がない。

どこもかしこも色や形で満たされて、陣地取りをしているかのよう。

春節の赤いぼんぼりが、あちこちに飾られていて

その球体が頭のなかに刷り込まれていく。


写真の牌楼(門のこと)は善隣門と呼ばれ、「親仁善隣」という文字が中央に書かれています。

これは「周囲の国や人たちと仲良くする」という意味だそうで。

良いこと言うなぁ。自分もそうしようと思いました。


中華街を東西に横断する、中華街大通りの両側にも

肉まんやら餃子やら、美味しそうな匂いのするお店が軒を連ねて大盛況。

冷たい空気に熱い湯気を漂わせる姿にそそられる。


東のはしにあるシンボルは、朝陽門







日の出ずる青と白。










その名の通り、東から昇る朝日を迎える門です。

その光が門を通り抜け街全体を照らし、繁栄をもたらすと言われています。


中国では四方角にそれぞれ守護を司る四神がいて、

日本でも有名ですが、東=青龍、西=白虎、南=朱雀、北=玄武 ですね。

朝日は青龍が見守ります。ということで門柱の色は青。

意味を込めて造られているものには、その想いを感じ取ることができる。


朝陽門の手前で右に折れ、南へ向かって「南門シルクロード」という道を歩く。

シルクロード…いい響き。

しばらく行くと、大きな門構えの横濱媽祖廟が見えてきます。




航海の女神様。







赤い提灯が空を渡り、華やかに廟を彩る。

そもそも廟とは、亡くなった祖先の霊をお祀りする場所で、

この「媽祖(まそ)様」は、自らの神通力で人々の病を癒し

亡くなってからも、海上を舞って人々を助ける姿が見られたと言われているそう。

10世紀に実在した、すごい女性です。

いまは航海の安全を司るほか、災いから人を護る女神様としても信仰を集めている。


春節の時期には、境内に小さな櫓?神輿?のようなものが置かれていて、

その下をくぐると無病息災に暮らせるとかなんとか。

とてもご利益のある場所。

街に息づくも、少し喧噪から遠ざかり、神聖な空気に包まれていました。


さて、街中観光もなかばに、春節ならではのイベントが始まるので

中華街内にある山下町公園へ移動。

特設されたステージで、新年をお祝いするさまざまなショーが繰り広げられる。

春節娯楽表演」と銘打たれたこのイベント、まずは優雅に美しく。




春の舞い。







かわいらしい女の子たちによる中華舞踊。

手にした扇子はふわりと軽やかに宙を舞い、それに合わせて

揺れるスカートの裾もふわりと回る。

指先までしなやかに女性らしく、何よりみなさんの笑顔が素敵で

すごい癒されました。

笑顔が伝染していく様子がよくわかる。見ているこちらもほっこりしてます。


お次は、中国雑技のショー!

このショー何がすごいかって、複数の技をすべてたった一人でこなすという

なんかもう身体能力すごい高い、鍛えられた業師という感じすら漂うお姉さん。


六連皿回しから始まり、50本くらいのフラフープを身体中で回したり、

中国ゴマを華麗に操ったり、で最後これ。




絶技。







背の高い一輪車を乗りこなし、さらにその上でバランス取りながら

自分の頭上に銀のボウルを載せていきます。

まず載せ方からしてすごい、、つま先にボウルをひっかけて(しかも複数個)

それを自ら蹴り上げ、くるくる空中回転するのを目で追いながら

最終的に頭上にすっぽりと着地させるという…

どうやったらできるの?それって練習したらできるの?という感じでした。

さらに頭にたくさんボウルを載せた状態で腕に輪っかをひっかけて回し始め、

なんかもう拍手大喝采でフィナーレ。

このお姉さん超人です。


さて、そして最後を飾るのは、待ちに待ったこちらです。

これが観たかったー!





獅子の舞い。






中華学校の生徒さんたちによる、中国の獅子舞。

「採青」(ツァイチン)と呼ばれるそう。

後ろで太鼓や銅鑼の音が鳴り響くなか、白と黄の二頭の獅子が元気よく躍る。


日本の獅子は赤い顔に唐草模様の緑のマント、というイメージですが

中国の獅子はなんかこう…もこもこしててかわいい…

目もくりっとしていて顔には歌舞伎のような華やぐ模様も施されているし、

キラキラとラメっぽく首のあたりが光ったりしてなんかかわいい…


でも、動きはとても俊敏。

頭をぶるぶると震わせたり、身体をぐっと縮めたりそこから大きく天に向かって伸ばしたり、

大忙し。

前足と後足にそれぞれ舞手さんが入り、見事な連携プレーで一頭の獅子の勇壮な姿を

表現しています。




チームプレー。







四つんばいになるとこんな感じ…かわいい…

これ、中の演じ手さんは自分たちの獅子がどのように見えているか分からないから、

周りからアドバイスもらいながら相当練習したのだろうな、と思う。


やがてステージから降りると、二頭それぞれ左右に分かれて

客席のほうに割って入ってきてくれました。

何をするのかと思えば、次々と客の頭を獅子が噛んでいく。

獅子に頭を噛んでもらうと、その年幸せに暮らせるという言い伝えがあるそうです。

ということで、喜んで頭を差し出して、がぶがぶしてもらいました(笑)


再びステージに戻った獅子たち、最後にプレゼントと言わんばかりに

飴の雨を降らし、太鼓や打楽器がリズムを速めて煽るなか

フィニッシュ!




納福迎祥。







この日一番の拍手に包まれる会場。

獅子の立ち姿、後足の子が前足の子を瞬時に肩車してできている。すごい。

なのでこのポーズになると獅子の大きさは3m超、とても迫力があります。


無事に舞をやりとげ、獅子の頭を下ろすと少し安堵の表情を浮かべた学生さんたちが

一礼して去って行きました。

ブラボーです。


初めて見た中国の旧正月のお祝い、知らなかったことを知るのは喜びです。

そして、横浜中華街は夜がまた美しい。

少しずつ日が暮れて、夜の街中をひとくち餃子を頬張りながら散歩。

*その2~赤い提灯~はこちら