京都外めぐり、3日目その2は引き続き嵐山です。
*その1~嵐山・天龍寺~はこちら 。
半日しかいなかったのに、嵐山ではものすごくたくさんのいい景色を
切り取ることができたので、続き。
今回は、たまたま時間が余ったので寄ってみたお寺が
本当に素晴らしい景観で、ただ夢中にカメラを向けるばかりでした。
偶然の出会いに感謝。これが旅の良いところですね。
さて、その素敵なお寺さんというのが、常寂光寺です。
かぶさる紅葉。
竹林の小道の終点で、本当は渡月橋の方へ
引き返すつもりだったのですが、思ったより時間があったので
奥嵯峨の方へ足を向けてみました。
その上り坂の途中に、ひっそりと佇んでいたのがこのお寺。
こじんまりとした仁王門の手前、頭上にはずっと紅葉の高いトンネルが。
柔らかな黄緑色の葉一枚一枚が、光を透かして、陰影を揺らめかせます。
その姿が、本当に美しくて。
秋はもっともっと、大変な景観になるのでしょうね。
計算された絵画のように。
常寂光寺の中は、まさしくどこを撮っても絵になる状態。
光の射し方まですべて計算され尽くしているような気がして、
そのはっきりとしたコントラストが、西洋の油絵のようにも見えました。
紅葉が空を覆って、夏にはありがたい日陰を作ってくれていました。
山の上に本堂が建っています。
(ちなみにこの山は百人一首で有名な小倉山です)
紅葉の切れ目からは、すっかり雨も上がって晴れ渡った空と、
嵯峨ののどかな風景が見下ろせました。
スカイブルー。
紅葉、光る。
夏に光る紅葉もいいものですね。
小さなお庭もあって、そこには小川が流れていました。
涼みましょうか。
この光の落ちてくる具合が、逆にとても涼しく見えるんです。
きらきらと、静かで、眩しい。
夏の躍動感、ふとした時の静けさ、光の温かさ、
そんなものをたくさん感じられる、本当に素敵なところです。
季節ごとに、与えてくれるものがきっと違うのだろうなぁと思うので、
また何度でも訪れたいお寺です。
常寂光寺、京都の中でも2番目に好きなお寺になりました。
(1番目はこのあと出てきます…)
去りがたく、何度も何度も仁王門を振り返りながら、お寺を後にしました。
偶然見つけたものに、心を動かされる。震える。
この出会いを、とても大切にしたいです。
旅はいいなぁ。
目を潤す景色を堪能した後は、嵐山公園を通って渡月橋の方へ戻ります。
嵐山公園は小さな山のようになっていて、坂道が続く公園です。
途中、「見晴らし台」があるというので、少し息を切らしながら上へ上へと
登っていきました。
やがて視界がパッと開ける場所へ出ます。
山あいを行く。
谷間を流れる雄大な桂川の水面に、
小さな木造りの観光船がいくつか、滑るように浮かんでいました。
なんと風流な景色。
舟に揺られる心地よさと、水面のすぐ近くを行く珍しい感覚、顔に受ける川風。
昔から川下りが人々に愛される理由がわかる気がします。
次に来たときは、桂川の香りを感じに、あの舟に乗ろう。
公園を出たあとは、桂川沿いにまっすぐです。
やがて、渡月橋が姿を見せてくれました。
月を渡る。
嵐山のシンボルといえばこの橋ですね。
名前もかっこいい。
橋の上の空を移動していく月を見上げて、昔の上皇さまが
「くまなき月の渡るに似る」
という感想を述べたということが由来だそうです。
昔の人の感性は信じがたいほど純粋で美しいですね。
感心してしまいます。
それが現代にもしっかり残って、こうして嵐山の中心地にどっしりと道を
構えている様子はとても安心するし、微笑ましくもなります。
さて、今日の楽しみのひとつ、それは嵐山で食べたかったお昼ごはん!
午前だけでかなり歩いて、お腹もぺこぺこだったので、急ぎ足でお店へ。
「嵯峨とうふ 稲」というお店。
その名の通り、豆腐料理のお店です。
天龍寺正門のすぐ向かい側にあります。
豆腐といえば京都の名物料理ですが、その中でも
嵐山・嵯峨野は有名な土地だそうです。
ヘルシーでおいしいお豆腐料理をいただきに、いざ!
豆腐も大好きですが、湯葉ももっと好きだったので
「手桶くみあげ湯葉御膳」を注文しました。
お豆腐づくし。
くみあげ湯葉はじめ、生麩、ごま豆腐、デザートでわらびもちなど、
おいしいものづくし。
幸せランチタイム。
特に湯葉は、トロトロとしている中にしっかりした歯ごたえがあって、
そして何より大豆の味がとても濃い!
湯葉をすべていただいたあとは、手桶にポン酢を少し足して、
そのまま豆乳をいただけてしまいます。
肉も魚もないのに、お腹いっぱいになった上、
なんだか健康体になった気もして(効果早っ!)、
午後からの旅へ向けて活力をいっぱいもらいました。
雅な雰囲気にゆるりと浸ってしまう嵐山。
今まであまりその魅力に気づいていなかったのですが
今回を機に大好きな土地になりました。
京都の市内とはまた違う、自然と共存しながら昔の風情を守る感じ。
今度はまた別の季節に、別の顔を見に行きたいです。
さて、午後からは、京都市内に戻ります。
午後いっぱい、まるまる「新撰組ゆかりの地めぐり」へ。
新撰組大好き人間としては血が騒ぎます。
「3日目 その3」はこちら
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