2011.8 上野不忍池・蓮 | あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey

カメラの蒼生≪あおい≫と一緒にまわった、ひとりとひとつの旅のきろく。

風もなく、じりじりと、太陽が静かに照りつける真夏日。

暑さに頭がクラクラして、視界が滲んでいるのか、

それとも陽炎が立ち昇って歪ませているのか、

焦点の合わない先の景色に、極楽浄土が広がって見える。

蓮の花はそんなイメージです。


蓮と言えば仏教の花という印象もありますが、

何千年も前の人も、暑く輝く太陽の下で、同じものを見て

同じものを感じ取ったのかもしれません。


ということで、蓮の名所、上野の不忍池に行ってきました。

池を覆い尽くす蓮の葉と、その葉に守られるように咲いている

淡い桃色の花。

背丈が高く、終わりの見えない池の姿は

永い時を感じさせます。

池の中心に、八角形のお堂である弁天堂がひっそりと佇んでいるのも

どこか中華的で、少し異国の雰囲気を味わえます。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey





埋め尽くす。













ずっと先には、上野動物園を望めます。


さて、少し蓮の花について調べてみました。

なんと、2千年も前から存在していたみたいです。

なるほど、悠久の時を感じる理由もなんとなくわかります。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey






可憐。












仏教では、生まれたばかりのお釈迦様が歩き出したあとに、

その足跡から咲いた花が「蓮」と言われているそうです。

インドでは、極楽浄土は蓮の形をしていると考えられているとか。


また、仏教だけではなく、古代エジプトでも「神聖な花」と

位置づけられているそうです。

花言葉は「雄弁」「休養」「沈着」「清らかな心」など。

見ていると心安らぐ蓮、確かに言葉通りな気がします。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey





桜の影。













蓮の手のひらのような形をした大きな葉に

桜の影が解き落ちている様子がとても綺麗でした。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey



夏の昼下がり。








静けさの中に包まれる、じわじわという声の主は、蝉です。

夏の暑さの中では聞いているだけで気が滅入りますが、

夏には欠かせない風物詩。夏を告げてくれる存在ですね。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey



枝垂れる。








カメラを向けていると、目の前に柳の先っぽが

ゆらゆらと揺れ始めたので、撮ってみました。

緑ばっかりですが、この深い緑の共演も夏ならでは。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey


桜並木と蓮。









画面の奥に一列に並んでいるのは桜の木です。

上野恩賜公園といえば、桜の名所としても有名ですね。

一緒に咲き誇っている姿を見られることはないと思いますが、

季節の変わり目を、バトンをつないでいるように見えました。


あおいとあさぎの旅行記 blue × blue journey





纏うように咲く。













まっすぐに伸びる葉を纏うようにして咲く姿は、

異国のお姫様みたいだなと思いました。

蕾がどこよりも一番高い位置に坐しているのが、凛としていて格好いいな、と。


不忍池は、それほど大きな場所ではないので

蓮を見るだけなら、あっという間に見終わってしまいます。


ですが、カンカンと照る太陽の光を遮るものもなく浴びながら、

流れる汗の一筋を感じながら、揺らめく空気の先にある蓮の花を

じ…っと眺めていると、心が水に浮くような感覚を味わえます。

昔の人はその先に、極楽浄土の姿を見たのでしょうね。


エキゾチックな気分に浸れる蓮の池、また次の見ごろのときにも

訪れたい場所のひとつです。