秋宮から、車で5分。下社の春宮に。

 

坂を上がっていく感じで、参道の正面に鳥居がある。車道が間際まで迫っている。

左手に少し見えているのは、手水舎。交通量が多ければちょっと危険な配置だが、車社会では、仕方のないことかもしれない。(画面右に小さな犬を連れた人に注目!後述する)

鳥居から、まっすぐ進むと神楽殿がある。秋宮を、境内も含めて二回りほど小さくした感じ。

神楽殿を回り込むと、幣拝殿がある。建物の配置だけでなく、建築様式もほぼいっしょだ。上社の前宮と本宮ほどの変化はない。

それもそのはず、後で知ったことだが、下社の神さまは、毎年2月に秋宮から春宮に来られ、8月に秋宮へ遷られる、ということらしいので、お住まいは同じようにしてあるのだろう。

ということは、今は4月なのでこちらにいらっしゃるということ。標高はここ春宮の方が高いので、避暑に来られるのかな。

幣拝殿。こちら春宮の御神体は杉の木。杉の木ばかりで、どれが御神木か、判然としなかった。

 

参拝の途中で、犬を2匹連れた若い夫婦がいたので、おとなしそうな人とみて「動物は境内にいれられませんよ」と声をかけた。「すみません。知りませんでした」と素直に出て行った。基本、神社は動物はいれてはいけない。理由は、たぶんだが、どこで糞尿をするかわからないし、もし粗相をしてしまえば、神域を穢すことになるからだと思う。少し考えればわかりそうなものだが。ここにも鳥居の横に「犬猫を境内に入れないでください」と小さな立札があったのだが。でもペットを家族のように思っている人がいるので、気を付けないととんだ反撃をくらうことがあるので要注意だ。

 

さて、

一の柱。幣拝殿の右手に。

 

 

幣拝殿の左手に、二の柱。

 

 

三の柱は、二の柱の奥に。近くには近寄れないようだ。

手前の陽の当たっている杉の木の右手に、黒くシルエットで少し斜めに立っているのが三の柱。

 

四の柱は、一の柱の奥。

 

 

2日間で諏訪大社「四社めぐり」をした。どこのお宮も、それぞれ違う雰囲気をもっている。

 

神社にくると、どこの神社でも何か周りの街とかとは異なる、独特のものをいつも感じる。木が多いので、周りとの気温差のようなものもあるのだろうが、それだけでない何か厳かなもの、言葉では言い表せないものを感じる。

 

今回初めての参拝だったが、来てよかった。60歳還暦(家内も10月に還暦)という節目の歳にお参りできたことも、意義深いものがある。と、思っている。

 

この後、ついでと言っては何だが、春宮のすぐそばに「万治(まんじ)の石仏」というのがあるので行ってみた。行く気になったのは、きのう上社のお参り後、宿に入るにはまだ時間があったので、諏訪湖畔にある「原田泰治美術館」に立ち寄った。原田泰治さんの絵は、私が中学生の頃に朝日新聞の日曜版の1面に日本全国の風景画が毎週掲載されていた、懐かしいものである。で、その全国の絵が展示されており、長野県の絵の中にこの「万治の石仏」が描かれていたのだ。原田さんは、ご当地諏訪の生まれだそうだ。

いわれは、いろいろあるようなのでここには記さないが、春宮の石造りの鳥居を作った石工にからむということだけは、定説のようだ。ものすごく体と頭がアンバランスな石仏だが、どことなくユーモラスで、憎めない感じ。

願い事をとなえながら石仏を三周すると、願いが叶うそうだ。

ちなみに、あの岡本太郎がこの石仏をいたく気に入って、この石仏を見るためだけに、何回も諏訪を訪れたという案内もあった。さすがに鬼才は、気に入るものも違う。

 

ということで、これでおしまい。

今回は、天気に恵まれてよかった。サクラは、まだだったけど。