レバレッジ・マネジメント―少ない労力で大きな成果をあげる経営戦略/本田 直之
¥1,680
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東洋経済新報社
本田 直之
発売日 2009年1月16日
和書

満足度 ★★★★★

レバレッジシリーズの最高傑作


この本は

「経営者」

「経営幹部」

「経営者を目指す人」

におすすめします。



『レバレッジ勉強法』、『レバレッジ・リーディング』、『レバレッジ・シンキング』、『レバレッジ時間術』など、次々とベストセラーを送り出す著者が、ビジネスとマネジメントについて論じた「経営者版レバレッジ・シンキング」。

「会社がどうなるか、その鍵は経営者が握っている」

少ない労力で会社をうまく動かしていくにはどのようにしたらいいのか?

経営者、経営幹部、そして未来の経営者を目指す人は、会社と社員のためにぜひ読んでおくべき一冊です。


この本のポイント

会社がどうなるか、その鍵は経営者が握っている(P.2)
「経営者の思考」がうまくいく会社といかない会社の違いを作り出している。
経営者の思考を変えることが会社を変えることになる。



経営者のレバレッジ


考える時間の余裕はあるか?(P.21)

「考え、意思決定する仕事」と「次のリターンを生む種作り」だけは、経営者以外にはできない。

経営者はじっくり考える時間を確保してほしい。


学んでいるか?(P.25)

スポーツの世界では、練習をしないで試合ばかりしていると、どんどん質が下がってくる。

ビジネスの世界も同じである。本を読んだり、勉強しなくてはいけない。


素直さをもっているか?(P.32)

優れた経営者は素直である。

「参考になる」と判断すれば、年下や目下の者のアドバイスも取り入れている。


外部とのつながりはあるか(P.38)

人脈無しでうまくいく経営者はごく限られた天才だけである。

大半の経営者は、どんどん人と交流し新たな学びを得て、業績を伸ばしている。


時代のうねりを見ているか(P.74)

先が読めない時代だからこそ、長期的に見ることが大切だ。

時代のうねりを見るために必要なのは、仮説を持つことだ。




戦略のレバレッジ


売り上げは継続型か?(P.86)

うまくいっている会社と苦労している会社の違いは、積上げ継続型の売上がベースか、一過性の売上がベースのビジネスかによる。


計器飛行しているか?(P.101)

「数字なんてわからない」、「経営センスと勘があれば大丈夫」

と言う経営者は、目視で飛行機を操縦しているようなものだ。

税理士や会計士に対価を払って依頼してでも、数字のインフラを整え、計器飛行の道具を蓄えるべきである。


わかりやすい旗をつくっているか?(P.104)

「分かりやすい目標」、「ロールモデル」、「仮想敵」を作り、全社員がわかりやすい旗を作るとよい。


粗利は高いか?(P.120)

粗利が少ない状況ではどんどん製品やサービスのクオリティが下がる。

「粗利をどのようにして伸ばすか?」を考えることは必要不可欠である。


適切なアドバイザーを選んでいるか?(P.122)

社員だけでは埋められない専門的なスキルが出た場合は、アドバイザーが必要になる。

その際、アドバイザー選びは大きな投資と考えることが肝心だ。




営業のレバレッジ


「お願い営業」になっていないか?(P.130)

こちらから売り込むのではなく、顧客に求められたほうが営業がやりやすいというのは、誰にでもすぐわかる話だ。「業者」ではなく「パートナー」として扱われるような営業スタイルを確立するのが経営者の仕事になる。


商品サービスの手離れはよいか?(P.135)

重要なことは「誰が売っても売れる状態」にすること。

そのためのポイントは、「売るものがシンプルである」、「商品の資料や説明のためのツールをしっかり作る」、「優良顧客を確保する」、「うまくいった情報を共有する仕組みを作る」


盛況感を演出しているか?(P.148)

すべての人が求めているものは「盛況感」である。

「いかにも盛り上がっているようだ」、「何か人気があるらしい」といった演出は欠かせない。




ブランドのレバレッジ


ブランドは大企業だけのものと思っていないか?(P.158)

「ブランディングなんて、うまくいくのは大企業だけだ」と思い込むのは間違った判断である。

ブランディングというのは無名で小さな会社だからこそ、レバレッジが最もかかるところである。


会社のキャッチフレーズは何か?(P.160)

ブランディングの最初のステップは「何をやっている会社か明確にすること」である。

売り込まなくても売れるようにするためには、どんな会社なのかを一瞬でわかってもらえるようにしておこう。


顧客が口コミをしてくれるような仕組みをもっているか?(P.182)

買ってもらうだけで終わってしまってはレバレッジ・マネジメントとはいえない。

顧客が口コミを起こせる仕組みを用意しておくことが、これからの時代重要になる。




仕組み化のレバレッジ


仕組み化で社員のレベルアップを図っているか?(P.200)
仕組み化のゴールの一つは「社員に考える時間ができること」。

優秀な社員に作業をさせる経営者は自社の戦力を最大限に発揮していないことになる。


ITを学んでいるか?(P.201)

今の時代は、ITの知識なしに仕組みを作ることはできない。

ITを勉強しないと何を効率化できるかわからなくなるし指示も出せない。




組織のレバレッジ


社員に武器を持たせているか?(P.210)

これからの時代はモチベーションをあげるだけのやり方ではうまくいかない。

「武器」を社員一人ひとりに持たせるようにしよう。


情報共有はできているか?(P.215)

組織に一人だけカリスマ営業がいるというのは意味が無い。

いかにカリスマ営業のノウハウをみんなでシェアできるか、これがポイントになる。

良い情報を共有する場を作った組織は確実に変わる。


会社全体の方向性を理解させるミーティングはあるか?(P.227)

会社全体がどこに進もうとしているか、方向性をシェアすることは組織には欠かせない。

人は報酬のみで働くのではない。「会社で働く誇り」を、社員にいきわたらせるのが優れた経営者である。


自分の長所と部下の短所を比較していないか?(P.237)

自分で考え、行動できる社員は自分で事業を起こしている。

「なんで部下は自分で考えてできないのか?」などと思うのは何の意味もない。






「経営ノウハウを出し惜しみせずに詰め込んでくれてありがとうごさいます。」

と著者に言いたくなる素晴らしい内容です。



仕事がうまくいっていない日本の経営者全員がこの本を読めば、日本のビジネスは大きく変わるかも・・・というぐらいタメになる本。


著者の以前の本と重複している点はありますが、それを割り引いても非常に価値のある一冊です。






この本から学ぶ教訓

考える時間と、仕組みをつくろう!



目次

第1章 経営者のレバレッジ
第2章 戦略のレバレッジ
第3章 営業のレバレッジ
第4章 ブランドのレバレッジ
第5章 仕組み化のレバレッジ
第6章 組織のレバレッジ