ちィのブログ

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これと同じ時期に、出会った人がいる。最初に記した、3年前の男の子…
中、と書いて、アタルと言った。
アタルはミツルに比べると、背は同じ位だが華奢で全体的に小柄に見える。猫背で、坊主頭の、目が綺麗な男の子だった。
歳は29、もうすぐ30になるところだった。

アタルは趣味のスポーツを介して知り合った。最初は本当に印象が薄く、最初に交わした言葉は覚えて居なかったのだが、アタルは覚えていた。
「最初、ちさを見たとき、結構衝撃が走ったんだ。大人しくて落ち着いてるかと思えば、自由奔放で、読めなくて…」こう聞くと、良い印象ではないように聞こえるが、それがアタルの周りには居ない、女の子に見えたらしい。
だが、あたしが既婚者であることは知っていた。それでも、アタルはあたしのことが、気になって仕方がなかったらしい。

何度か仲間内のイベントやらで出会う機会があり、連絡を取り合うようになる。そんなに頻繁に連絡は取り合っては居なかったが、忘れかけた頃に、ぽんとメールが入ってくる。なにかのイベントに参加する時は、大概連絡を入れてくれた。

この時あたしは、ミツルの事で頭がいっぱいだったので、そこまでの興味は湧かなかった。そうこうしているうちに、あたしは離婚をすることになる。

「離婚…したよ。」
先ずはミツルに報告した。何時ものように、ミツルの家に押しかけていた。
実のところ、ミツルも離婚歴がある。ちなみに2回。こう聞くと、この人はどうなんだ??と思うだろうが、本当に優しく、頼もしい人なのだ。浮気の心配もないような、男気もある。きっと、それまでの人が合わなかったんだろう。
「そうか…大変じゃったな。でも、次はきっとある。じゃけ、あんま落ち込みなよ。」
そう言って、何時ものように寝かしつけてくれる。
「みーくん…あたし、みーくんのこと、好きなんよ。」そうあたしがつぶやいた。
一呼吸置いて、ミツルは困ったような笑い顔で言った。
「そうか…俺は、ちさは元気な妹じゃと思っとる。俺の、大事な可愛い妹じゃって。」
変わらず、頭をぽんぽんと撫でながら、そう言った。そう言われて、何となくあたしも納得していた。
そうだ…頼れる兄ちゃんみたいなんだ…好きなんだけど、けど…
そう思いながら、優しい大きな手に包まれて、眠りに落ちた。

翌日、起きてから実家に帰らなくてはならない。その前に、アタルに連絡をした。
「あたし…離婚したんだ。今から実家に帰るよ。しばらく、イベントとかには参加出来ないかもしれないな。」
そうすると、しばらくして連絡が帰ってきた。
「そうなんか…忙しかったんじゃなぁ。わし、何かあったら、助けるけ、なんでも言って。たちまち、気晴らしにご飯でも行こうや。」
そう言って、元気付けてくれる。
「そんな遠く、ないんじゃろ??実家。」
あたしの実家は、ミツルやアタルが住む県の隣の県だ。車で2時間もあれば、帰って来れる。
「しんどかったら、会いに行くよ。」

そうして、あたしはアタルと、ちょくちょく会うようになる。


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