科学者も声を上げた・安保法案反対 | ひでの天声時評(甘辛ブログ)

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 (益川俊英京都大学名誉教授)
 
 安全保障関連法案に対して、反対をするというのは憲法学者だけでなく、科学者の間からも声が上がった。

 中心になっているのは「安全保障関連法案に反対する学者の会」だ。これに賛同する学者は14日で9766人に上った。

 学問が軽視され、(「憲法学者は字ズラだけで判断している。政治は法律の字ズラだけで出来るものではない」谷垣幹事長の話し)その成果が戦争に利用されることへの懸念があるのである。

 「・・・・・に反対する学者の会」は、物理学、天文学、芸術、医学等、多岐の専門分野に渉っている。

 発起人の一人、ノーベル物理学賞の益川俊英・京都大学名誉教授は次のように語っている。
 
 「自分の研究が戦争に利用されないためには、戦争自体をなくすしかない。私は名古屋で生まれ育ち、米軍による空襲で焼夷弾が自宅の屋根を突き破って土間に落ちた。たまたま不発弾だったが、爆発したら私は死んでいた。70年前の光景が今も脳裏に焼き付いているんですよ。
 最近改めて憲法を読み返してみた。同盟を作って戦争が出来るなんてどこにも書いてない。有事ならいいという安倍総理の主張はむちゃくちゃじゃあないですか。改憲手続を取らず、解釈変更で押し通す姿勢も納得できないですよ」。

 また、国立天文台名誉教授・海部宣男氏も次のように語る。海部氏はハワイのすばる望遠鏡などを主導するなど海外での研究が長い人である。


 

 「科学は使われ方次第で社会にとんでもない悪影響を及ぼす。科学者はその自覚を持たないといけない。これまで社会運動にかかわったことは私はなかったが、ここへきてそうは云っていられない。論理の正当性を踏まえた上で、次に進んでいくのは憲法学であれ、自然科学であれ、学問の基本。それを軽視すれば、国はこける」。

 また、九州大学大学院教授の吉岡斉(ひとし)氏(科学技術史)も次のように述べる。吉岡氏は東京電力福島第一原発事故の政府事故調査委員でもある。


 

 「『原子力ムラ』は人類や社会の利益と関係なく、自分たちの都合で利権を拡大し、事故に至った。『安全保障ムラ』にも同じ空気を感じる。 専門の科学技術史から見ると、戦後、各国で宇宙や核など軍事関連の技術開発が盛んになった。その後も世界は軍縮に向かっているとは言えない。背景には原子力ムラ同様、どの国や組織にも勢力拡大の思いがあるとみる。また、多くの憲法学者が法案を違憲だと主張しても与党が耳を傾けないことは、憲法学は国民の重要な資産なのにこrを軽視するなんてとんでもない」と語っている。

 人文科学、社会科学だけでなく、象牙の塔の中の研究室で、顕微鏡や試験管だけを眺めている科学者の間からもこのような声が上がっているのだ。

 安全保障関連法案がいかに危うい法案であるかが分かる。

 私たち国民は、こんな政治を、

 許していいものであろうか・・・・・・・・・・・・。