リスクテイクを勧めるFRB議長と、偽りの夜明け発言の日銀総裁
ストレステストの結果が発表されました。
19行のうち10行が資本増強が必要でその額は総額で746億ドル、主な必要行はバンカメが339億ドル、シティGが55億ドル、GMACが115億ドル、ウエルスファーゴが137億ドルMSが18億ドルなどなど、また必要ないとされたのが、GS,JPM,キャピタルワン、バンクオブNY・メロンなど・・・・・
ほとんどが事前のリーク情報とおなじ内容でした。というよりもリークを率先しておこなったというところでしょう。さらに驚きは、すぐさま資本増強のための資金調達計画が金融機関から発表され始めたこと、これはいかに周到にFRBと米財務省が緊密にウォールストリートと連携を取っていたかということです。つまりはあれほどまでにオバマ政権がウォールストリートからメインストリートへと主張していたことが、180度転換してしまっているトいうことになります。金融システムの堅持のためには仕方ないと言えるかもしれませんが、あまりにウォールストリートと近づきすぎると、思わぬところで足元を掬われるかもしれません。
しかしこのところの当局の発言は金融機関への信認を醸し出そうとし過ぎていると思えます。 またFRBのバ―ナンキ議長自らが景気の回復が今年末にはあるかもしれないといったことも、逆にこれで市場に対してリスクを取っても問題ないということを言っているように聞こえます。これは先月の日銀の白川総裁の本格的な景気回復と偽りの夜明けを見極めなければならないといった発言とは正反対であり、驚きを隠せませんでした。
これからの展開がどうなるかはわかりませんが、今日のこのブログでまつよしさんが書いている30年米国債の入札結果がふるわなくて、長期金利が上昇してきていることと大きな関係のあることです。バーナンキ議長は金融緩和の出口について言及を始めてきていますが、これが短期金利の上昇をも引き起こし今までの努力を水の泡にする懸念もあることを認識した上での発言であるのかどうか、20年近くも前にどこかの国の中央銀行総裁が起こしたような間違いを起こすことがないように・・・・バーナンキさん頑張ってください。
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