アミューズとエイベックスの違い ~ライブ、グッズ、ファンクラブ等 | 投資は自己責任で

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エイベックスは「CD等のパッケージ販売の不振とインターネットによる映像配信事業の伸び悩みにより、会社全体の業績が引っ張られていることによる、と説明しました。
 
それでは、アミューズの主力ビジネスであるライブ・コンサート及び物販関連ビジネスについて、エイベックスと比較してみます。
これらの事業は、アミューズは「アーティストマネジメント事業」、エイベックスは「マネジメント/ライヴ事業」のセグメントに含まれます。最初に断っておきますが、セグメントの内容は会社によって異なり、また同様のネーミングであっても実際の分類が異なることは間々あります。従って、以下の比較はあくまでも目安、ということです。
ちなみに、売上総利益(粗利)については、売上原価と販管費の切り分け方が会社により異なるため比較が困難ですので、営業収入(売上高)でみていきます。
 
さて、決算説明会資料によると、アミューズのセグメント別営業収入「アーティストマネージメント事業」は、「イベント」「ファンクラブ・商品売上」「出演収入・CM」「印税(新譜)」に分かれています。一方、エイベックスの「マネジメント/ライヴ事業」は、「ライヴ」「マネジメント」「マーチャンダイジング」「ファンクラブ」です。
アミューズの「イベント」がエイベックスの「ライヴ」、アミューズの「ファンクラブ・商品売上」がエイベックスの「マーチャンダイジング」+「ファンクラブ」に相当すると思われます。

図は、2011年3月期~2016年3月期の営業収入を表にしたものです。赤枠はそれぞれの会社が最高益を出した年です。
最初に言えることは、イベント(ライヴ)収入が、6年前と比べると両社とも大きく成長しているということ。ただしエイベックスはここ最近、少し伸び悩んでいるようにもみえます。エイベックスの3期連続の減収減益の要因は音楽事業と映像事業にあると述べましたが、「ライヴ」についても停滞気味、という感じです。
一方、アミューズは、2016年03月期は、看板アーティストの大型コンサートが重なり最高益となったため、今期は減収が予想されていますが、ライブ・コンサート市場の成長による恩恵を享受している感じですね。
 
次にファンクラブ収入と商品売上です。アミューズはこれら2つの事業が分類されていないので、エイベックスの「マーチャンダイジング」と「ファンクラブ」を足した数字と比較してみます。こちらもイベント(ライヴ)と同様、エイベックスは少し伸び悩み気味であるのに対し、アミューズは大きく成長しています。エイベックスには音楽販売は行うもののマネジメントを行っていない別事務所のアーティストも多く、マーチャンダイジングについても権利関係とかが複雑そうです。伸び悩みの原因かどうかはわかりませんが。
アミューズのネットショップ
エイベックスのネットショップ
 
以前のアーティストグッズといえば、ライブ等で販売されるアーティストの名前の入ったアパレルやバッグ、小物類などが中心で、あまりデザインの凝ったものは少なかったように思います。おみやげ・記念品的な性格のもの、ファン以外が持てないようなもの、ファンでもライブに行くとき以外には身につけづらいようなものが多かったように思います。
 
アミューズはグッズ販売に力を入れており、「アーティストグッズ制作等の更なる効率化、高付加価値商品の開発」を目的に昨年、株式会社希船工房をアパレル関連のノウハウが豊富なパートナーと設立しています。
 
最近のアミューズのアーティストグッズはずいぶん洗練されてきており、普段使いできるものがずいぶん増えてきている印象です。Perfumeは伊勢丹とコラボしたアパレルやアクセサリーを毎年出しているし、BABYMETALはTシャツもデザイン的にも面白く、メタラー以外にも刺さるデザインで、ライブやフェスでTシャツが飛ぶように売れています。
 
また、BABYMETALはESP製(受注生産)のフルスケール7弦ギター「E-II ARROW-7 BABYMETAL」を定価310,000円で出しましたが、高額にもかかわらず予想を大きく上回る注文で、納期が遅れ気味のようです。こういった高額なアーティストグッズでも、価値があると認められれば売れるということです。無論、BABYMETALに中高年ファンが多いことも考慮に入れて、こういった企画がなされたんでしょうね。
 
<<参考>>
■アミューズとエイベックスの違い ~収益構造

http://ameblo.jp/2sc372/entry-12210925386.html