福井県では『農家民宿』を推進しています。
■福井県農家民宿
http://www.fukui-ecogreen.org/ecogreen/farmer
とは言いながらも、まだまだ県民の人たちにも十分に周知されていません。
民泊が全国的に注目を集める中で、小規模で開業できる宿として興味を持っていただければと考えています。
農家民宿の多くは農家の家の一部分が宿泊スペースとしてお客さんに利用してもらっています。
要望があれば農業体験や地域散策、料理作りなど各家でできる体験メニューを提供しています。
農家民宿は、規模が小さいが、旅館業の種別で言う『簡易宿所』(民宿、ゲストハウスなど)にあたりますが、農林水産業の振興を目的として(=農林漁業体験を提供できる事が前提)、簡易宿所に必要な要件が緩和された形で開業が可能になっています。
ケースにもよりますが、ほぼ家の設備そのままで宿ができるという事です。
「住んでよし、訪れて良し」は観光庁でも観光地域づくりの基本方針として謳われているように、観光客もその土地ならでは経験を得たい考えていて、それがただ美しい景色や食べ物、体験プログラムだけだったらおそらくまた訪れることは少ない。
しかし、美しい景色×その景色を守っている人、食べ物×地元伝承料理が好きなおかあさん、林業体験×木使いのプロのおんちゃんなど人が加わることで「また行きたい」、「仲の良い人にも知ってほしい」となってリピートにつながるのだと思います。
宿泊体験を通しての地元の人との交流が農家民宿の価値です。
まさしくこれからの観光ニーズにマッチしたコンテンツだと思います。
ちなみに6月15日にスタートした「住宅宿泊事業者法」(民泊新法)は旅館業の許可を取らなくても要件を満たして申請すれば「お金を取ってお客さんを泊めてもいいよ」と言う法律で旅館業とは別モノになります。
ビジネスチャンスとして取組んでいる人も多いようだが、交流を目的に日本文化を伝えたいという気持ちで取組んでいる人もかなりの数が居るようで、取り組む方向性は近いのではとその人たちのお話を聞いて感じたところです。
いずれにしてもそういった地域の核、ハブとして周辺のレストランや土産物屋、直売所、体験事業者などと深くかかわることで魅力的な訪れるべき地域として選ばれるのではないかと考えています。
次回は、農家民宿の地域への波及効果や開業までのプロセスについて書きたいと思います。