今回の事件を通して感じたのは、動物愛護に関わる問題は、司法や行政ではなく立法にあるということです。
警察や検察はよく働いてくれたと思っています。
もちろんそれはみなさんの署名の圧力があったからのことではありますが。。。その署名に応えて麻生警察署や横浜地検川崎支部のみなさんが動いてくれたことは、今までの例を考えれば大きく評価すべきことだと思います。
裁判官にしても、執行猶予5年、保護観察まで付けたあたり、被害者感情や世論を加味して、ある程度妥当な判決を出したと、客観的に見たら言えないこともありません。
私個人としては、駒井裁判官が、良識のあるまっとうな裁判官であるという印象は変わっていません。
その良識あるまっとうな裁判官が、今回このような凶悪な犯人に対して実刑を下すことができなかったのは、一言で言うと、動愛法の法定刑が軽すぎるからだと思っています。
愛護家の皆さんはよくご存じだとは思いますが、これが動愛法の法定刑です。
「動物の愛護及び管理に関する法律
第四十四条 愛護動物をみだりに殺し、又は傷つけた者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。」
動物を残虐な方法で何百匹いたぶり殺したとしても、運が良ければ罰金で済んでしまうのです。
ちなみに言うと、盗撮と同じ罪の重さです。
動愛法には常習の場合の規定がありませんが、盗撮では「常習の場合、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」になりますから、常習であれば盗撮の方がはるかに罪が重いことになります。
(他の犯罪の刑についても、興味がある方は調べてみてください。
たとえば、宝くじの転売も同じく、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金です。)
これでは、たかが動物なんだからそう目くじら立てなさんなと、法律自らが言っているようなものです。
動物虐待は違法と言いながらも、逆に軽微な犯罪であることを宣言し、虐待を助長することになっているのです。
動物虐待を犯す人間がいずれ人にも危害を加えるということは、今や世間の常識です。
動物愛護法(動物の愛護及び管理に関する法律)は、その常識に照らして妥当な法律と言えるでしょうか。
今回とうとう検察は、このような極甘の現行の動愛法だけでは裁ききれないと判断し、異例の詐欺罪適用に踏み切りました。
詐欺罪について言うと、詐欺罪における罪の大小は、あくまで財産に対する損害の大きさで計られます。
猫の命をお金に換算するといくらになるか、客観的に計算しようとすると、せいぜい飼育費用や医療費くらいしか算入することはできません。
そうやって換算した請求額を元に起訴したとしても、詐欺としてはごく軽微な罪にしかあたらないのですから、過去の事例で検察が詐欺罪適用に及び腰になっていたのも当然のことかもしれません。
財産的損害が大きければ大きいほど罪が重くなる。詐欺罪はそういう性質の犯罪(財産犯)ですから、本来は、金銭に換算できない大切な命を奪ったことに対する罪を償わせようとする被害者の要求に応えられるものではないのです。
裁判官としても、刑法248条本来の目的が虐待を罰することではないのですから、虐待の態様がいかにひどくても、そのことによって詐欺の量刑を極端に重くするわけにはいかないのでしょう。
そう考えると、「虐待を軽んじた動物愛護法」と、「財産的な被害額を元に裁くしかない刑法246条」という2つの法律から導き出された「保護観察付きの執行猶予5年」という判決は、裁判官の良識の範囲で出せる最大限重い判決だったのかもしれません。
それでもこの判決は、やはり私たち市民の感覚からはかけ離れたものです。
動物愛護法という法律に問題があるならば、司法が最後の砦となって市民を守るべきではないでしょうか。
刑が確定する6月6日までの間に、控訴を求める意見や要望を、どのような形でも構いませんので、横浜地検川崎支部に送っていただけると助かります。
その際には、ぜひ一言、検察の方のこれまでの努力をねぎらう一言を添えていただければと思います。
送付先:
〒210-0012
川崎市川崎区宮前町12番11号
横浜地方検察庁 川崎支部
*封筒の表書きに、「川崎・猫虐待事件の控訴を求める要望書」とでも書いていただければ分かりやすいかと思います。
(諸事情によりコメントへのお返事は控えさせていただいております。
それでもすべて目を通させていただいていますし、ありがたく受け止めています。
7月からはこのブログもまた通常運営いたしますので、よろしくお願いいたします。)