マジすか学園0 第39回 ラッパッパ編 | くさだいらのマジすか学園 (小説)

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矢場久根総長は、ニロの言った言葉が気になっていた。



総長「保険?」

ニロ「ええ、近いウチにラッパッパは、おそらく私たち夜瑠乃香にも影響を及ぼすでしょうからね」

総長「影響ねぇ。それで、あとどのくらい我慢すりゃいいんだよ?」

ニロは天井を見上げて少し間を空ける。

ニロ「あと半月くらいが、ちょうどいい目安ですかね」

総長は不満そうにイスに座った。

総長「あと半月も待たねえといけねえのかよ」

ニロ「ええ、半月後、ラッパッパのメンバー1人1人を潰していく。これが最善の策だと思いますよ」

総長「最善の策か……まあいい、半月待とうじゃねえか」

ニロは微笑をする。

ニロ「矢場久根さんとは、これからも末永くお付き合いをしたいですからね」

そうつぶやきニロは部屋を出て行く。


ニロが部屋を出て行くと、サナエが総長のもとへやってくる。

サナエ「総長いいんですか、あんな奴と同盟を組むようなことをして」

総長「いいんだよ。どうせあっちはウチらを利用してる気でいるからな。逆に利用してやらなきゃなあ」

高笑いをする総長。



翌日から優子は度々、ラッパッパのメンバーには、頭痛の追加検査と嘘をつき、ブラックを尾行していた。

普段歩くブラックは、一般人と同じスピードで、優子は普通に尾行できていた。

ブラックも優子が尾行していることは、一切気付いていない。


そんなある日、ブラックはある場所へ訪れた。そこは先日優子が検査を受けた病院だった。


そのままブラックはある場所へ向かう。優子はその場所を見て、目を丸くした。

優子「えっ、アイツ?……」


しばらくして、ブラックが病院から出ようとすると、目の前に優子が立っていた。

ブラック「大島さん?」

優子「ブラック……お前ってさ……腹に子どもがいるのか?」

重たい口調の優子。

優子が放った言葉に、ブラックは一瞬耳を疑った。



あのとき優子がみたのは、ブラックが産婦人科の受付口に向かった光景だった。

ブラックは今まで以上に悲しい目を優子へ向ける。


ブラック「知っちゃったんですね。大島さん」


ブラックはすぐさま立ち去ろうとしたが、優子はブラックの腕を掴む。


優子「何か協力できるかわかんねえけど、ウチらは協力する。だからブラック……」



ブラックは一粒涙を流す。