RAINBOW STORY - 170 Four heroes | Another やまっつぁん小説

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 大通りを見渡すと、右手の方に黒い壁が見えた。

 そこに大量の悪魔達が動き回っているのだ。

 穴から出てきた悪魔達は続々とそこに向かっているらしい。



 振り返ると、新たに出てきた悪魔達が私たちを見ていた。

 のんびり状況を観察している場合ではない



「いくよ!」

 私は黒い壁に向かって走る。

 すると、いきなり、壁が燃え上がり、悪魔達がバタバタと倒れた。



 壁に穴が開く。

 見れば、その穴をあけた先には、戦隊ものの、赤いヒーローのような格好をした人が悪魔達を、時折炎を出しつつ蹴散らしている。



 私は訳が分からないながらもその穴を突っ切り、壁の内側に入った。

 そこにはまた摩訶不思議なメンバーが戦っていたのだが、そのうちの一人、いや、一匹。

 にゃんうーまんと呼ばれる国民的ヒーローの着ぐるみをきた人物が今まさに悪魔の槍の餌食になろうとしていた。

 にゃんうーまんはそれが見えているのかいないのか、私たちの方を向いている。



 そのとき私の目の前を人影が通り過ぎた。

 そいつは、にゃんうーまんに向けられた槍を受け止める。

 槍を受け止めたそれ、音操のギターは、恐るべき強度があった。



 いや、そうじゃない。

 きっとギターを無意識のうちに強化したんだろう。

 きっと音操には戦うセンスがある。



 にゃんうーまんには動きがない。

 音操は続けてこようとしていた新手の悪魔諸とも、ギターで「でえぇい!」とかけ声一発なぎ払い、ギャイインとギターを鳴らす。

 ギターからは銀に光る刃が生まれ、悪魔達を切り裂いた。



 そして音操はにゃんうーまんの方を振り返る。

「大丈夫かい、にゃんうーまん!」

 にゃんうーまんの隣には小学生らしき小さな子供から大人、怪我した人も集まっていた。

 にゃんうーまんの後ろには悪魔達がこちら側と同じく集まっており、そこでもどこかで見たヒーロー二人が。

 いやその二人の人物は、女の子のようだからヒロインと言うべきか。



「音操!」

 私は音操とにゃんうーまんの元へ駆け寄る。

「ここが悪魔発生の中心地?」

 私はきょろきょろと辺りを見た。



 にゃんうーまんや各種ヒーローが戦うこの場所はほぼ全方向悪魔に取り囲まれている。

 もしかして悪魔達の狙いはこのヒーロー達?



「まだ出てきてる!」

 そして私は思わず指さした。

 さっき上空に魔法陣が現れ、ほとんどの悪魔を倒してしまったにも関わらず、空にあいた穴からは再び悪魔達が吹きだしてきている。



「塞がないと!」

 あいた穴は塞がないといけない。

 このままだと埒があかないじゃないか。

 ずっと悪魔が出続けて、こっちは体力がなくなっていつかは悪魔達の餌食。

 そんなのごめんだ!



 でも、どうやって塞げばいいんだろう?