リフレ派が日本銀行を信用しない理由 | 明日へのミチシルベ

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リフレ派(俺も)が日銀法改正インフレ目標の導入を主張しているのは、日銀審議委員が無能であるために、日本銀行を信用していないからだ。


日銀が少しの、しかも一時的なインフレ率の上昇だけで金融引き締めを行うことが、リフレ派が日銀を信用できない理由だ。


日銀は2006年に量的緩和政策を解除、理由はコア消費者指数が0.5%になったから。でもコアコア消費者物価指数はマイナス0.2%で、デフレからは全然脱却していない。


ところで、反リフレ派(ほとんどが日銀派)はリフレ政策への反論するためにイギリスの例を出す。

このことについては下のポール・クルーグマンのブログを翻訳して掲載しているサイト「道草」を参照してほしい。


クルーグマン「下落するイギリスのインフレ率」(2012年7月17日)

http://econdays.net/?p=6839


クルーグマンの言うとおり、反リフレ派はイギリスを例に出し、「イギリスはインフレ率が上昇し続けてるのに、経済は停滞している!だからリフレ政策は無効」みたいなことを言っている。


イギリスでのインフレ率の上昇はポンドの下落や付加価値税の増税の影響から起きているので、その影響は一時的なものだ。


そもそも、インフレ目標採用国の政府と中央銀行は短期的にはインフレ率と失業率がトレードオフの関係にあることを認めており、コスト・プッシュ型のインフレによってインフレ率が上限を超えたとしても、すぐに金融引き締めを行わない。


日銀の場合はそれで金融引き締めを行うのが問題だ(しかも低インフレの時に)


イングランド銀行のマーヴィン・キング総裁はコストプッシュ型のインフレであることを見抜いていたため、金融緩和の姿勢を崩さなかったのだ。デフレを長く経験していない国の中央銀行総裁なのに、そのような正しい判断をしていることは素晴らしく、日銀の審議委員たちとは、大違いだ。


あまり、いい予想じゃないんだが、日銀のインフレ目処の採用は、日銀が金融引き締めを行うための前振りじゃないかと、最近俺は感じてる。すなわち、消費者物価指数総合の数値が1%に達すれば、すぐに金融引き締めを行う可能性があるということだ。CPI総合が1%でも、コアコアCPIはマイナスの可能性が高く、その時点での金融引き締めは妥当ではない。


日銀による金融政策の目標やその手段は到底信用できるものではないので、日銀法改正、インフレ目標の採用は必要不可欠なものだ。


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