SANZEN-HIROBA | ヘタレ車掌の戯言

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毎日惰性だけで生きているヘタレ車掌の日常です。

前回記事の続きです

北浜駅から京阪電車のちょうどいいタイミングで到着した出町柳行き特急に乗車し、樟葉駅で下車します。かつての京阪特急は大阪の京橋駅を出ると、京都の七条駅までノンストップだったので、樟葉駅へ向かうのには急行準急を利用するということになっていたのですが、現在は特急も停まるようになったので便利になりました。もっともその一方で、停車駅増加による京阪間通し乗車での所要時間が延びることになってしまい、また、片側2扉転換クロスシートの8000系は使いづらい感も出てしまった現状もあるのですが・・・

で、何しに夜に樟葉駅まで向かったかというとですね・・・


樟葉駅隣接のショッピングモール“KUZUHA MALL”南館内の“SANZEN-HIROBA”のこの電車に会いに行ってきたのです。
いうまでもなく、2013年3月に引退した8000系30番台もとい初代3000系のうち、京都方先頭車だった8531が元の3505に復元されて保存展示されているのです。もっとも、完全な復元ではなく、乗務員室扉や車内の化粧板、乗務員室内間仕切りなど、1995年の車体改修によって変わってしまった部分などはそのままだったりしますが、前面の貫通幌や床下の塗装、車内の座席モケットなど、往年のイメージに復元されています。
この保存展示がほかに例を見ないところは、ただの保存展示にとどまらず、有料ですが運転体験シミュレータとしても機能していて、しかも運転状態ではこちらとは反対側壁面に埋め込まれた画面に車窓画像が映し出され、台 車の車輪の裏に仕込まれたスピーカーから走行音などが聞こえてきて、あたかも実際に電車に乗っているかのような感覚に浸れるそうです。ちなみにワタクシがいった時は運転体験が終了していて、車窓を映し出すはずのの画面には映画の予告?みたいな映像が流れていましたが・・・
運転体験にはインターネットからの事前予約が必要とのことです。料金は1回2000円で約20分です。
この他にも8000系前頭部のシミュレータと2600系の運転席だけの簡易シミュレータもあり、こちらは事前予約不要で1回約5分300円とのことです。


運転台は車体改修前のレバー型に復元されていますが、車体改修により撤去された運転席右側の間仕切り(中間組込み時に運転席を封鎖するための仕切り)は復元されておらず、貫通扉も表示幕装置が残っています。ちなみに、車体改修後は8000系同様のワンハンドルマスコンでした。


車内の化粧板は車体改修時に張り替えられた8000系タイプですが、仕切扉上部には車体改修前に設置されていたテレビが復活しています。
ただし、当時のブラウン管テレビというワケにもいかず、液晶画面のテレビですが・・・。画面に映っているのは、この3505がこの地に搬入されるまでの流れでした。


連結側の壁面は富山地方鉄道譲渡車から確保した化粧板に張り替えられています。


シンボルマークは撤去されていますが車椅子はそのままです。


座席のモケット(表地)は往年のものに復元されています。

富山地鉄10037車内②
こちらは富山地鉄に譲渡された初代3000系改め10030形の座席
座席のモケットは現地の標準品に張り替えられていますが、その他はほぼそのままです。
但し、補助いすは使えません。


扉脇に掲出されている1972年当時の路線図


側面表示幕の“特急”表示
出町柳開業前の特急は、全て淀屋橋行きと三条行きだったので、行先は表示されていませんでした(当時、種別表示と行先表示を一体型の字幕で表示する車両では、は特急に限らず淀屋橋行きと三条行きの行先は省略されていました)。斜めになったフォントがスピード感を示していますね。


切り文字に蛍光オレンジ色でペイントされた“テレビカー”表示

このあと、東梅田へ向かい、夜行高速バスで帰路に就きました。

6月はもう一回、遠征していますので、次はその記事になるかと思います。


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