養殖クロマグロの卸値下落 | マクロ経済のブログ

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東京・築地市場で生鮮の養殖クロマグロ(本マグロ)の卸価格が下落している。現地の出荷業者が増えた影響などで低価格帯のメキシコ産の入荷が急増したためだ。

メキシコ産養殖クロマグロの卸値は入荷が始まった昨年秋に比べ3割安い。国産品も昨秋比で2割下がった。養殖クロマグロの卸値は全面安の展開となっている。

 メキシコ産の養殖生マグロは秋から春にかけて空輸で築地市場に入荷する。現在の卸価格は1キロ1700~1800円が中心。シーズン当初の昨年秋に比べ3割下がり、前年同期比で約2割安い。

 メキシコ産の安値は国産やスペイン産の養殖品にも波及。築地市場では国産品の平均卸値が1キロ3千円前後で直近の高値だった昨秋に比べ約2割下がった。スペイン産も年明け以降に1~2割下がり、現在は1キロ4千円弱で取引されている。

 メキシコ産の下落基調は年明けから鮮明になった。メキシコでは倒産した養殖業者を買収した新会社が出荷を再開し、出荷業者が2社から3社に増えた。

さらに現地の養殖業者と日本の商社の間の冷凍品の値決め交渉で価格の折り合いがつかず、冷凍品に回る予定だった商品が生鮮品で出荷された。「市場外も含めてメキシコ産の流通量は足元で昨年の2倍以上」(出荷業者)といい、需給が緩んでいる。

 築地市場の仲卸は「もともと低価格品という印象があったメキシコ産だが、一段と割安になったのを機に使ってみたら予想以上に良かったという顧客が多い」と話す。「店頭での解体ショー向けにも人気があり、回転ずしや量販店で引き合いが強い」(商社)。

 スーパーのいなげやでは刺し身用のメキシコ産養殖クロマグロの切り身が現在、100グラムあたり980円。昨年は国産やスペイン産を同1280円で販売していた。

 一方、高級すし店や料亭が使う天然の近海クロマグロは入荷が少なく、卸価格も堅調だ。この時期の主な産地は長崎県壱岐や和歌山県那智勝浦で、上級品の卸値は市場関係者が高値の目安とする1キロ1万円を超える。

▼養殖マグロ 天然のマグロを漁獲し、いけすで生育して脂身を増やしてから出荷する。クロマグロは国産のほかスペインやマルタなどの地中海、メキシコ産が主力で脂が乗る秋から冬の出荷が中心。春から夏にはオーストラリア産の養殖インドマグロも出回る。

 海外では成魚を半年ほど生育するのが主流で「蓄養マグロ」とも呼ばれる。日本では未成魚から2年以上育てるが、今後は資源保護で国産養殖品の増加は見込めない。