トヨタが次世代蓄電池の基盤技術を確立 | マクロ経済のブログ

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 トヨタ自動車(7203)は電気自動車の走行距離を現行の2倍以上に伸ばす次世代蓄電池の基盤技術を開発した。海水に豊富に含まれるナトリウムを使うタイプで、主要部分である電極の材料を新たに開発、現在主流のリチウムイオン電池に比べて価格も下げられるという。2020年ごろの実用化を目指して研究を進める。15日に福岡市で開かれる電池分野の学会で発表する。

 今回開発したのは、ナトリウムイオンで電子をやりとりする「ナトリウムイオン電池」の正極に使う材料。複数のリン酸化物とニッケルなどの金属、ナトリウムでできた化合物だ。

 コインサイズの電池を試作したところ、室温で動き、電気自動車の走行距離の指標となる電圧の値がリチウムイオン電池に比べ3割ほど高かった。さらに分析は必要だが、「走行距離が大幅に伸ばせそうで、500~1000キロの実現が視野に入った」(トヨタ)。

 1回の給油や充電での走行距離は、ハイブリッド車で最大約1000キロメートル。電気自動車が本格的に普及するには500~1000キロの実現が欠かせないとトヨタはみているが、現在の自動車電池は200キロほどでリチウムイオン電池では300キロが限界とされている。

 次世代蓄電池の開発が急務で、トヨタは「全固体電池」や「空気電池」などのタイプも開発中。ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池の性能を超えるのは理論上難しいとも言われたが、今回の成果で有力候補の一つとなった。

 ナトリウムイオン電池は地域偏在性のあるリチウムを使わないため、調達リスクが減り、価格も下げられる利点がある。

トヨタ自動車はリチウムイオン電池の生産に直接乗り出すことを目指し、旧三洋電機の買収を計画したことがありました。その際、電池事業だけばら売りできないかと打診したが、無理だと断られたため、2008年から予算をつけて自前での次世代電池の開発に取り組んでいました。

実用化のめどが見えてきたことは朗報ですが、ここにきて風向きが変わりつつもあります。それはアメリカで起きているシェールガス革命です。石油や天然ガスの埋蔵量がこれまでよりかなり増えるともみられており、こうなると次世代カーの主役は電気自動車から燃料電池車になる恐れもあります。