掛け算の順番、その他もろもろ | 21vertexのブログ

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アンダンテさんの「掛け算の順番の話題がアツい」 がアツい。この件、その他についていくつか。

先日、掛け算の順番について仲間内で話題になった時、ある方からいろいろ情報提供を受けた。小学校で掛け算の順番を気にするのは、言うまでもなく教師用の指導書(通称虎の巻とかアンチョコと呼ばれているもの)にそう書いてあるから。そしてその発端はある数学者(名前失念)がそのことを強調したから。一方、長方形の面積については、京大教授の上野健爾氏(現名誉教授)が異議申し立てした結果、「横×たてでも可」という記述が指導書に載るようになったとの由。

私はもともと小学校の先生が算数の専門家でもないのに、算数は答がひとつで教えやすいと思っている、つまり自分は算数の指導が上手であるという変な勘違いをしているのが問題だと思っていた。とはいえ、彼ら彼女らが金科玉条とする指導書は、数学的根拠のないものに過ぎない。

その話題の際確認したのだが、「10%の食塩水100gに含まれる食塩の重さは?」という問いに対して、「100×0.1=10」か「0.1×100=10」か確認したところ、指導書によると後者だと言う。確かに単位当たりの量は0.1に違いないが、おそらく中受の多くのテキストでは前者になっていると思う。

「A党の支持率は25%、B党の支持率は20%。A党の支持率はB党の支持率より□%多い」に当てはまる□について。

(a) 25-20より、□=5。
(b) 20%を分母と考えて、5÷20より、□=25。

算数の問題としては(b)の考え方が正解だが、日常生活では(a)の方が主流。ただし、(b)との混同を避けるため、百分率等の差を示す場合は、%ではなくポイントという単位を用いる。すなわち、「A党の支持率はB党の支持率より5ポイント多い」。新聞ではこの2つについて混同して書いてあることはまずない。

前に天声人語に関連して書いたけど、国語の教科書では、「A党の支持率はB党の支持率より5ポイント多い。」が正しいが、新聞等、学校外の書籍では、「A党の支持率はB党の支持率より5ポイント多い」。の方が主流となっている。つまり学校内だけで通用していることがある、ってことに学校を出てから気付くことがいくつもある。

掛け算の順番をうるさく言うというのも、小学校内だけの文化だ。x円の鉛筆3本買ったら、x×3円であって、3×x円ではない。せっかく小学校で文字式を少し使えるようになったが、掛け算の順番だけは変えられないのだ。中学で3xと書くのは、単に3とxの間の×を取るだけでは済まないのです。

あと学校内文化と言えるのは字体。たとえば「北」。みなさんのパソコン画面でどう表示されているか分かりませんが、学校外の一般書(新聞含む)では、「北」の左側は「壮」の左側とほぼ同じ。(実は違うけど)。しかし学校の教科書体(塾のテキストもこれを準用)では、「北」の左側は「上」を左右逆にしたような字体。(三画目は右斜めに上がる感じだけど)。ちゃんと確かめたわけではないけど、この教科書体は高校の教科書まで使われているようだ。

こういう漢字の字体、さらにはトメ、ハネ、ハライも、もとはと言えばある辞典の「字体」に基づくものでしかない。つまり、別の辞典なら別の字体、トメ、ハネ、ハライがあり得るということ。ということで、中受に向けては子どもにトメ、ハネ、ハライに注意するよう指導しなければならないが、本当はあまり意味がないことでもあるのですね。

追記。そう言えば、日本語の元々の構造では、掛け算は「いくつ分」×「単位になる量」であったと思います。たとえば四六時中の元になった二六時中。江戸時代の時刻の呼び方で、九つから四つまで下がり、また九つにもどり四つまで下がりますから、小学算数流で言うと6×2ですね。あと、(私結構古い人間なもので)、ニワトリの卵が21日で孵るのを、三七、二十一日で孵ると言っていた(テレビとかで)のを覚えています。法事の四十九日(七七日)にいたるまでに、初七日、二七日、三七日、……とあるのもそうですね。

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