投稿57 イノベーションを進める為には | 日本の製造業を元気にしたいコンサルタント 中山幹男のブログ

先日、本田技術研究所の主席研究員で、現在は中央大学の客員教授をされている小林三郎先生の「ホンダ・イノベーションの真髄」と題したセミナーで話を聞く機会がありました。

ホンダで独創的製品を造るイノベーション文化の具体的な話が聞けて非常に楽しく、またイノベーションの必要性を痛感した時間でした。

この話の内容を私なりに解釈して、お届けします。

イノベーションの意味は一言では【現状に対して新しい事を実行し、新たな価値を生み出す事】になります。



企業は人間と同じように何十年も経営活動を続けていると老化現象がおき、機能が低下します。これを変革し、外部環境の変化に柔軟に適応し、生き残る為にはイノベーションを起こす必要があります。


イノベーションの種類は新製品・新技術によるプロダクトイノベーション、新製法、工法によるプロセスイノベーション、新材料、新原料によるマテリアルイノベーション、新市場の開拓によるマーケティングイノベーション、新組織によるオルガナイズイノベーションの5つがあると言われています。


この5つのイノベーションをおこす為にはトップの戦略的な仕掛けは当然ながら、イノベーション的仕事内容の理解、イノベーションを起こす企業風土、イノベーションを起こす為のトップ・マネジャー・担当者の役割認識が必要になります。


イノベーション的仕事とは明らかに日常業務のオペレーション業務ではなく、現状と一線を画した革新的業務になります。革新アイデアは過去の経験、あるいは論理からではなく、感性から生まれる場合が多いと感じます。


また、イノベーションが生まれる風土ですが、①前向き、プラス思考②現場を見る、事実を正しく捉える③常に本質を問う考え方が徹底している(ホンダは目的思考で考える、トヨタのなぜ5回)④現状否定、今までのやり方、経験を捨てる⑤強い想いを持つ⑥徹底した議論を繰り返す(ホンダ流 ワイガヤ)⑦良いと思ったらまずやってみるというような価値観が根付いている企業にイノベーションが生まれます。


そして、このイノベーションを起こす為には若手が情熱をもって色々なアイデアを出し、マネジャークラスはこのアイデアから本物を見つける為に本質を問い、役員クラスはこの若手が目を輝かせて、訳のわからない事を3回言って来たら騙されてやるスタンスを持つ事が必要です。


アベノミックスでデフレ脱却の手掛かりを掴んだ企業が出始めていますが、このイノベーションの考え方を理解して、実行していく企業が本当の成長企業になると思います。