最判平成10年12月18日、資生堂東京販売(富士喜本店)事件 | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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最判平成10年12月18日、資生堂東京販売(富士喜本店)事件
民集52巻9号1866頁、判例タイムズ992号94頁
地位確認等請求事件

【判示事項】
一 卸売業者等が小売業者に対して販売方法に関する制限を課することと昭和五七年公正取引委員会告示第一五号(不公正な取引方法)13項に定める拘束条件付取引
二 特定のメーカーの化粧品の卸売業者が小売業者に対して特約店契約により対面販売を義務付けることが昭和五七年公正取引委員会告示第一五号(不公正な取引方法)13項に定める拘束条件付き取引に当たらないとされた事例

【判決要旨】
一 卸売業者等が小売業者に対して商品の販売に当たり顧客に商品の説明をすることを義務付けるなどの形態によって販売方法に関する制限を課することは、それが当該商品の販売のためのそれなりに合理的な理由に基づくものと認められ、かつ、他の取引先に対しても同等の制限が課せられている限り、昭和57年公正取引委員会告示第15号(不公正な取引方法)13項に定める拘束条件付取引に当たらない。
二 特定のメーカーの化粧品の卸売業者が小売業者に対して特約店契約により対面販売を義務付けることは、それが他の商品とは区別された当該化粧品に対する顧客の信頼(ブランドイメージ)を保持しようとする理由に基づくものでそれなりの合理性があり、右卸売業者が他の取引先とも同一の約定を結んでいるなど判示の事実関係の下においては、昭和57年公正取引委員会告示第15号(不公正な取引方法)13項に定める拘束条件付取引に当たらない。

【参照条文】 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律2条9項、19条
       不公正な取引方法(昭和57年公正取引委員会告示第15号)13項