行政法の読んだ本
〔基本書〕
•塩野宏『行政法I・II・III』有斐閣(ⅠⅡは2013年・5版補訂版,Ⅲは2012年・4版)
現在の通説的な立場の説である。元・東大教授。
私は弁護士になってから読んだ。
•原田尚彦『行政法要論』学陽書房(2012年3月・全訂第7版補訂2版)
簡潔な基本書。
私は司法試験合格直後に読んだ。
ただし、当時は、判例および田中説に対して批判する先端的なテキストであった。その後、最高裁判例のほうが、原告適格、処分性について、原田説などの有力説を採用していったという歴史がある。また、義務付け訴訟の創設など、行政事件訴訟法の改正につながった。
•藤田宙靖『行政法総論』青林書院(2013年11月)
元・東北大法学部長。元・最高裁判事(2010年退官)。
行政法総論は行政救済法を含む。
私は司法試験合格直後に読んだ。
ただし、当時は、判例および田中説に対して批判する先端的なテキストであった。
•田中二郎『新版行政法上・中・下』弘文堂(1974年4月-1987年2月)
かっての行政法の通説。元・東京大学名誉教授、元・最高裁判所判事。
私は司法試験合格直後に、上記のうち『上巻』(行政法総論部分)のみ読んだ。
東京大学学派の「概念法学」を感じた。ただし、田中・元教授が影響を受けたのは、正確に言えば、第二次大戦前のドイツ行政法のようである。
それに対して、第二次大戦後の西ドイツの行政法の影響を受けたのは、原田教授、阿部教授らである。
・阿部泰隆『行政法解釈学I・II』有斐閣(2008年12月,2009年9月)
かっては、阿部教授は、原田教授と同じように、判例および田中説に対して批判する先端的な学者であった。
•佐藤英善『行政法総論』(絶版)
佐藤英善・元教授は、早稲田大学の当時の教授である。
行政法総論は早稲田大学では必修科目であったので、私は大学生時代に精読した。
•亘理格・北村喜宣編著 『重要判例とともに読み解く 個別行政法』有斐閣(2013年4月)
私は弁護士になってから読んだ。
〔判例集〕
•『行政判例百選I・II(第6版)』有斐閣(2012年)
収録判例数が250件超。判例百選は必須である。