年俸制と残業代など | 法律大好きのブログ(弁護士村田英幸)

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年俸制と残業代など


・年俸制で毎月払い部分と賞与部分を合計して予め年俸額が確定している部分の所与部分は、割増賃金の基礎に含めて計算する。割増賃金の基礎から除外される賃金(労働基準法37条5項、労働基・年俸制で、年俸額に時間外労働の割増賃金が含まれていることが労働契約の内容となっていることが明らかであって、割増賃金と通常の労働時間に対応する賃金部分に明瞭に区別でき、かつ、割増賃金相当部分が法定の割増賃金額以上に支払われている場合には、割増賃金の支払いは必要でない。



・年俸制で、年俸額に時間外労働の割増賃金が含まれていることが労働契約の内容となっていることが明らかであって、割増賃金と通常の労働時間に対応する賃金部分に明瞭に区別でき、かつ、割増賃金相当部分が法定の割増賃金額以上に支払われている場合には、割増賃金の支払いは必要でない。


・年俸制で成果主義による報酬が賞与として支払われている場合、割増賃金の基礎に算入されない。


・年俸制で、年俸額に時間外労働の割増賃金が含まれていることが労働契約の内容となっていることが明らかでなかったり、あるいは、割増賃金と通常の労働時間に対応する賃金部分に明瞭に区別できず、または、割増賃金相当部分が法定の割増賃金額以上に支払われていない場合には、割増賃金の支払いは必要である。この場合、割増賃金の算定基礎は年俸制による額である。

・ただし、このような場合であっても、特殊な事案であるが、成果による高額のインセンティブ報酬が含まれていた証券会社員について[基本給2200万円+報酬5000万円)、割増賃金の請求を認めなかった事例がある、