この病院はいい病院だと思います。
入院の原因の肺炎が治った後も、なんとか元の状態に近づけられるように、考えて下さる先生がいます。
看護師さんたちは、皆、明るくて親切で、イヤな顔を患者や家族に見せることはありません。
病室は見晴らしがよく、清潔で、温度調整もしっかりできています。

でも..。
肝心の夫にとってはどうなんでしょうか..。


夫は、口から食べられないので、鼻からチューブを胃まで通し、それで栄養を摂っています。
そのチューブ、細くて柔らかい材質ではあるのですが、ずっと鼻穴に挿しっぱなしです。
違和感がある以外にも、なにか障害がでてくるのではないかと心配していました。

一昨日、心配していたことが現実になりました。
右側の鼻穴の上の部分に、かさぶたが出来ていました。
治ったかさぶたではなく、血が止まったばかりというようなかさぶたです。
赤黒い色をして、痛々しいです。
チューブは、いつも鼻穴の上部からでていて、絆創膏で固定されていたのですが、一昨日は、少し下の方に固定されていました。

看護師さんに、チューブを左側に変えてもらうことはできないのか聞いたところ、入れ直すと、正しい位置に入っているかどうか、レントゲンを撮ったりしなくてはならず、大がかりになってしまうとのことでした。
また入れる時に、夫自身が苦しいでしょうしとのことでした。

チューブはどのくらいで交換するのか聞いたところ、1ヶ月に一度だそうです。
前回は12月10日に換えているので、次は1月10日ですねと言われました。
12月10日は、おそらく、夫がチューブを引き抜いて、入れ直してもらった日なのでしょう。
その後、手首の拘束帯に加え、ミトンが布製に変わって、引き抜くことがなくなったのだと思われます。
同じ場所にチューブを固定されて、11日経ってついに傷が出来てしまったのでしょう。
それまで何回も引き抜いてしまって、手間を掛けさせましたが、逆に言えばこうした傷ができることが、それで回避されていたようです。
入れ直す度に、反対側に入っていましたから。

傷ができてしまったので、まだ日にちはこないけど、取り替える検討をして下さいとお願いしましたが、昨日もそのままでした。
一応、かさぶたを避けて絆創膏は貼ってありましたが、その縁がかさぶたに触っていて、痛そうです..。
今日は、再びチューブは鼻穴の上部に固定され、傷が全く見えないように、絆創膏がかぶせてありました。
空気に触れないので、傷口が治らないのではないかと思います。


夫は皮膚が弱く、すぐ湿疹とかができて悩まされていました。
ここ1,2年は、夏場でもまめに保湿剤を塗ったりして、かなりいい状態を保ってきました。

今や夫の皮膚は悲惨そのものです..。
あちこちに赤く腫れ水疱ができたところや、ひっかき傷がミミズ腫れになったところや、かさぶたを剥がしてまた血が滲んでいるところがあります。
口腔ケアが終わってから、手首の拘束帯を外し、ミトンを外すのですが、狂ったようにあちこちを掻きむしります。
それを制止しながら、顔、頭から体の方を拭いていくのですが、時々その手をすり抜けて掻きむしります。
拭き上げた後、痒み止め入りワセリンを塗って、ようやく落ち着きます。
おそらく、リハビリの時も拘束を解かれて同じ状態になっているものと思います。
頭のてっぺん辺りや耳に、バリバリと爪でひっかいた傷跡がありました。

毎日清拭をしてもらっているとは思います。
でも、やっぱりお風呂に入れないのは、きついです。
入院してしばらく経った時、お風呂はどうなっているんでしょうかと聞いてみました。
そしたら、お風呂は通常、退院前に一度だけ入れるのだそうです。
急性期病院なので、それでいいんでしょうね。
でも、夫の場合は、いつまでの入院になるかわからないし、ともかく痒がってもう限界みたいなので、なんとか入れて欲しいと頼みました。
その時担当していた看護師さんは、そうですねぇと言って、まもなくお風呂に入れる手配をしてくれました。
12月5日にお風呂に入れてもらえました。
入院して丸一ヶ月後でした。

その後、もう一度12月12日にも入れてもらえました。
1週間に一度入れてもらえるなら助かると思っていましたが、担当の看護師さんが変わってからは全く気配がありません。
おそるおそるどうなっているのでしょう?と聞いてみたら、退院の時に入れますと答えが返ってきました。
皮膚の状態がひどくなっているし、なんとかお願いしますと頼んではみたものの、望みは薄そうです。
昨日からまた別の看護師さんに変わりましたので、なんか...もう言うのがきつくて..。
毎日催促しているような状態で、看護師さんの方も病院の決まりがあるから、おいそれとは返事できないでしょうし..。


今日は祝日ということもあり、リハビリは全く行っていません。
嚥下のリハビリ、どの程度の頻度でしてもらっているのかがわかりません。
少なくても昨日はやっていないというのを聞きました。
一昨日は日曜なので、この日もやっていないでしょう。

一日中ベッドに縛り付けられて、夫は何を待っているのでしょうか..。
夫にとっては体中が痒くて、不快な状況の中で、ただ自由を奪われているだけです。
痒くても掻くことができないのは、どんなに辛いことでしょう。
どうしてやりようもない...。

病院のせいではありません。
急性期の病院としては、何も間違ってはいないのです。

いけないのは、その急性期病院に長居していることなのだと思います。




          
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