主治医の診察日、初めて車いすを使って連れて行きました。


救命病棟から退院後、椅子に座らせても頭を後ろにそらせ、すぐ眠ってしまう状態でした。
翌日になっても、立てるけど、歩けない状態が続きました。

その翌日からは、傾眠は続いているものの、足を少し運ぶことができ、両手で支えればわずかな距離は歩けるようになりました。
不安定で、すぐ腰砕けになりそうでしたが..。
通院乗降介助というサービスを頼んでいるので、家からクリニックまでは車に乗せて連れて行ってもらえます。
でもこの状態では、わずかな距離でも外を歩かせるのは無理だと思いました。


救急車を呼んだことについて何か言われるかと思いましたが、二度目の発作があったからと話したら、やむを得ないでしょうねといった感じでした。
前々からデパケンを飲ませないから発作が起こる、てんかん発作は、アルツハイマーにはつきものなんだから、それでいちいち救急車を呼んだら、ほんとに重病の人にとって迷惑になると言われていました。

デパケンを飲んでいても発作が起きる場合があるんじゃないですか?と聞くと、それはないでしょうねとのことでした。
デパケンが必要とされる血中濃度になっているか、血液検査をして調べるのも、負担になると思うしと言ったら、検査はしませんとのことでした。
飲ませて様子をみて、発作が起きたら、増量するという手段をとるらしいです。
その間、発作は起きる可能性があるわけで、なるほどそういうことなのかと思いました。

デパケンが合わないなら、別な薬を出すけど、どうします?と聞かれて、出してもらうことを了承しました。
イーケプラという新薬で、副作用は眠気以外はあまりないとのことでした。
新薬といっても、発売されたのは2010年で、海外ではそれ以前から高い評価を受けてきたらしいです。
通常使用量が1000mgなのに対し、1/4の250mgでやってみるとのことでした。

これまでは発作を起こしても、2,3時間後にはケロッと何事もなかったように回復していました。
今回は回復がはかばかしくありません。
長時間安静にして寝かせておいたのがよくなかったのか、救命病棟で受けた点滴の中の抗けいれん薬が強すぎたのか、或いは、発作のために脳のどこかを損傷してしまったのか..。
本当のところはわかりません。
いずれにしろ、けいれん発作は起こさない方が絶対いいわけで、それが副作用なしで実現するのなら飲ませてみようと思ったのです。

まだ傾眠傾向が続いていたので、実際に飲ませはじめたのは3日の夜からです。
3日には、傾眠傾向はほとんどなくなりました。
傾眠が続いているうちに飲ませはじめると、薬のせいで眠いのかどうか判断がつかないと思ったためです。

今のところ、目立った障害はなく、今日になると、まだ不安定さは残しているものの、普通に歩くことができるようになりました。




クリニックから、少し離れた薬屋さんまで、車いすを押して歩きました。
途中踏切で、前輪が線路の溝につかえてしまって動かなくなってしまいました。
少し前に通り過ぎた女の人が、駆け戻ってきて、助けてくれました。
「うちでもね、父が車いすだったんですよ」とその人が話してくれました。
困った時、他人の優しさが身に染みた日でした。