ジャイアンツが昨晩大敗し、ふて寝をしていたところに、実家に帰省しているお母さんから電話がありました。

「・・・寝てた?」

思いっきり寝ていました。

「ごめん、ごめん、じゃあ、おやすみ。」

とお母さんは言って電話は切れたのですが、その後、私は眠れなくなってしまいました。


リハビリセンターで「心理療法」のリハビリを受けているのですが、そこで1冊の本を手渡され、400字~800字の感想文を書いてくるように宿題をだされました。本のタイトルは「脳を活かす勉強法」(茂木健一郎著 以下本文で一部掲載させていただきました。)。200ページ弱の読みやすい本でした。

現在は、子供たち(10歳のお兄ちゃん、3ヶ月の娘)もお母さんもいない、全く一人の状態です。しかも、楽しみにしていた巨人戦のテレビ中継は、ゴンザレスのまさかの乱調で、早々にジャイアンツ敗色濃厚の展開。スポーツニュースも見る気がしない。テレビ鑑賞もゲームも音楽鑑賞もやる気がしない。やることがなくなってしまったので、とりあえず課題として出されていた本を読んでみることにしました。


心強い言葉が並んでいました。小脳出血(脳動静脈奇形の破裂によるもの)後遺症があり、うつ病で頭の働きが相当低下している私なのですが、「脳科学的に見れば人間は誰しも境遇や年齢、性格にかかわりなく、飛躍的な成長を遂げたり、劇的な変化を遂げる可能性を秘めた存在であるといえるのです。」とありました。小脳出血による高次脳機能障害(うつ病による脳機能の低下も認められる為、私の場合はまだはっきりと高次脳機能障害だとは言い切れません。)、うつ病による脳機能の低下、あまり多くの人が経験されないような脳のダメージを受けている私にも、脳機能の成長や変化を遂げる可能性があるとの言葉は、私の未来に光明を射してくれる言葉でした。


その方法とは、何かを達成すると快感を生み出すドーパミンが分泌され、快感を生み出す行動が癖になり、二度・三度と繰り返していく。そして「試行錯誤を経ることで脳内に強固なシナプスが形成され、やがて一つの行動に練達していきます。これを「強化学習」といいます。「脳を活かす勉強法」ひとつ目の極意は、この「強化学習」のサイクルを回すことにあります。」なんだそうです。私の場合に置き換えると、今後褒められる・達成感を得ることができそう、喜びが得られそうな行動を試行錯誤の末行い、実際に褒められたり、達成感を得たりする、ドーパミンをたくさん分泌させる、行動と快感を結びつける、再び同じ行動を繰り返したくなる、といったサイクルになるでしょうか。資格の勉強しかり、ゴルフの練習しかり。就職の準備しかり。

私が病に倒れる前、仕事をしながら複数の資格取得の勉強を楽しみながら進められていたのは、このサイクルに自分が当てはまっていたからかもしれません。当時、仕事はずいぶん忙しかったのですが、昼休みや通勤の電車の中、出社前には喫茶店で、休日は図書館の自習室で、がむしゃらに勉強をしていたことを思い出しました。不思議なことに、その勉強は全く苦ではなかった。私には法律の素養がないのにもかかわらず、法律系の資格を取得しようとしていました。難解な内容が多かったにもかかわらず、楽しんで勉強をしていました。


今、脳出血の後遺症・うつ病と闘っていますが、この間、知的活動をほとんど行っていないことに気がつきました。この本を読んで、「勉強をしたい。将来に役に立つ勉強がしたい。」と強く感じました。本書の言葉を借りると「知のオープンエンド(学習はどこまで進んでも終わりのない青天井)」状態。病に倒れる前にそれなりに勉強はしてきたはずなのですが、それで終わりではない、私にはまだまだ勉強が必要なんだ。そう感じました。


どうせ勉強をするなら、将来に役立つものがやりたい、資格という目に見える・後に残る形での勉強がしたい、と思うのです。それが、就職準備や私の将来設計というところに関係してくるので、「早く将来について、何らかの方向性を打ち出さなきゃ。」と焦ってしまうのです。

私の職歴からすると、システム関係か経理・財務関係の仕事に従事することになるでしょう。自身がやりたいこととマッチしているかどうかは別として。経理・財務関係の勉強と言うことで、早速、国際会計検定の本が欲しくなりました。新しいこと・資格取得などの就職準備はやめておくように、と精神科医・臨床心理士・ケースワーカー・お母さんから口すっぱく言われたのですが、この衝動を抑えることができません。

遊びのつもりで勉強する。根をつめずに勉強する。心身に負担が大きければすぐにやめる。生活リズムに支障をきたすようであってもすぐにやめる。この4つの決まりごとを自分の中で決めました。無理のない範囲で勉強をしたいと思います。