投票二週間前を切り、選挙も後半戦に入った。投票日の決定が結果を左右するという意味が、今回の選挙では少し実感できた気がする。解散当日から猛スパートをかけた自民党だが、ここにきてペースが落ちた。


自民党への追い風が乱れつつあるようだ。それを象徴するのが比例東京ブロックでの八代の公認問題だ。郵政反対派は公認せずをぎりぎりで貫いたことで被害を最小限にはしたものの、この騒動に嫌気して民主党へ流れた票の数は馬鹿にできない。この先二週間というのはどの政党にとっても、有権者が持つ疑問に答えて風向きを変えるために十分長い時間だ。それに気づいたものが勝つだろう。


自民党のかかえる問題は2つ。「自民党は本当に変わるのか?」「郵政の次は何?」八代問題は第一の疑惑をさらに大きくしてしまった。このゴネっぷりを見る限り、八代と党本部の間で密約があったことに疑いはない。自民党が変わろうとしない姿が残っている。また第二の問題は、たとえ郵政民営化の是非を問う選挙という位置づけに賛成の有権者でも、それだけではつなぎ止められないという意味だ。郵政の次に力を入れる公約について、そろそろ語らねば間がもたない。


民主党も2つの問題を持つ。「いざ改革となると足並みが乱れて実行できないのではないか?」「お金が足りない?」第一の問題は自民党で起きている内紛とまったく同じものだ。反対するときに足並みがそろっているからといって、改革の際に揃う保証はない。改革になると痛い思いをする議員が出るからだ。この点では、すでに問題を露呈しその対策を国民に示している自民党が一歩進んでいる。第二の問題はもっと深刻だ。「節約生活で100万円を貯金して海外旅行に行こう」というのが、民主党のマニフェストだ。節約だけで難しい(厳しい)ことはみんな知っている。やはり収入アップも考えないとお金は増えない。しかも第一の理由で誰か一人でも「私の地盤が反対」とかゴネ出せば、節約生活は失敗して旅行の夢も泡と消える。旅行の規模を小さくして現実的なものにするか、収入アップの秘策を出すか、確実に節約できる約束を追加するか、具体的な政策を追加しないといけない。


マニフェストが物足りないのは自民党も民主党も同程度だ。個々の議員の主張も微妙な違いしかない。そんな中で、一人の地元候補者の主張が目に止まった。「北朝鮮に今すぐ経済制裁をすべき。」最後に一押しをするのは、どの党も大きな争点として着目していないところかもしれない。