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レボリューション・イン・ザ・バレー 開発者が語るMacintosh誕生の舞台裏
初代Macintoshの開発者が、その過程をつづった。同じテーマを扱った本や雑誌は山ほどあるが、本書は当事者の言葉で、当時の内情を明かしている点で貴重だ。一緒に開発に携わったメンバーも数多く寄稿している。

野心に燃えた数人の開発者が、スティーブ・ジョブスに黙って新しい操作画面の設計作業を進めたこと。彼らの努力が認められ、フロッピ・ディスクを模していた操作画面が、「デスクトップ」と呼ばれる現代的な画面に差し替わったこと。中心メンバーのビル・アトキンソンが、出勤途中の交通事故で死にかけた時でさえ、周囲にOSの描画ルーチンの話をしていたこと。

これらのエピソードを彩るのが、膨大な図版資料である。「Possible?」、「I vote yes」―。手書きのソフトウエア設計図に残る開発者同士のやりとりからは、チームの高揚した雰囲気が読み取れる。

彼らは「週90時間労働、大好き」と染められたTシャツを作り、それを着て働いたという。1984年当時は、世の中に革命を起こす気概を持って、1つのコンピュータを開発することができた時代だ。本書からは、今のIT業界では忘れられがちな、純粋なものづくりの喜びが伝わってくる。

推薦者

  • 清水亮
    • Macintosh開発の裏側で、スティーブ・ジョブズがいかに徹底的に拘り抜いたか、そして彼はどれだけ社員が畏れられ、煙たがられ、しかし崇拝されていたか、ということが現場視点でエピソードを交えながら書かれた本です。特に「コンピュータはポルシェのようでなくちゃ」というジョブズの台詞は今でも心に残っています。

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