JKJOJr全日本選手権大会追記 | 浜井師範が語る。

浜井師範が語る。

私が直接個々の意見すべてに回答はしませんが、意見交換や情報交換は歓迎します。

前回JKJO全日本ジュニア全日本空手道選手権大会・全日本空手道選手権大会の報告をさせてもらいました。その会場で同席した桜塾の酒井代表と話したところ桜塾からの参加選手が約80名で全国ナンバーワンで、その次が 極真会館浜井派からの約50名だったことを酒井代表から教えられました。

1500名の選抜選手のうちの約130名つまり1割近くが桜塾と極真会館浜井派なのです。

私の中国大連総本部駐在での8年超の長期不在にも関わらず、石川県の浜井派極真会館支部長や選手たちが頑張った結果です。

これは自慢していいと思います。


さらに大会入賞者数の地区別順位で北陸地区は関東地区を抜いて第3位ということで驚かされました。

1位・2位の中部・関西にはまだまだ大きく水をあけられているとは言えこれも快挙でしょう。

浜井派からは優勝2階級、準優勝1階級、3位3階級ということで6人が入賞できたという報告でした。

これも石川県の支部長・選手は自慢していいと思います。

しかし来年は関東勢の巻き返しもあるでしょうし、また一層北陸地区で頑張らねばならなくなると思います。


ただ一つ言えることは今までもこれからも排他的でクローズドしている組織・団体はますます衰退し、オープンで寛容な組織・団体はますます発展・拡大・成長してゆくということです。

JKJO日本空手審判機構はオープンな組織としてほとんどすべての組織・団体を受け入れて発展・拡大・成長してきました。

我々浜井派も今さらながらながらJKJOに参加できて本当によかったと感じています。

北信越&百万石杯空手道選手権大会に900人もの参加者があることもJKJO指定大会になっていることが大きな支えとなっていると思います。


実はJKJO日本空手審判機構には私にはある思い入れがあります。

それは私が松井派にいて松井派の中部本部長時代のことです。

大会後の松井派の全国支部長会議で松井派極真以外の多くのフルコンタクトカラテ流派の少年部を松井派の少年大会に参加させるかどうかの採決があったのです。

私はその会議の場で「参加を拒絶すべきではない。なぜなら多くの選手が集まることで切磋琢磨し互いにレベルを上げていくべきであり、少なくとも我々のような極真最大派閥の松井派の少年大会はオープンにしてゆくべきだ。」と主張しました。

しかしその採決はある支部長の「我々が今最も少年の選手層も厚くレベルも高い。したがって他のフルコンタクトカラテを参加させると彼らを我々極真の大舞台で育ててしまうことになる。したがって参加させるべきではない。」という意見が大勢となり他流派少年部の参加は多数決で否決されてしまったのです。


私は危惧の念を持ち、会議終了後松井氏に「会議ではああいう結果が出てしまったが、私は今でも参加をオープン化すべきだと思う。会議での多数決ならばリスクを取らずにああいう結果が出やすいから仕方がないが松井館長の決断で彼らフルコンの参加を決断すべきだと思う。我々のような極真最大派閥が彼らフルコン団体すべてを拒絶すれば彼らは必ず自分たちで舞台を作ることを考えざるを得なくなる。いずれ大きな問題になるだろう。」と直言したのです。


この決定から確か3年後にJKJO日本空手審判機構が発足し、オープンな組織・団体を発展・拡大・成長させ今日に至っているのです。

あの時もし私の主張にしたがって松井派がオープンになっていたらJKJOは発足しなかった可能性があるかもしれません。

今JKJOに席を置いている私としてはちょっと複雑な思いです。


現在JKJOは新極真会や他の組織・団体とも協力し、JFKO全日本フルコンタクト空手道連盟を立ち上げ、統一化された全日本ウエイト制フルコンタクト空手道選手権大会をすでに2度開催しました。

今後このオープン化された流れはますます極真&フルコンタクトカラテ界の巨大な潮流となってゆくでしょう。


繰り返しますがオープンで解放された寛容な組織・団体でなければ、発展・拡大・成長は望めないのです。

極真の組織・団体の中でもクローズドされた閉鎖的で不寛容な組織は衰退し滅亡してしまうでしょう。


そしてある意味日本よりオープンな海外組織が日本のオープンな組織・団体と組み始めるのは必然なのです。

KWUと新極真会の対等提携協力関係がその典型的な例でしょう。


私もJFKOのオープントーナメントには大きな期待と希望を持っています。


浜井派としてはまず真面目に稽古し、日々の稽古によって技量・力量を向上させ、世界に通用する強い選手を育成してゆく。

肉体的にも精神的にも強いことはもちろん、強いだけではなく武道として正しい精神を広めてゆく。

ただ勝てばいいだけの世界にいくらでもある武術とは一線を画し、武道と武術を厳密に区別してゆく。

それを前提としたうえで極真会館浜井派を発展・拡大・成長させてゆく。

そしてJKJOやJFKOと協力しながら全日本空手道選手権大会やKWF全世界空手道選手権大会を開催してゆく。

私も実業家を引退した今、日本の誇る日本武道としての極真空手道を普及させることに大きな生きがいとやりがいを感じています。


私は「日本の武道精神こそ、人類の避けられない争い・戦いの中でも互いへの感謝と尊敬を育て得る唯一の精神文明である。」と確信しています。


それこそが極真空手道創始者の故大山倍達総裁が求めた武道空手精神であり「日本武道精神こそが世界平和をもたらす唯一の精神文化である。」と主張した理由なのです。


我々のような日本武道の指導者は、その組織・団体の大小や地位・名誉の高低にかかわらず、この武道教育の持つ価値とそれを伝える責任の重さを自覚し、かつ日本武道を指導できる喜びと誇りをしっかり持たねばならないと感じています。

以上