デザインをするということは非常に難しいことだと私は思っています。
例えば、クライアントさんとの打ち合わせで、ロゴの制作依頼があったとしましょう。
クライアントさんの意図が10あったとしたら、その10全てを語ってくれる人はどれだけいると思いますか?
私が出会った中では、1割程度です。
例えば、お世話になっているネット通販の魔術師こと杉本幸雄氏。
彼は、ネット通販コンサルで億を売上た実力の持ち主です。
ロゴの制作から名刺、クリアーファイルの制作を始め、ホームページ制作などトータル的にご依頼を頂きました。
専門家の彼でさえ、言った言葉は「蓮を使ってロゴを作って欲しい」ってことだけです。
どんなデザインにするのか?
そんなことは教えてくれません。
他のクライアントさんも同じです。
私が数十年以上お世話になっている方も「サクッと」「かわいい感じで」「30代に受ける感じで」など、めっちゃアバウトなイメージを伝えてくれます。
そんな曖昧なものをどうやって表現していくのか?
そこは、私の「理解力」や「表現力」、もっと言えば「デザイン力」にかかっています。
お客様の意図を吸い上げる力
デザインをするということの意味をはき違えている方が非常に多いです。
自分の好きなデザインをすることがデザイナーの仕事ではありません。
もちろん、お客様の言われたことだけをするのが、デザイナーではありません。
先日も、名刺の依頼を頂きました。
クライアントさんからは「インパクトのある感じで」という依頼だけ。
それ以外は、参考の名刺をいただきましたが、頂いた名刺は縦型。
制作して欲しい名刺は、横型。
あくまでも参考程度にしかなりません。
特に、色の指定なし。
完全お任せ的な感じです。
あなたはどんな名刺を制作しますか?
とある方は、これを伝えた通り制作してくれました。
しかし、そのデザインはボツです。
なぜなら、お客様の意図が入っていないからです。
意図が入っていない名刺は、お客様は「なぜインパクトのある名刺を欲しいのか」を考えずに作ってます。
お客様は、デザインを依頼するときに、全てを語ってくれません。
クライアントさんの意図をくみ取るのが私たちデザイナーの仕事でもあります。
(ディレクターさんとかいればその人がやってくれますが・・・)
それを「聞いていないからやってません」は、通用しない。
あたりませですけどね。
あなたのデザインがオッケーにならない理由
クライアントさんから1枚の画像をもらいました。
あなたは、それをどう使いますか?
- 素直にそのまま使う。
- きりぬく。
- ページ全体にドカンと大きく。
- 中央に帯状に使う。
画像の使い方だけでも、これだけあります。
正解はどこにあるんでしょうか?
デザインの意図を知らずして、写真のサイズ一つ決めることはできません。
「何のためにデザインするのか」
これを理解せずに制作してしまうからOKがいつまでたっても出ない状態になってしまいます。
例えば、普通は絶対にしないようなトンデモない手法であっても、それが意図されたものであれば、間違いではなく、それは成功になります。
良いデザインをするためには、まずはその「目的」について深く考えてください。
誰に何をどんな風に伝えたいのか?
意図や世界観、コンセプト、切り口、メッセージ・・・・などいろんなことが考えられます。
しかし、大事なことは、デザインの目的について理解し、それにふさわしいカタチは何か?を追求していくことです。
今回、私は浅草のカフェさんの看板に、浅草という場所を考えたら、普通はしないような子供ちっくな遊び心を入れてみました。
細かい修正はあったものの大きな修正はありません。
なぜなら、クライアントさんの要望が「なにそれ?」っていう違和感が欲しい!!ってことだったから・・・。
まとめ
デザインする前に考えることは、下記の4つ。
- どんな人に伝えたい?
- なにを伝えたい?
- なぜ伝えたい?
- いつ・どこで伝えたい?
これらを考えずに作ったデザインは、ごちゃごちゃしていたり、まとまりがなかったり・・・
そんな、ダメダメデザインになってしまうでしょう。
何度も言いますが、聞いてないからできない。
そんな言い訳をする人に私はデザインを頼みたくないですね。
あなたも、デザインする前に考えてみてくださいね。